病気休職制度をどう規定するか

2026/02/25|1,345文字

 

病気休職制度は、社員が病気やケガ、メンタル不調などで働けなくなったときに「雇用を守りながら休む」ための仕組みです。制度の作り方を誤るとトラブルになりやすいため、ポイントを押さえてシンプルに規定することが大切です。

 

<病気休職制度の目的を明確にする>

病気休職制度は「治療に専念して職場復帰を目指すための期間」を保障するものです。

そのため、規定には次のような考え方を入れておくと誤解が生まれません。

・休職は“解雇の猶予”ではなく、復帰を前提とした制度

・休職中も雇用関係は続く

・復帰できるかどうかを判断するための仕組みが必要

目的が明確だと、運用が安定します。

 

<休職に入る条件をはっきりさせる>

曖昧な基準はトラブルの元です。一般的には次のように定めます。

・医師の診断書で「就労が困難」と判断された場合

・欠勤が一定期間続いた場合(連続14日以上など)

・会社が業務遂行が難しいと判断した場合

「誰が見ても同じ判断になる客観的な基準」を作ることが大切です。

 

<休職期間の長さを決める>

多くの企業は勤続年数に応じて期間を設定します。

・例:勤続1年未満 → 3か月

・例:勤続1年以上 → 6か月〜1年

長すぎると復帰の見通しが立たず、短すぎると治療が間に合わないため、バランスが重要です。

また、年功序列を排除する趣旨から、勤続年数にかかわらず一定の期間とする企業も増えています。

 

<休職中の給与・社会保険の扱いを明確にする>

休職中は会社からの給与を支払わないケースが一般的です。

ただし、健康保険から「傷病手当金」が支給される場合があります。

規定には次のような点を整理しておくと安心です。

・会社からの給与の有無

・傷病手当金の案内を行うかどうか

・社会保険料の扱い(会社負担分は継続、本人負担分は後払いなど)

社員が不安になりやすい部分なので、丁寧に説明できるようにしておくと良いでしょう。

 

<休職中の連絡方法を決める>

休職中は「放置」になりがちですが、適切な連絡は復帰のために必要です。

・月1回の状況報告

・医師の診断書の提出タイミング

・会社側の面談の実施(必要に応じて)

連絡の頻度や方法(メール・電話など)を決めておくとスムーズです。

 

<復職の判断基準を明確にする>

復職は「本人の希望」だけでは決められません。

医師の意見と会社の判断を組み合わせる必要があります。

一般的な基準は次の通りです。

・医師の「就労可能」または「条件付き就労可能」の診断

・会社が業務遂行に支障がないと判断できるか

・必要に応じて短時間勤務などの“リハビリ勤務”を設定

復職後のミスマッチを防ぐためにも、基準は必須です。

 

<休職期間満了時の扱いを定める>

復職できない場合の扱いも、規定に明記しておく必要があります。

・休職期間満了時に復職できなければ「自然退職」

・ただし、解雇ではなく“期間満了による退職”として扱う

ここが曖昧だと紛争になりやすいため、必ず文章化します。

 

<運用しやすいシンプルな規定にする>

休職制度は複雑にしすぎると運用が破綻します。

次のような構成にすると分かりやすく、トラブルも少なくなります。

・休職の目的

・休職に入る条件

・休職期間

・休職中の給与・社会保険

・連絡方法

・復職の判断基準

・期間満了時の扱い

この7項目があれば、基本的な制度として十分です。

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