2025/01/12|1,203文字
<労働基準関係法制研究会での議論>
厚生労働省の労働基準関係法制研究会では、13日を超える連続勤務を禁止してはどうかという議論があります。
これは、現在の労働基準法では、理論上、際限なく連続勤務が可能となってしまい、過重労働の発生が防止できないという課題があるためです。
また、労災保険での精神障害の認定基準では、14日以上の連続勤務が、心理的負荷となる具体的出来事と評価されていることとも矛盾するからです。
<労働基準法による原則の休日>
労働基準法は、法定休日として、労働者に毎週少なくとも1回の休日を付与することを原則としています。〔労働基準法第35条第1項〕
ところが、昭和62(1987)年に労働基準法が改正され、法定労働時間が週48時間から週40時間に短縮されたことに伴い、週休2日制とする企業が増えました。
週休2日制の企業では、1週の中に法定休日1日と、法定休日ではない所定休日1日が混在することになりました。
<労災保険給付の対象となる精神障害の発生>
業務の繁忙や業種・職種の特性により、長期間の連続勤務が避けがたい場合もあります。
このため最近でも、2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行ったことによる心理的負荷が具体的出来事の一つとして評価され、精神障害事案として労災保険給付の対象となっています。
<4週4休制という例外>
労働基準法は、4週間を通じ4日以上の休日を与える変形休日制(4週4休制)を認めています。〔労働基準法第35条第2項〕
この制度は曲解され、月4日の休日としたり、毎年4週間の基準日が動いてしまったりの違法な運用も見られます。
しかし正しく運用しても、4連休の後の24連勤という偏った長期間の連続勤務も理論上は可能であって、労働基準法違反とはなりません。
<三六協定による法定休日労働>
三六協定に法定休日労働の条項を設ければ、法定休日に労働させることが可能となります。しかも、労働基準法はこの回数に制限を設けていません。
これによって発生しうる連続勤務は、健康上望ましいものではありません。時間外労働の上限と同様に、休日労働にも一定の制限をかけるべきではないかと考えられています。
<総合的な考慮から>
これらの点を総合的に考慮すると、三六協定に法定休日労働の条項を設けた場合や、精神障害の労災認定基準も踏まえると、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきであると考えられます。
ただし、災害復旧等の真にやむを得ない事情がある場合の例外措置や、顧客や従業員の安全上やむを得ず必要な場合等に代替措置を設けて例外とする等の対応を労使の合意で可能とする措置についても検討すべきだとされます。
また、法定休日の本来の趣旨を貫徹するならば、4週4休の特例を2週2休とするなど、連続勤務の最大日数をなるべく減らしていく措置の検討に取り組むべきであるとも考えられています。