2024/11/27|1,560文字
<ブラック企業の特徴>
ブラック企業は、一部の社員を最低の賃金で過重労働させたうえ使い捨てにします。
この特徴が求人広告に反映されています。
優良企業が求人広告を出す場合でも、同じ特徴を備えていると、ブラック企業ではないかと疑われるので注意が必要です。
<低賃金で長時間労働だから>
ブラック企業の社員は極端な長時間労働ですから、結果的に一部の社員に最低賃金法違反が発生します。
ところが、ブラック企業も優良企業も、求人広告をザッと見ると給与が高いと感じられます。
ブラック企業は、「この仕事でこの給与ならお得だ」と思わせる工夫をしているからです。
区別のポイントは、労働時間、休日出勤、休暇、基本給、手当、残業など労働条件の分かりやすさです。
ブラック企業は、実際の労働時間が判断できないような不明確な表現をしています。
休日出勤や休暇についてもあやふやです。
優良企業ならば、明確な実績を表示できるはずです。
ブラック企業の求人広告には、聞き慣れない名称の手当があったり、残業代が別計算なのか手当に含まれるのか分からなかったりと怪しいのです。
優良企業ならば、一般的な用語を使っていますから明確です。
<社員の使い捨て>
ブラック企業は、疲れた社員を意図的に退職に追い込むので、いつも大量の退職者が出ています。
その一方で、大量の新規採用を行います。
「事業拡大につき大量採用!」という表現が求人広告に入っていたら、優良企業が本当に事業を拡大する予定なのか、それともブラック企業がウソをついているのか、少し調べて判断する必要があります。
ネットで検索してみて、新店舗を出店するとか、新規事業を展開するといった具体的な情報がないのであれば、怪しまなければなりません。
<本当は魅力が無いから>
優良企業なら、労働者が魅力を感じるポイントがたくさんありますから、具体的な魅力を求人広告にアピールできます。
一方ブラック企業は、アピールできる魅力が無いのでイメージでごまかそうとします。
そのため、次のような表現が多く見られます。
・一部の人の昇給例の表示
使い捨てにする側の社員は昇給や昇進があるので、これを例示します。
使い捨てにされる側の社員の「平均」は表示できません。
・年次有給休暇など休暇の「実績」の表示が無い
制度があるという表示はあるものの、本当に休暇を取れているという実績は無いので表示できないのです。
・「和気あいあい」「アットホーム」など人間関係が良いことをアピール
実際には小規模で、社員が親から叱られるように厳しく扱われているのが現実です。
それでいて、親とは違って愛情が感じられません。
・精神論的な表現が目立つ
「あなたの熱意を買います」「やる気だけ持ってきてください」「あなたの夢は何ですか」「お客様への感謝の気持が原動力です」など実体の無い表現が多く見られます。
<広告がデタラメなら>
求人広告に実際と違うことが書かれていたら、どうしてもダマされてしまいます。
求人広告がまともな場合でも、応募の電話を掛けてみたり採用面接に行ってみたりして、採用担当者がとても早口だったら警戒しましょう。
面接の時間が短くて、すぐに採用が決まったり、その場で書類の記入をさせられたりするのは怪しいのです。
ブラック企業は、大量退職・大量採用ですから、ひとり一人の応募者に対して丁寧に応対する時間が無いのです。
そのため、じっくり選考する態度は見られず、どうしても大急ぎの対応となります。
また、運良く面接会場が会社の中であれば、その会社の社員の姿を見ることができるかも知れません。
採用された場合の数年後の姿が、その社員と重なることでしょう。
無表情だったり、身だしなみが乱れていたりして、疲労感がにじみ出ているようなら、直感的に入社を見送ることになると思います。