2026/06/22|986文字
原則として、有期契約労働者に休職制度を設ける必要はありません。
むしろ、制度を設けることで契約更新や雇止めの判断が難しくなるリスクがあるため、慎重に検討すべき事項です。
ただし、業務の継続性や人材確保の観点から、一定の職種・契約期間の長い有期社員には休職制度を設けることも考えられます。
1.原則:有期契約に休職制度は不要
- 理由①:休職は「原職復帰を前提とした制度」
休職制度は、一時的に働けない状態になった従業員を、原職に復帰させることを前提に、雇用関係を維持するための制度です。
しかし、有期契約の場合、契約期間が短く、契約更新の有無が毎回判断されるため、原職復帰を前提とした制度設計がそもそも馴染みにくいとされています。
- 理由②:休職期間中に契約期間が満了する
例えば、契約期間が1年で、休職期間が6か月とした場合、休職中に契約期間が満了することがあり、「休職期間と契約期間のどちらを優先するのか」という問題が生じます。
多くの企業では、契約期間満了を優先し、休職期間中であっても契約終了とする運用が一般的です。
2.制度を設けることで生じるリスク
- リスク①:雇止め判断が難しくなる
休職制度があると、「休職させたのだから、更新を期待させたのでは?」「休職中に雇止めするのは不合理では?」といったことを主張される可能性があります。
- リスク②:無期雇用に近い扱いになりやすい
休職制度を設けると、長期雇用を前提としているものと評価されやすく、雇止め紛争のリスクが高まります。
3.例外的に休職制度を設けるケース
以下のような場合は、制度を設ける企業もあります。
・契約期間が長い(例:3年契約)
・専門職で代替が難しい
・実質的に長期雇用を前提としている
・無期転換を見据えた人材育成を行っている
この場合でも、契約期間満了時の扱いを明確にしておくことが必須です。
4.制度を設ける場合の注意点
制度を設ける場合は、就業規則や契約書に次のような文言を明記します。
- 契約期間満了の優先
「休職期間中であっても、契約期間満了により雇用契約は終了する。」
- 更新の有無は別途判断
「休職の有無にかかわらず、契約更新は会社の基準に基づき判断する。」
- 休職期間は契約期間を延長しない
「休職期間をもって契約期間を延長するものではない。」
これらを明記しないと、「休職期間がある=契約期間を延長する意思がある」と解釈されるリスクがあります。