労働施策総合推進法の改正

LINEで送る

2020/02/23|1,201文字

 

<法改正に関する通達>

令和2年2月10日、パワハラ防止措置義務化等に伴う通達が発出されています。

正式名称は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第8章の規定等の運用について」(雇均発0210第1号)です。

これは、パワハラ防止措置義務化を定めた改正労働施策総合推進法の6月1日施行に伴い、関連規定と指針の趣旨、内容、取扱い、解釈通達の一部変更を示したものです。

この中で、パワハラ指針の趣旨を次のように示しています。

 

<職場の範囲>

業務遂行の場所であれば、通常就業している場所ではなくても、出張先、業務で使用する自動車の中や取引先との打合わせの場所等も含まれます。

勤務時間外の懇親の場、社員寮や通勤中等であっても、実質上職務の延長と考えられるものは職場に該当します。

日常用語の「職場」は、通常就業している場所を指すのですが、パワハラ防止措置で対象となる「職場」は、職務の延長線上で利用される場所すべてを指します。

 

<内容や状況に応じた適切な対応>

相談者や行為者に対して、一律の対応をするのではなく、労働者が受けている言動等の性格や態様によって、状況を注意深く見守る程度のものから、上司や同僚等を通じ、行為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すもの等事案に即した対応を行うことが必要です。

場合によっては、相談者の性格や精神状態を踏まえた対応も必要になるでしょう。

 

<相談者の心身の状況や受け止め方などへの配慮>

相談者が相談窓口の担当者の言動等によってさらに被害を受けるなど、相談者が相談したことによって被害が拡大する二次被害を防ぐための配慮も必要です。

この二次被害が発生した場合には、訴訟となったときに、企業側が敗訴する可能性は格段に上昇します。

小さなパワハラであっても、企業は全力で対応しなければリスクを負うことになります。

 

<幅広い相談への対応>

放置すれば相談者が業務に専念できないなど、就業環境を害するおそれがある場合、または労働者同士のコミュニケーションの希薄化などの職場環境の問題が原因や背景となって、パワーハラスメントが生じるおそれがある場合の他、勤務時間外の懇親の場等においてパワーハラスメントが生じた場合等も幅広く相談の対象とすることが必要です。

また、その言動を直接受けた労働者だけでなく、それを把握した周囲の労働者からの相談にも応じる必要があります。

なお、一見、特定の労働者に対する言動に見えても、周囲の労働者に対して威圧感を与えるような場合には、周囲の労働者に対するパワーハラスメントになる場合もあることに留意する必要があります。

加害者からの言動を直接受けた労働者だけが、被害者とされる傾向にあります。

しかし、その場に居合わせた同僚や部下なども、精神的に動揺し傷つくのが通常です。

この点を見逃すことなく対応する必要があるということです。

 

解決社労士