2025/12/11|1,183文字
人事部長が「辞められたら困る」と感じる社員には、単に業務ができるだけでなく、組織にとって“替えがきかない価値”を持っていることが多いです。そうした社員の特徴を整理してご説明します。
<業務の“要”を担っている人>
特定の業務やプロジェクトにおいて中心的な役割を果たしている人など、その人がいないと業務が滞る、または他の人では対応できないという人です。
たとえば、社内システムの運用を一手に担っている、重要顧客との窓口になっている人です。
こうした人は「業務のキーパーソン」として、組織の安定に不可欠です。
<組織の“記憶”を持っている人>
過去の経緯や社内ルール、非公式な慣習などをよく知っている、あるいは書類には残っていない「暗黙知(あんもくち)」を持っている人です。
なぜこの手順になっているのか、誰と誰が過去にトラブルがあったかなどを知っています。
こうした人が辞めると、業務の背景が分からなくなり、同じミスを繰り返すリスクがあります。
<周囲の“信頼”を集めている人>
上司・同僚・部下からの信頼が厚く、相談されることが多い人、チームの雰囲気を良くし、まとめ役になっている人です。
新人が困ったときに自然と助けてくれる、部署内の調整役を担っているという人です。
このタイプは「人間関係の潤滑油」ですから、辞めると職場の空気が悪くなることもあります。
<“育成力”がある人>
後輩や新人を教えるのが上手で、育成に貢献している人です。マニュアルにないコツや注意点を伝えられる人です。
OJTで新人を一人前に育てた実績があったり、教え方が分かりやすいと評判だったりします。
育成力のある人がいなくなると、次世代の人材育成が滞ります。
<“改善提案”ができる人>
現場の課題を見つけ、改善策を提案・実行でき、受け身ではなく、自ら動いて職場を良くしようとする人です。
業務効率化のアイデアを出して実現した、無駄な手続の見直しを提案したなどの実績があります。
このタイプは「職場の進化を促す人」。辞めると改善の動きが止まることがあります。
<“専門性”が高い人>
労務管理、法務、ITセキュリティ、外国語対応など、特定分野の知識やスキルが突出していて、社外の専門家に頼ると高額になるような業務を社内でこなしている人です。
外部委託するとコストがかかるため、辞められると痛手です。
<“会社の顔”になっている人>
顧客や取引先からの信頼が厚く、「○○さんがいるから取引している」と言われるなど、社外との関係構築に貢献している人です。
営業担当として長年の信頼関係を築いている、業界団体での発言力がある人が辞めると、取引先との関係が揺らぐ可能性があります。
人事部としては、こうした社員の価値を見える化し、適切な評価や処遇を行うことが重要です。また、属人化を防ぐために業務の共有化や育成体制の整備も並行して進める必要があります。