今の仕事が向いていない新人

2021/09/08|1,595文字

 

<配属部署が向いていない?>

入社にあたって会社に伝えた希望の部署とは違う部署に配属されることの方が多いのではないでしょうか。

どの部署が向いているかは、自分自身の判断、会社の判断、真の適性の3つが食い違うこともあります。

自分や会社が向いていると判断した部署が、実は向いていない部署の場合もあります。

また、会社の判断では希望通りの部署について適性を認めたものの、その前に今の部署の仕事を経験させておこうというキャリア設計があるかもしれません。

もしそうであれば、今の部署である程度の実績を上げなければ、希望の部署への異動は遠のいてしまいます。

それに、いきなり希望の部署に配属されて、思ったほど仕事が進められなければ、自分に失望してしまいます。

これは大きな挫折となりますから、希望の部署に配属されないのは一種のリスク回避でもあるのです。

 

<会社が向いていない?>

もう少し視野を広げて考えてみれば、配属された部署の仕事が向いていないのではなくて、その会社が向いていないのかも知れません。

経営方針に共鳴していたとしても、企業風土や職場の雰囲気が自分に合っていない可能性もあります。

そうだとすれば、たとえ別の部署に異動になっても、それが希望の部署であったとしても、会社が向いていないのであれば、これから先、自分の思い描いていた仕事はできないのかもしれません。

 

<会社勤めが向いていない?>

さらに視野を広げて考えてみると、会社が向いていないのではなくて、会社という組織の中で、会社に雇われて働くことが向いていないのかも知れません。

決められた日の決められた時刻に出勤して、最低限、決められた時刻までは働かなければなりません。

自分のやりたいように仕事を進められるわけではありません。

上司もいれば先輩もいますから、その指導やアドバイスも受け入れなければなりません。

理不尽と思える話でも、拒否するわけにはいきません。

新人のうちは、注意を受け、叱られることも多いでしょう。

それで、仕事のやり直しによる残業も発生します。

予定通りの時刻に帰宅できないことも当たり前になります。

こうした生活が向いていない、つまり、そもそも会社勤めが向いていないという可能性は、決して低くはないのです。

 

<働くことが向いていない?>

では、会社勤めが向いていないとして、どうやって生計を立てれば良いのでしょうか。

あるいは、再び親の扶養に入るのでしょうか。

自分で何とかしようと思うのであれば、個人で事業を立ち上げるとか、会社を設立するとか、雇われない形で働くことを考えることになります。

企業風土とか職場の雰囲気は、自分自身で作れば良いのですし、誰かの指示に従う必要もありません。

始めたいときに仕事を始め、終わりたいときに仕事を終了することも自由です。

こうしたことが「大変だなぁ」と感じるのであれば、そもそも働くことが向いていないのかも知れません。

 

<解決社労士の視点から>

働くことが向いていない、会社勤めが向いていないということであれば、転職しても上手くいくはずがありません。

大人として、社会人として、まともな生活をしようと思うのであれば、まずは自分に与えられた仕事を誠実にこなしていくことをお勧めします。

自分に合っていない仕事をこなしているうちに、自分自身が変わっていきます。

また、自分がきちんと仕事をこなすことで、その部署の雰囲気もルールも変わってきます。

こうして、最初は「自分に合っていない」と思っていても、やがて自分がその部署に近付き、その部署が自分に近付いてくるのです。

たとえ不本意な仕事であっても、誠意をもってこなすことは、これから先、今の会社で働くにせよ、転職するにせよ、独立するにせよ、決して無駄にはなりません。

今の環境から安易に飛び出すよりは、まず熱心に取り組んでみて、自分自身を成長させ変革させていくことを強くお勧めします。

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