厚生年金の記事

<全く支払わないケース>

厚生年金の加入基準を満たしている従業員について、加入手続きを行わなければ、会社は従業員分と会社分の両方について、保険料を不正に免れることになります。

この場合、年金事務所や会計検査院の調査が入れば、不正がバレて会社が是正を求められます。今後、マイナンバーの社会保険への導入が行われれば、手間のかかる調査をしなくても手軽に不正をあばけるようになります。

また、加入基準を満たす従業員が、年金事務所に労働時間/日数の資料を持参して相談すれば、勤務先の会社に調査が入ります。

 

<金額をごまかすケース>

従業員の給与から控除する保険料は正しい金額でも、その一部を会社が着服して、残りを納付するということがあります。

たとえば、従業員の月給が30万円で、これに応じた保険料を給与から控除しておきながら、日本年金機構に月給20万円で届を出しておけば、月給20万円を基準に計算した保険料の納付で済みます。

この場合、年金事務所や会計検査院の調査が入れば、不正がバレて会社が是正を求められます。

また、日本年金機構から毎年1回、誕生月に厚生年金保険の加入者(被保険者)にも、年金加入記録を確認してもらうため「ねんきん定期便」が郵送されています。これを見れば、保険料の基準となっている給与や賞与が正しいか確認できます。

 

<もしもごまかされていたら>

労働時間/日数や給与・賞与、保険料として天引きされている金額などの資料をきちんと保管しましょう。退職直後に、厚生労働省や総務省に調査してもらいましょう。在職中に調査が入ると、会社から退職に追い込まれることがありえます。

また、会社の手続きに社会保険労務士が関与しているようでしたら、都道府県の社会保険労務士会にもご相談ください。こちらも退職後がお勧めです。

 

2016.06.06.

<加入逃れの現状>

本来は厚生年金の対象なのに、会社の法定福利費を不当に削減するため、あるいは、手続がよくわからないなどの理由で、会社が正しく手続をしないケースがあります。

こうして、国民年金に入っている従業員は推計で約200万人に上り、政府として厳しい対応が必要と判断しました。

 

<マイナンバー導入による実態解明>

マイナンバー制度の利用により、税関連情報と社会保険関連情報を照合すれば、不正な加入逃れの実態は解明されると言われていました。

国税庁による会社の税関連情報と、厚生年金の加入記録をつきあわせた結果、厚生年金の加入対象となる可能性がある会社は、現在全国に約79万あるそうです。

全国の日本年金機構職員を中心として、2017年度末までに詳しく会社の実態を調査する方針だそうです。

 

<刑事告発の準備も>

厚生労働省と日本年金機構は、保険料を払いたくないなどの理由で厚生年金への加入を逃れている悪質な事業主について、刑事告発するかどうかを判断するための新たな基準を策定する方針を固めました。

すでに機構と警察庁が基準作りに向けた協議を始めています。

全国一律の基準を設けることで、迷うことなく逮捕や書類送検ができるようにしているわけです。

 

2016.01.21.