2026/03/02|947文字
年次有給休暇を「会社が勝手に使った」というご相談は、実際の相談会でもとても多いテーマです。
<年次有給休暇は「労働者が自分で使い方を決める権利」>
年次有給休暇(いわゆる有休)は、労働基準法で「労働者が請求した時に与えなければならない」と定められています。
つまり、本来は労働者が「いつ使うか」を決める権利を持っています。
会社が勝手に「今日有休にしておいたよ」と処理することは、原則として認められません。
<ただし例外として「時季変更権」と「計画年休」がある>
会社が有休の時期に関わることができるのは、次の2つだけです。
- 時季変更権
労働者が「この日に有休を使いたい」と申し出た時、会社がかなりの努力をしても、業務が正常に回らなくなる場合に限り、別の日に変えてもらうことができるという制度です。
ただし、これはあくまで「労働者が申請した後」の話であり、会社が勝手に有休を入れることはできません。
- 計画年休
会社と労働組合(または労働者の過半数代表者)が協定を結んで、「誰がいつ有休を取得するか」を決める制度です。
これは法律で認められていますが、協定がないのに会社が一方的に決めることはできません。
<無断欠勤の有休への振替え>
よくあるケースとして、体調不良で休み連絡が遅れたとき、欠勤扱いにしたくないから会社が有休にしたというものがあります。
しかし、これも原則として労働者本人の同意が必要です。
本人が「有休にしてください」と言っていないのに、会社が勝手に処理するのは適切ではありません。
<会社が勝手に有休を使った場合の対応>
次のように進めるとスムーズです。
(1) まずは事実確認
「○月○日の休みが有休になっているようですが、この日に届け出た覚えがありません」と落ち着いた形で確認します。
(2) 会社側の理由を聞く
業務上の都合、欠勤扱いにしたくなかった、会社のルールだと思っていたなど、理由が分かると対応が考えやすくなります。
(3) 同意していないことを伝える
もし納得できない場合は、「私は有休の取得を希望していませんので、元の扱いに戻していただけますか?」と丁寧に伝えます。
(4) それでも改善されない場合
労働基準監督署に相談することもできます。
「有休の不適切な扱い」は相談件数も多く、監督署も対応に慣れています。