2025/11/20|1,152文字
失業保険は1975年に「雇用保険」に名称変更されました。目的が「失業者の支援」から「働く人の雇用安定・能力開発」へと広がったためです。制度内容も、給付の種類や対象が大きく拡充されました。
<いつ変わったのか?>
失業保険は、1975年(昭和50年)に「雇用保険法」が施行されたことで、正式に「雇用保険」に名称変更されました。それ以前は「失業保険法」(1947年制定)に基づいて運営されていました。
<なぜ変わったのか?>
名称変更の背景には、社会と労働環境の変化があります。
・単なる失業者支援から、働く人の雇用安定・能力向上へと目的が広がったため
・高度経済成長期を経て、雇用の流動化や技能の再教育が重要になった
・失業者だけでなく、在職中の労働者にも支援が必要になった
つまり、「失業した人を助ける」だけでなく、「失業しないように支援する」「再就職しやすくする」制度へと進化したのです。
<内容はどう変わったのか?>
雇用保険は、失業給付に加えて複数の給付制度を持つようになりました。主な変更点は以下の通りです。
◯給付の種類が増えた
| 給付の種類 | 内容 |
| 求職者給付(旧・失業保険) | 失業中の生活支援(基本手当など) |
| 就職促進給付 | 再就職した人への手当(再就職手当、就業促進定着手当など) |
| 教育訓練給付 | スキルアップのための講座費用の補助(一般教育訓練給付、専門実践教育訓練給付など) |
| 雇用継続給付 | 育児・介護などで働き方を変えた人への支援(育児休業給付、介護休業給付、介護時短給付など) |
◯対象者が広がった
・正社員だけでなく、パート・アルバイトでも週20時間以上働く人は加入対象に
・2028年には週10時間以上の労働者も対象になる予定
◯自己都合退職者への支援が手厚く
・以前は給付開始まで2か月の制限期間があったが、2025年から1か月に短縮
・教育訓練を受けると、制限期間が完全に解除される制度も導入
◯育児・介護への支援が強化
・2025年から「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」が新設
・育児休業中の給付率が最大100%(手取りベース)に
<なぜ今また改正されているのか?>
2025年の改正は、以下の社会課題に対応するためです。
・少子化対策:男性育休取得率を2030年までに85%へ
・働き方の多様化:副業・短時間労働者への対応
・リスキリング支援:教育訓練給付の拡充
これにより、雇用保険は「失業者のための制度」から「すべての働く人のキャリア支援制度」へと進化しています。
<まとめ>
失業保険は1975年に「雇用保険」に変わり、目的も内容も大きく広がりました。現在では、失業中の支援だけでなく、育児・介護・教育訓練・再就職など、働く人の人生全体を支える制度となっています。制度の変化を知ることで、より安心して働き、生活設計を立てることができます。