就業規則が知らないうちに改定されていたら

LINEで送る

<就業規則の改定>

従業員の一人ひとりに就業規則の冊子が配付されている会社で、いつの間にか内容が改定されていて、改定後の就業規則は配付されなかったということがあります。

その会社の責任者が一念発起して就業規則の冊子を作って配ったものの、その後は経費の関係で改定版までは作らなかったのです。

この場合に、改定後の就業規則は有効なのでしょうか。

 

<就業規則の変更手続き>

就業規則を変更する場合の手順は次のようになります。

・変更内容の社内決裁

・変更後の就業規則の作成

・変更した就業規則の周知(しゅうち)

・労働者代表などによる意見書の作成

・就業規則変更届の作成

・所轄労働基準監督署への届出

 

<周知とは?>

ここで、周知(しゅうち)というのは、広く知れ渡っていること、または、広く知らせることをいいます。

「周知の事実」といえば、みんなが知っている事実という意味です。

「就業規則の周知」という場合には、社内の従業員に広く知らせるという意味です。

ところが、ここでの「周知」には、具体的内容について従業員全員に教えておくというほどの強い意味はありません。

 

<周知の方法は?>

従業員に配付する、常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける、パソコンやスマホなどでいつでも見られるようにしておくなどの方法があります。

会社は、労働基準法の要旨も就業規則も周知しなければなりません。ですからたとえば、就業規則に「年次有給休暇は法定通り」と定めたならば、別に労働基準法の年次有給休暇の定めの内容を周知することになります。

 

<周知しないとどうなる?>

訴訟になれば、周知しない就業規則の効力は否定されます。

たとえ、労働基準監督署に届け出をしていなくても、周知した就業規則の効力は認められます。

もっとも、届け出も義務づけられていますので、怠ることはできません。

 

<結論として>

会社が改定後の就業規則を周知したのに、たまたま気づかない従業員がいたという場合には、改定後の就業規則は、その従業員に対しても有効です。

しかし、会社が改定後の就業規則を周知しなかったので、これを知らない従業員がいたという場合には、改定後の就業規則は、その従業員に対しては無効です。たとえ、労働基準監督署への届出が済んでいても、その従業員に対しては無効なのです。

 

2016.05.16.