2026/06/14|1,142文字
会社の健康診断をサボると「会社から注意される」ことはあります。
ただし、懲戒処分になるケースは稀で、多くの場合は「受けてくださいね」という再案内・督促で終わります。
しかし、健康診断には法律上の義務があるため、放置し続けると会社も困るという事情があります。
1 健康診断は会社の義務であり、従業員にも受ける義務がある
労働安全衛生法という法律で、会社には次の義務があります。
・従業員に健康診断を受けさせる義務
・結果を保管し必要に応じて健康管理を行う義務
つまり、会社は「受けさせなければならない」立場です。
一方、従業員側にも「受けるように努める義務」が定められています。
「絶対に受けろ」という強制ではありませんが、会社が健康管理をするために必要なため、受診を拒否し続けるのは望ましくないことになります。
2 サボった場合の会社の対応
一般的には次のような流れになります。
(1)受診の再案内・督促
まずはメールや口頭で「まだ受けていませんよ」「予約してくださいね」
と案内されます。
(2)個別に理由を確認される
受けない理由があるのか、体調や事情を確認されることがあります。
(忙しい、忘れていた、病院が苦手など)
(3)会社としての指導
何度も無視していると、「健康管理上必要なので受診してください」という指導文書が出ることがあります。
(4)それでも受けない場合
ここまで来ると、会社としては「法律上の義務を果たせない」という問題が生じます。
ただし、いきなり懲戒処分になることはほぼありません。
3 懲戒処分になるケースはあるのか
結論としては、非常にまれです。
ただし、次のような場合は懲戒の対象になる可能性があります。
・会社が何度も案内しているのに、故意に無視し続ける
・健康診断を受けないことで業務に支障が出ている
・安全配慮義務(会社の義務)を妨げるレベルになっている
とはいえ、一般的な会社では「受けてくださいね」で終わることがほとんどです。
4 なぜ会社はそこまで健康診断を受けさせたいのか
理由は大きく3つあります。
・法律で義務付けられているから
・従業員の健康状態を把握し、過重労働や病気を防ぐため
・健康診断結果を提出しないと、行政から指導される可能性があるため
特に、従業員が50人以上の事業場では、健康診断結果の集計を労基署に提出する義務があります。
誰かが受けないと、会社が提出できず困るのです。
5 受けたくない場合はどうすればいいか
どうしても受けたくない事情がある場合は、会社に理由を伝えることが大切です。
・病院が苦手
・別の医療機関で受けたい
・持病があり、主治医の検査で代替したい
・時間が取れない
多くの会社は、事情を聞いたうえで柔軟に対応してくれます。
また、自費で別の病院で受けた結果を提出することも可能です。