賃金支払の5原則は最低賃金と同じく大事です

2023/08/25|767文字

 

<最低賃金>

最低賃金は、都道府県ごとに1時間あたりの賃金額で定められています。

たとえ働く本人の同意があっても、最低賃金額を下回ることはできません。〔最低賃金法第4条〕

高校生のアルバイトにも適用されますし、法律に反する本人や家族の「同意書」は無効です。

 

<労働基準法の定める「賃金の原則」規定>

賃金は通貨で、直接働く本人に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。〔労働基準法第24条〕

これは賃金支払いの5原則と呼ばれます。

「原則」とは言うものの、違反すれば1人につき1回30万円以下の罰金が科せられます。

ですから原則違反は犯罪行為です。〔労働基準法第120条第1号〕

 

<通貨払いの原則>

賃金は通貨で支払う必要があり、現物支給は禁止されています。

働く本人の同意などがあれば銀行振込も可能です。

会社側から金融機関を指定するのは、本人から銀行振込を求めていないと認定される場合があります。

労働条件通知書に、最初から給与振込口座の金融機関が指定されていてはいけません。

また、家族名義の口座ではなく本人の口座であることが必要です。

 

<直接払いの原則>

賃金は働く本人に直接支払う必要があります。

代理人や親権者等への支払はできません。

 

<全額払いの原則>

賃金は全額を支払う必要があります。

ただし、所得税など法令に定めがあるものや、労使協定で定めたものだけは控除できます。

 

<毎月1回払いの原則>

毎月少なくとも1回は賃金を支払わなければなりません。

賞与等の一時金は、会社の就業規則などに従って支払えば良いので、この原則の対象とはなりません。

 

<一定期日払いの原則>

毎月25日というように、周期的な支払期日を定めなければなりません。

毎月第3月曜日というように、固定されているように見えて、実は周期的ではない期日は原則違反となります。

 

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