2023/09/22|822文字
令和5年10月1日、雇用保険手続での事業主印の押印廃止が徹底されます。
<押印廃止の例外>
押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省第 208 号)に基づき、行政手続の押印は令和2年度に原則廃止され、押印が存続しているものは、基本的に、金融機関に対する届出印や登記関係の手続等に限られています。
ところが、雇用保険手続では押印のうち、次のものについて押印が存続していました。
・あらかじめ登録された印影と照合する手続
(例:事業所設置届、事業所各種変更届等の事業主印)
・労働者が申請するものであるが、事業主の証明により支給要件を満たすことを確認する必要があり、その真正性を確保する必要がある手続
(例:再就職手当支給申請書、就業促進定着手当支給申請書等の事業主印)
<新たな押印廃止の対象>
令和5(2023)年9月7日、第182回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会が開催され、一部の手続で存続していた雇用保険手続での事業主印の押印の廃止等を行うための雇用保険法施行規則の改正省令案要綱の諮問が行われました。
今回の改正は、以下の手続に関する様式を改正し、金融機関に対する届出印等の一部を除き、事業主印の押印をすべて廃止するものです。
・再就職手当の支給申請手続(様式第29号の2)
・就職促進定着手当の支給申請手続(様式第29号の2の2)
・常用就職支度手当の支給申請手続(様式第29号の3)
・高年齢雇用継続基本給付金及び高年齢再就職給付金の支給申請手続(様式第33号の3及び様式第33号の4)
<押印廃止での対応>
具体的には、各様式の「印」が削除され、改ざん等の抑止力を確保するため、様式中に「(注)記載内容について、記載した方に直接確認する場合があります。」との表示が行われます。
つまり、筆跡などが明らかにおかしい場合には、名義人に本人の記載であることを確認することをもって、不正を防止するということです。