2026/04/06|795文字
結論として、育児休業中の従業員には、会社に対して「働かせてほしい」と請求する権利(就労請求権)はありません。
一方で、会社にも「育休中だから絶対に働かせてはいけない」という禁止規定はなく、会社と本人が合意すれば働くことが可能です。
<就労請求権がない理由>
理由はシンプルで、育児休業は「仕事を休んで育児に専念できるようにするための制度」だからです。
育休は労働者の権利ですが、「休む権利」であって「働く権利」ではありません。
育休中は労働契約が一時的に停止している状態です。
そのため、労働の提供(働くこと)を一方的に再開することはできません。
このような仕組みのため、育休中に「働かせてほしい」と言っても、会社が応じる義務はありません。
<育休中に働くことは一切できないのか>
法律は、育休中の「一部就労」を柔軟に認めています。
- 育休中の就労(合意ベース)
会社と本人が合意すれば、次のことは可能です。
・スポット的に働く
・一時的に出勤する
・在宅で業務を手伝う
会社には「働かせる義務」がないため、あくまで双方の合意が前提です。
- 育休中の「就業日数・時間の上限」
育児休業給付金を受け取る場合、次のような制限があります。
・1か月に10日以内の就労
・時間数は「80時間以内」
これを超えると給付金が減額・不支給になる可能性があるため、実務上は注意が必要です。
<会社が「働かせたくない」と判断する理由>
会社がNGを出す場合、次のような理由が多いです。
・育休中の業務管理が難しい
・他の従業員との公平性の問題
・給付金の扱いが複雑になる
・トラブル防止のため、原則として育休中は就労させない方針
これらは会社側の合理的な判断として認められています。
<会社が「働いてほしい」場合>
会社が「育休中でも働いてほしい」と依頼することはありますが、労働者は断ることができます。
育休はあくまで労働者の権利であり、会社が強制することはできません。