2026/02/06|1,043文字
<そもそも「解雇予告手当」とは?>
解雇の法的要件を満たしていて、会社が労働者を解雇する場合、原則として30日前に解雇の予告をする必要があります。
もし30日前に予告できない場合は、不足した日数分の「解雇予告手当」を支払う義務があります。
たとえば、予告なく今日解雇を言い渡す場合には、30日分の平均賃金の金額を支払う必要があります。これが「解雇予告手当」です。
解雇予告手当は、「手当」とはいうものの、給与の一部ではないため、普段の給与支給日ではなく、解雇の言い渡し(予告)とともに支払うことで、効力を生じます。
<「試用期間中」でも解雇予告手当は必要か?>
結論から言うと、試用期間中でも原則として必要です。ただし、例外があります。
労働基準法では、雇い入れの日から14日以内に解雇する場合は、予告も手当も不要とされています。
つまり、試用期間が3か月であっても、入社してからカレンダー上の14日以内であれば、解雇予告も解雇予告手当も不要という扱いです。
15日目以降は、試用期間中であっても通常の労働者と同じ扱いになります。
そのため、30日前に予告するか、不足日数分の解雇予告手当を支払うか、どちらかが必要です。
入社20日目に「明日で辞めてもらいます」と言う場合、30日前の予告がないため、29日分の解雇予告手当が必要となります。解雇を通告した日は24時間ありませんので、1日としてカウントされません。
<試用期間中の解雇は「理由」も重要>
試用期間中は「本採用に適するかどうか」を判断する期間ですが、自由に解雇できるわけではありません。
裁判例でも、社会通念上相当な理由と、本採用拒否に合理性があるかが求められます。
✔ 業務に著しく不適格
✔ 出勤状況が極端に悪い
✔ 経歴詐称が重大
などは認められやすい一方、
✘ 教育が不十分
✘ 会社側の評価基準が曖昧
✘ 「社員にふさわしくない」
といった理由では無効と判断されることもあります。
<よくある質問>
- 試用期間の契約書に「いつでも解雇できる」と書いてあるけど?
→ 法律に反する部分は無効です。解雇をするためには、客観的に合理的な理由があることと、社会通念上相当であることが必要です。また、14日を過ぎれば解雇予告または手当が必要です。
- 「能力不足」を理由に即日解雇された場合は?
→ すくなくとも14日を過ぎていれば、解雇予告手当の支払い義務が発生します。
- 試用期間の延長中でも同じ?
→ はい、同じです。延長しても「雇い入れ後14日以内」のカウントはリセットされません。