セクハラを受けたら

2022/10/28|1,284文字

 

そもそも会社の中で、性的な言動は仕事に全く必要ないのです。そんなもの潤滑油の働きもしません。徹底的に排除すべきです。

 

<セクシュアルハラスメントとは>

相手に不快感を与える性的な言動は、その相手の性別に関係なく、また、直接的な身体接触によるものだけではなく、言葉によって行われるものも、セクシュアルハラスメントとなります。

「相手の性別に関係なく」というのは、男性同士でも女性同士てもダメなものはダメということです。

さらに、わいせつな行為を強要したり、相手の名誉や社会的信用を傷つけたりすれば、犯罪として刑法上の責任が問われることがあります。〔刑法第176条、第230条など〕

そして、被害者に対する損害賠償責任を発生させることにもなります。〔民法第709条〕

男女雇用機会均等法は、職場の中でセクシュアルハラスメントの被害が発生しないよう、事業主が積極的に予防措置と事後対応を取ることを義務付けています。

防止すべきものとされているセクシュアルハラスメントは、性的な要求を拒否したことなどを理由に、職場で不利益な取扱いをする「対価型」だけでなく、性的な言動などによって職場環境を悪くする「環境型」のセクシュアルハラスメントも含まれます。

「対価型」というのは、直接の被害者が加害者の喜ぶ対応をすれば利益を与え、加害者が不快に思う対応をすれば不利益を与えると考えれば理解しやすいでしょう。

また、「環境型」というのは、直接の被害者が働きにくくなり就業環境が侵害される他、加害者の行為を見聞きした間接的な被害者の就業環境も侵害されることがあるセクシュアルハラスメントです。

 

<事業主の責任>

事業主は、このようなセクシュアルハラスメント行為に対して厳正に対処すること、被害を受けたときの相談窓口があることなどについて、あらかじめ管理職を含む労働者に知らせておき、もし被害の申出があったら、適切な調査と対応をすることが義務付けられています。

このように職場でのセクシュアルハラスメントは、「個人の問題」では済まないものです。

適切な対応を怠った事業主に対しては、国の行政機関(労働局など)による助言・指導などが行われます。

 

<被害者の権利>

被害者は加害者に損害賠償を請求できるだけではなく、雇い主に対しても、加害者の使用者として、あるいは被害者本人への適切な環境整備を怠った義務違反として、損害賠償を請求することができます。〔民法第715条、第415条〕

セクシュアルハラスメントについては、事業主の責任を踏まえて、社内で解決することが望ましいといえます。

ですから、まずは社内の相談窓口や上司に相談することです。

もちろん、上司からの被害であれば、上司の上司に相談すべきです。

しかし、セクシュアルハラスメント問題について、会社が適切な対処をしてくれないときは、国の行政機関(東京労働局雇用均等室)や専門家(弁護士、社労士)などに相談してください。

特に、被害者が退職させられる異動させられるというのは不当な扱いなのですから、被害者を増やさないためにも無理のない範囲で行動していただけたらと思います。

 

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