障害年金の納付要件

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2020/09/04|1,450文字

 

<障害年金と初診日>

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたとき(初診日)に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

このことから、障害年金を受け取ろうとする場合には、初診日を証明する必要があります。

障害年金は障害の程度により、障害基礎年金が1級と2級、障害厚生年金が1級から3級に区分されて支給されます。

 

<納付要件>

障害基礎年金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること(保険料納付要件)が必要です。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間について、保険料が納付または免除されていること(令和8年3月31日までに初診日がある場合)

 

<未納の意味>

20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合の障害基礎年金は、そもそも保険料の納付を予定していない期間に初診日があるので、納付要件は問われません。

しかし、保険料を納付すべき期間に、あまり保険料を納付していない人に年金が支給されるというのでは、年金制度の前提が崩れてしまいますので、一定期間の保険料納付が年金支給の条件とされているわけです。

ただし、事情により保険料の納付が困難と認められる人については、保険料の納付が免除されたり、猶予されたりという制度もあります。

結局、「未納」というのは、納付が無く、免除されていないこと、さらに、納付が猶予された場合には猶予期間内に納付が完了していないことを意味します。

 

<納付要件の意味>

納付要件は、一定期間内に「未納」の期間が無いこと、あるいは少ないことを意味します。

納付要件は、「初診日の前日において」判断されます。

これは、保険料を未納のまま放置していた人が、いよいよ具合が悪くなって医師の診療を受けた日(初診日)に、保険料を遡って収めた場合にも年金が受給できるとするのは、道義に反するからです。

「初診日のある月の前々月まで」の期間が判定の対象とされるのも、国民年金や厚生年金の保険料の納付期限が、翌月末日となっていることから、「年金をもらえそうだから保険料を納めておこう」と考えた人にも年金が支給されるのでは、やはり道義に反するからです。

 

<会社で心がけること>

年金保険料の納付状況については、個人情報ですから、電話で問い合わせても答えてもらうことができません。

年金事務所や街角の年金相談センターで、本人が確認するか、委任状を書いてもらって代理の人が確認することになります。

ですから、会社が従業員の納付状況を確認することまでは求められていません。

しかし、無職だった人が入社した場合には、その直前の期間、無収入であることを理由に保険料を納付せず、必要な手続もとっていないことがあります。

ですから、入社時研修の内容には納付要件の話も加えておくことをお勧めします。

また、健康状態が悪くなって勤務時間が減少し、社会保険を脱退(資格喪失)する従業員に対しても、念のため、納付要件の説明をしておくことをお勧めします。

 

解決社労士