2025/11/06|1,160文字
<所定労働時間>
所定労働時間は、企業が就業規則や労働契約で定める「通常の勤務時間」です。これは、労働基準法で定められた「法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)」の範囲内で設定されます。
次のような特徴があります。
・制度的な時間枠:会社の基本的な勤務時間として定められている
・給与計算の基準:月給制の場合、所定労働時間をもとに給与が設計される
・変更には手続が必要:就業規則の改定や労使協定が必要
具体例として、次のようなものがあります。
・会社A:所定労働時間=1日7時間(9:00〜17:00、休憩1時間)
・会社B:フレックスタイム制で1か月160時間が所定労働時間
<予定労働時間>
予定労働時間は、実際に働く予定の時間帯を指します。これは、シフト勤務やフレックスタイム制、裁量労働制など柔軟な働き方が導入されている職場で特に重要です。
次のような特徴があります。
・運用的な時間枠:勤務表やシフト表などで管理される
・日ごとに変動する:業務都合・本人希望に応じて調整される
・所定労働時間と異なることがある:短縮勤務や延長勤務など
具体例として、次のようなものがあります。
・パートタイマー:所定労働時間は週20時間だが、予定労働時間は週によって変動
・フレックスタイム制:所定労働時間は月160時間だが、今週は月曜8時間、火曜6時間など予定が異なる
<よくある誤解と注意点>
✕「予定労働時間=所定労働時間」だと思っている
→ 実際には、予定労働時間は日々の勤務予定であり、所定労働時間とは異なる概念です。
✕「予定労働時間を超えたら割増賃金が出る」
→ 割増賃金の基準は「法定労働時間を超えたかどうか」です。予定労働時間を超えても、法定内であれば割増賃金は不要です。ただし、就業規則で労働者に有利な定めをしている会社もあります。
✕「予定労働時間が短い日は給与が減る」
→ 月給制の場合、所定労働時間に基づいて給与が支払われるため、予定労働時間が短くても給与には影響しないことが多いです(ただし欠勤や遅刻・早退がある場合は別)。
<実務での使い分けポイント>
・勤怠管理:予定労働時間はシフト表や勤務予定表で管理され、実績と照合して労働時間を把握します。
・給与計算:所定労働時間を基準に月給や時給が設計され、実労働時間に応じて残業代や欠勤控除が発生します。
・制度設計と運用の分離:所定労働時間は制度設計、予定労働時間は運用管理という役割分担が重要です。
【まとめ】
| 比較項目 | 所定労働時間 | 予定労働時間 |
| 意味 | 制度上の基本勤務時間 | 実際の勤務予定時間 |
| 決定方法 | 就業規則・労働契約 | シフト・勤務表など |
| 変更の柔軟性 | 低い(変更には手続が必要) | 高い(業務都合や本人希望で調整可能) |
| 給与との関係 | 給与設計の基準 | 実績との照合に使用 |
| 残業判断 | 法定労働時間との比較 | 所定・法定との関係で判断 |