労働基準監督署の立入調査

2026/03/16|1,207文字

 

<労働基準監督署の立入調査>

労基署の立入調査は、法律用語で「臨検監督」と言い、会社が労働基準法などの労働関係法令を守っているかを確認するために、監督官が会社に訪問して行う調査のことです。
目的は「罰すること」ではなく、労働者の安全と健康を守り、会社の法令遵守を促すことにあります。

 

<なぜ調査が行われるのか>

立入調査には大きく2種類あります。

定期的な調査(計画監督)

・毎年、労基署が重点業種を決めて行うもの

・労災が多い業種や、長時間労働が問題になりやすい業種が対象になりやすい

・会社に事前連絡がある場合と、突然来る場合の両方がある

申告による調査(申告監督)

・労働者から「残業代が払われていない」「パワハラがある」などの相談・申告があった場合

・ほぼ必ず突然調査に入る

・申告内容に関係する資料を中心に調査される

 

<調査で何を見られるのか>

調査内容は会社の状況によって異なりますが、一般的には次のような資料が確認されます。

よく確認される資料

・就業規則

・労働条件通知書・雇用契約書

・タイムカード・勤怠記録

・賃金台帳(給与明細の元データ)

・36協定(時間外労働の協定書)

・労災関連の書類

・安全衛生に関する記録(健康診断結果など)

特に重点的に見られるのは、「労働時間」「残業代」「有給休暇」「安全衛生」の4つです。

 

<調査の流れ>

一般的な流れは次の通りです。

監督官が来社

・突然来ることも多い

・身分証を提示して調査の目的を説明

会社の代表者や人事担当者へのヒアリング

・労働時間管理の方法

・賃金の計算方法と支払方法

・就業規則の運用

・安全衛生管理体制
などを確認されます。

書類の確認

・必要な書類を提示し、内容をチェック

・不備があればその場で指摘されることも

是正勧告書の交付

・法令違反がある場合「是正勧告書」が交付

・これは「改善してください」という行政指導

・期限までに改善し、報告書を提出すれば罰則が適用されないことが多い

再調査(必要な場合)

・改善状況を確認するために再度の訪問もある

 

<よくある指摘事項>

実務で特に多いのは次のようなものです。

・36協定を締結していない、または届出していない

・タイムカードと給与計算が一致していない

・残業代の計算方法が誤っている

・有給休暇を適切に付与していない

・健康診断を実施していない

・労災事故の報告が遅れている

これらは中小企業で非常に多く見られる指摘です。

 

<立入調査で大切なポイント>

隠さない・嘘をつかない

監督官はプロなので、矛盾はすぐに見抜かれます。
誠実に対応することが最も重要です。

書類を整理しておく

普段から書類が整っていれば、調査はスムーズに終わります。

是正勧告は「改善のチャンス」

勧告を受けても、すぐに罰則が適用になるわけではありません。
誠実に改善すれば問題ありません。

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専門家が同席することで、会社の主張を整理し、適切な対応ができます。

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