2022/11/19|565文字
<雇用関係助成金支給のねらい>
厚生労働省は企業に対して、数万円~数百万円の多種多様な助成金を支給しています。
もともと厚生労働省などの行政機関というのは、立法機関である国会が作った法律を誠実に執行する義務を負っています。
しかし法律を執行するだけでは、なかなか思い通りの成果が現れないこともあります。
そこで雇用の分野を中心として、政府の政策に沿った努力をする企業に、助成金を支給することで、政策の推進を図ろうとしているのです。
たとえば、解雇しないで雇用し続ける努力、就職困難者を雇い入れる努力、職場環境を整える努力、社員の能力を向上させる努力などです。
<雇用関係助成金の財源>
助成金の財源は、雇用保険料です。
健康保険や厚生年金の保険料は、会社と労働者とで折半します。
しかし雇用保険では、会社の方が労働者より保険料が高いのです。
この高い分が、助成金の財源となっています。
ですから企業にとっては、「支給」というより「返金」ということになります。
<受給手続が面倒な理由>
厚生労働省がブラック企業に助成金を支給すれば問題視されますから、まず、会社の健全性がチェックされます。
そして助成金支給の基準に従った、政策の推進に役立つ活動があるかのチェックも行われます。
この二重のチェックのために、手続が簡単ではないのです。