パワハラの訴えを軽視する上司

2023/11/04|861文字

 

<パワハラは優位性による嫌がらせ>

パワーハラスメントとは、「優越的な関係を背景とした業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により就業環境を害すること」とされています。

就業環境を害するというのは、働きにくくなる人や、出勤しにくくなる人が発生することをいいます。

ハラスメント(嫌がらせ)は、被害を受けている従業員のメンタルヘルス不調に直結します。

被害を受けている従業員は、ハラスメントの言動を受けている直接の被害者だけでなく、ハラスメントを見聞きした間接的な被害者も含まれます。

間接的な被害者の方に、重大な精神障害がもたらされることもあります。

 

<会社の正しい対応>

パワハラについての教育・研修も大切です。

しかし、パワハラを懲戒処分の対象とし、就業規則に懲戒規定を置くことや、人事考課の基準に取り入れることはもっと大事です。

そして、これらすべての前提として、パワハラについての明確な定義が就業規則などによって社内に示されていることが必要です。

パワハラの定義が無い会社には、必ずパワハラがあり被害者が存在すると言っても過言ではありません。

 

<パワハラ被害に気付いたら>

パワハラについて正しい対応ができていない会社で、部下や同僚の被害に気付いたら、プライバシーに配慮しつつ、熱心に話を聴くことが大切です。

ここでは安易に意見を述べたり、間違いを指摘してはいけません。

じっくりと話を聴いて、気持をくみ取るよう心がけます。

もし、メンタルヘルス不調の徴候に気付いたら、専門家に相談することを勧めましょう。

また、社内での解決が難しいケースでは、都道府県の相談窓口への相談も考えましょう。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

会社の正しい対応を進めるには、信頼できる社労士との連携が必要だと思います。

また、パワハラ対策が進んでいない会社では、従業員の相談窓口として社労士を指定しておくことをお勧めします。

相談窓口の無い会社では、従業員が突然、労働基準監督署や弁護士に相談するものです。

問題が小さなうちに対処できるよう、安全策を講じましょう。

 

PAGE TOP