2026/05/24|1,091文字
カスタマーハラスメントとは、お客様が従業員に対して常識の範囲を超えた要求や暴言・威圧行為を行うことをいいます。飲食店は接客の最前線であるため、特に発生しやすい職場です。
<飲食店でよく見られるカスハラの特徴>
- 過度なクレーム・理不尽な要求
・「無料にしろ」「店長を今すぐ呼べ」「土下座しろ」など、サービスの範囲を超えた要求
・少しの待ち時間や味の好みを理由に過剰なクレームを繰り返す
- 暴言・威圧・人格否定
・「使えない」「バカか」「教育がなってない」などの暴言
・大声で怒鳴る、机を叩く、威圧的な態度をとる
- 長時間の拘束
・クレームを理由に、従業員を長時間レジ前や席に拘束する
・他の業務ができず、店舗運営に支障が出る
- セクハラ行為
・不必要な身体接触
・個人的な連絡先をしつこく聞く
・外見へのコメント
- SNS・口コミサイトでの脅し
・「悪い口コミを書くぞ」「SNSで晒すぞ」と脅す
・実際に事実と異なる投稿をする
<カスハラが従業員に与える影響>
・精神的ストレス、うつ状態
・退職につながる
・店舗全体の雰囲気悪化
・他のお客様へのサービス低下
飲食店は人手不足が深刻なため、従業員を守ることが店舗運営の安定にも直結します。
<飲食店での具体的な対応方法>
① まずは従業員を守る体制づくり
・「従業員を守る」という会社方針を明確にする
・カスハラ対応マニュアルを作成し、全員で共有
・一人で対応させない仕組み(インカムで応援要請など)
② 初期対応:冷静・丁寧・短時間で
・感情的にならず、事実を確認しながら対応
・必要以上に謝り続けない(相手をいい気にさせるため)
・長時間の拘束を避けるため、早めに責任者へ引き継ぐ
③ 責任者対応:線引きを明確にする
・「できること」と「できないこと」をはっきり伝える
例:「返金は可能ですが、土下座などの行為には応じられません」
・暴言・威圧が続く場合は、毅然とした態度でやめるように求める
・店舗の安全を優先し、必要に応じて退店を求める
④ 危険を感じたら警察へ通報
・暴力・脅迫・営業妨害に該当する場合は、ためらわず110番
・従業員の安全確保が最優先
⑤ 記録を残す
・日時、内容、相手の言動、対応者を記録
・防犯カメラ映像も保存
・記録は再発防止や警察・弁護士対応に役立つ
⑥ 従業員のメンタルケア
・相談窓口の設置
・上司が声をかけ、状況を把握
・必要に応じて休養や配置転換も検討
<実務上のポイント>
・カスハラは「お客様だから許される行為」ではなく、職場の安全を脅かす問題
・企業には従業員を守る義務があり、対応マニュアルの整備が重要
・暴力・脅迫・営業妨害は、警察対応の対象
・記録を残すことが、後のトラブル防止に非常に有効