2026/01/11|944文字
会社にとって「新人いじめ」は重大な問題です。職場環境を悪化させ、離職やメンタル不調を招き、企業の社会的信用にも傷をつけます。こうした行為を繰り返す社員に対しては、懲戒処分や配置転換などの対応が考えられますが、最終的に「退職勧奨」を行うケースもあります。
退職勧奨とは、会社が社員に「自主的に退職してほしい」と働きかけることです。解雇とは違い、本人の同意が必要です。つまり「会社から辞めさせる」のではなく「本人に辞めてもらうよう説得する」手続です。
<退職勧奨が必要になる理由>
職場環境の保全という観点から見て、新人いじめを放置すると、他の社員の士気が下がり、職場全体が不健全になります。
法的リスクの回避という点で、いじめによるパワハラが認定されれば、会社は安全配慮義務違反で損害賠償責任を負う可能性があります。
再発防止のためには、配置転換や指導で改善が見られない場合、退職勧奨が現実的な選択肢となります。
<退職勧奨の進め方>
1.事実の確認
いじめの具体的な証拠(新人の証言、メール、録音、周囲の目撃情報)を集めます。意見や感情的な判断ではなく、客観的な事実の収集が必要です。
2.改善の機会を与える
まずは本人に、認定した事実関係を示したうえで、注意・指導を行い、改善を促します。このとき、就業規則やハラスメント防止規程などの客観的なルールに基づき、正式に警告することが望ましいです。
3.懲戒処分や配置転換の検討
改善が見られない場合、懲戒処分(減給・出勤停止など)や部署異動を行います。それでも改善しない場合に、退職勧奨を検討します。
4.退職勧奨の実施
本人に「これ以上勤務を続けるのは難しい」と伝え、退職を勧めます。
強制ではなく、あくまで本人の意思を尊重する形で進めます。
退職金や再就職支援など、条件を提示することもあります。
<注意すべきポイント>
退職勧奨は「説得」であり「強制」ではありません。脅迫や長時間の面談で辞めさせるのは、退職の強要や実質的な解雇となることがあり、退職勧奨としては無効となってしまいます。。
面談内容や本人の回答を記録しておくことで、後のトラブルを防げます。
公平性を確保するため、新人側の言い分も丁寧に聞き、会社が一方的に加害者を追い込んでいるように見えないよう配慮します。