2026/06/16|881文字
就業規則が古くても、それだけで自動的に違法になるわけではありません。
しかし、内容が現行法に合っていない場合や、実際の働き方とズレている場合は、会社側に是正義務が生じる可能性があります。
1 そもそも就業規則とは何か?
就業規則は、会社と従業員の「働くルール」をまとめたものです。
労働時間、休日、給与、休職、懲戒など、働く上で重要なことが書かれています。
従業員が10人以上いる会社は必ず作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出る義務があります。
2 就業規則が古いと何が問題なのか?
古い就業規則には、次のようなリスクがあります。
- 法令の改正に対応していない
年次有給休暇の年5日取得義務(2019年施行)
パワハラ防止措置義務(2022年中小企業まで拡大)
育児・介護休業法の改正(2022~2023年)
→古いと、これらが反映されていないことが多いです。
- 実際の運用と違う
・就業規則は「9時~17時」なのに、実際は「9時~18時」働いている
・賃金体系が変わったのに昔のまま
→この場合、実態が優先されるため、トラブルの原因になります。
- 従業員に不利益な内容が残っている
・法律上認められない減給や懲戒
・過度に厳しい服務規律
→これは会社が是正すべき状態です。
3 古い就業規則は違法なのか
ポイントは次の2つです。
(1)内容が法律に反していれば違法
たとえば、次のような場合は無効になります。
・法定の有給休暇日数より少ない
・法定の割増賃金率より低い
・不当な懲戒規定がある
(2)実態と違う場合、会社は変更義務がある
労働契約法第7条・第8条では、「労働条件は就業規則に従う」とされているため、実態とズレていると、会社は整備すべき立場にあります。
4 従業員としてできること
「おかしい」と感じたときの現実的な対応は次のとおりです。
・会社に改定の予定があるか確認する
多くの会社は「気づいていない」「忙しくて後回し」が理由です。
・労働組合や従業員代表を通じて意見を出す
就業規則の変更には従業員代表の意見書が必要です。
・労働基準監督署に相談する
「法律に反している」場合は、監督署が会社に指導することがあります。