フレックスタイム制で年次有給休暇と残業は相殺できるか

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<正しいフレックスタイム制の前提>

「残業時間が8時間たまると1日休める」というような、労働者に不利な「名ばかりフレックス」も横行しています。

しかしここでは、きちんと労使協定を交わして適法に運用されているフレックスタイム制を前提として考えます。

 

<不足する労働時間を年休で埋める場合>

清算期間の労働時間が基準の総労働時間に達しない場合、このままでは欠勤控除が発生しうるので、これを防ぐために事後的に年次有給休暇の取得を認めるのは、よい運用だと思います。

ただし、就業規則や労使協定に運用ルールを定めておくことが必要でしょう。

また、つじつま合わせで、出勤日に年次有給休暇を重ねて、形式的に基準の総労働時間を超えるように計算するというのは、明らかに不合理な運用です。仕事を休んだ日に年次有給休暇を取得する形にしましょう。

 

<残業時間が多すぎるので年休を取り消す場合>

清算期間の最初のほうで年次有給休暇を取得したところ、その後の期間で想定外の残業が発生したために、労働時間が基準の総労働時間を大きく上回ってしまうことがあります。

この場合に、労働者のほうから年休の取得を取り消して、別の機会に使うことを申し出た場合に、これを認めるのもよい運用だと思います。

ただし、就業規則や労使協定に運用ルールを定めておくことが必要でしょう。

しかし、「今回は残業時間が多いから取り消しなさい」という話を、使用者である上司のほうから言うのは、労働者の年次有給休暇を取得する権利を侵害することになるのでダメです。

 

2016.08.28.