2026/07/29|1,238文字
食事補助制度は、会社が従業員の食事代の一部を負担する福利厚生制度です。
2026年4月から非課税枠が月7,500円に拡大され、導入しやすくなりました。
ただし、非課税で運用するためには「現物支給」「従業員が50%以上負担」などの条件が必須です。
制度設計を誤ると「給与」とみなされ課税されるため、導入時のルールづくりが重要です。
<食事補助制度とは?(制度の基本)>
食事補助とは、会社が従業員の食費の一部を負担する制度で、次のような形があります。
・社員食堂での食事提供
・弁当の配達サービス
・置き型社食(冷凍食品や惣菜をオフィスに設置)
・食事チケット・電子カード(食事にのみ使えるもの)
現金支給の「食事手当」は原則課税扱いとなるため、福利厚生として導入する場合は「現物支給」が基本です。
<非課税で運用するための条件(重要ポイント)>
国税庁が定める非課税要件は次の2つです。
要件①従業員が食事代の50%以上を負担すること
例:1食1,000円なら、従業員が500円以上負担する必要があります。
要件②会社負担が月7,500円(税抜)以下であること
2026年4月から上限が3,500円→7,500円に引き上げられました。
※上限を超えると、その超過分は給与として課税されます。
その他の前提条件
・現物支給であること(食事そのもの、食券、置き型社食など)
・全従業員を対象とすること
・社会通念上妥当な金額であること
<導入のステップ(会社が実際に行うこと)>
食事補助制度を導入する際の流れは次のとおりです。
①目的の整理
「従業員の健康支援」「物価高対策」「採用力強化」など、目的を明確にします。
②提供方法の選択
会社の規模や予算に応じて選びます。
・社員食堂型:大規模企業向け
・置き型社食:小〜中規模企業でも導入しやすい
・弁当配送型:昼食需要が高い職場向け
・食事チケット型:外回りやテレワークにも対応
③費用負担割合の決定
非課税要件を満たすため、従業員負担を50%以上に設定します。
④就業規則・社内規程の整備
対象者、利用方法、補助額、禁止事項などを明文化します。
⑤従業員への周知
制度の目的、利用方法、負担額を丁寧に説明します。
⑥運用開始・定期的な見直し
利用状況やコストを確認し、必要に応じて改善します。
<運用上の留意点(トラブル防止のため)>
①現物支給であることを徹底する
現金支給は給与扱いとなり課税されます。
②従業員負担が50%を下回らないよう管理
割引率が高すぎると課税対象になります。
③会社負担額の月7,500円(税抜)を超えないよう注意
税込で計算すると上限を超えることがあるため、税抜で管理する必要があります。
④対象者を限定しすぎない
「管理職だけ」「正社員だけ」などは福利厚生として不適切と判断される可能性があります。
⑤不正利用防止
食事チケットの転売や家族利用などが起きないよう、利用ルールを明確にします。
⑥深夜勤務者への現金支給は特例あり
1食650円以下なら非課税ですが、要件が細かいため注意が必要です。