モデル就業規則の正しい使い方

2025/11/13|1,253文字

 

モデル就業規則とは?>

「モデル就業規則」とは、厚生労働省が企業向けに公開している「就業規則のひな型(参考例)」です。企業が従業員との労働条件を明確にするために作成する「就業規則」の参考として使われます。

 

背景と目的>

日本の労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する事業場は「就業規則」を作成し、労働基準監督署長に届け出る義務があります。 しかし、特に中小企業では「何をどう書けばいいのか分からない」という声が多く、厚生労働省が標準的なひな型として「モデル就業規則」を提供しています。

これには、法令に沿った就業規則を簡単に作成できるようにする、労使間のトラブルを未然に防ぐ、労働条件の明確化と職場のルール整備を促進するといった目的があります。

 

仕組みと構成>

モデル就業規則は、以下のような項目で構成されています。

・適用範囲:正社員・パートタイマーなど、規則が適用される従業員の範囲を明記します。

・労働時間:始業・終業時刻、休憩時間、休日、有給休暇の取得方法などを定めます。

・賃金:基本給、手当、賞与、退職金の有無、支払日、計算方法などを記載します。

・服務規定:職務専念義務、守秘義務、懲戒事由など、従業員の行動規範を示します。

・安全衛生:健康診断の実施、災害時の対応、衛生管理体制などを定めます。

・副業・兼業:届出制または許可制の有無、業務への支障がないことなどの条件を記載します。

・退職・解雇:自己都合退職の手続、定年、再雇用制度、解雇事由と手続などを明記します。

これらは、労働基準法や関連法令に基づいて構成されており、企業が自社の実情に合わせ、法定の範囲内で修正・追加することが前提です。

 

正しい使い方>

モデル就業規則は「そのまま使う」のではなく、以下のステップで活用するのが正しい方法です。

 

  1. 自社の実態を把握する

勤務時間、休日、給与体系、職種など、自社の働き方を整理します。

 

  1. モデル就業規則を参考にする

厚生労働省のモデルをベースに、自社の実態に合うように修正します。

 

  1. 労使協議を行う

労働者代表と話し合い、内容に納得してもらうことが重要です。

 

4.就業規則として制定・周知する

作成した規則は、労働者に周知し、10人以上の事業場では労働基準監督署長に届け出ます。

 

  1. 定期的に見直す

法改正や働き方の変化に応じて、内容を更新する必要があります。

 

<実務上の注意点>

法令遵守が前提です。モデル就業規則は法令に準拠していますが、企業が独自に変更する際は、労働基準法などに違反しないよう注意が必要です。なお、違反している部分は、労働基準法などの労働法によって効力が否定されます。

モデル就業規則は、万能ではありません。業種や企業規模によっては、合わない部分もあります。例えば、フレックスタイム制やテレワーク制度などは別途対応が必要です。

従業員に対する説明責任があります。就業規則は「書いて終わり」ではなく、従業員が内容を理解し納得していることが重要です。

変更する場合にも、労働者代表からの意見聴取や監督署への届出が必要です。

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