老齢年金の記事

対象となる方には、年金事務所(日本年金機構)からお知らせが郵送されるはずですが、少々むずかしいお話ですから、疑問や不安を感じる方は、お近くの年金事務所か信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

<特例の内容>

障害をお持ちの方と厚生年金の加入期間が44(528)以上の方は、支給開始年齢に特例があります。

昭和16年(女性は昭和21年)42日以後に生まれた方でも、次のいずれかに該当する場合は、特例として、報酬比例部分と定額部分を合わせた特別支給の老齢厚生年金が支給されます。

・厚生年金保険の被保険者期間が44年以上の方(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限る)

・障害の状態(障害厚生年金の1級から3級に該当する障害の程度)にあることを申し出た方(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限る)

※申出月の翌月分から特別支給開始となります。

特別支給の老齢厚生年金は、原則として報酬比例部分のみの支給ですが、特例が適用される方については、報酬比例部分と定額部分の合計額が支給されます。金額が大きく違います。

 

2017.01.08.解決社労士

<受給には手続きが必要>

年金は、年金を受ける資格ができたとき、自動的に支給が始まるものではありません。

年金を受ける資格のある人が、年金を受けるための手続き(年金請求)を行う必要があります。

 

<年金請求書の提出>

日本国外に居住している人は、日本での最終居住地を管轄する年金事務所か街角の年金相談センターに「年金請求書(101号)」を提出します。

受付は支給開始年齢になってからです。支給開始年齢になる前に提出しても受付されませんのでご注意ください。

これに添付する戸籍・住民票などは、受給権発生日以降に交付されたもので、年金請求書の提出日の6か月前までに交付されたものが必要です。

なお、特別支給の老齢厚生年金は「繰下げ制度」はありません。受給権発生日以降に速やかに請求してください。

 

<社会保障協定について>

日本や協定相手国の年金を受け取るための期間を満たしていなかった場合でも、社会保障協定により、協定相手国と日本の年金加入期間を相互に通算し、日本や相手国の年金を受給することができます。

平成28年11月現在、社会保障協定が発効し、加入期間の通算ができる国は以下のとおりです。

 

ドイツ アメリカ ベルギー フランス カナダ オーストラリア オランダ

チェコ スペイン アイルランド ブラジル スイス ハンガリー インド

 

2016.11.28.

※2017年8月より原則的な受給資格期間は10年に短縮となっています。

 

<受給資格期間の短縮特例>

老齢基礎年金を受けるためには、原則として25年以上の受給資格期間を満たしていることが必要です。

しかし、これにはいくつか特例があります。

たとえば、厚生年金保険、船員保険、共済組合では、昔、原則的な受給資格期間が20年でした。これを段階的に25年まで引き上げるための経過措置として、特例が設けられています。

 

<被用者年金制度の期間の特例>

被用者年金制度の加入期間を合算した期間が、生年月日に応じて次の表の期間以上であれば、受給資格期間を満たしたものとされ、老齢年金を受けることができます。

ここで、被用者年金制度の加入期間というのは、厚生年金保険や船員保険の被保険者期間、共済組合等の組合員または加入者期間をいいます。

生 年 月 日

期間

  昭和27年4月1日以前

20年

  昭和27年4月2日~昭和28年4月1日

21年

  昭和28年4月2日~昭和29年4月1日

22年

  昭和29年4月2日~昭和30年4月1日

23年

  昭和30年4月2日~昭和31年4月1日

24年

 

老齢年金をもらえないと思っていたのに、手続きについての通知書類が郵送されてきたので、年金事務所に何回か電話をかけてみたところ、いつもお話し中なので、書類を放置してしまった。こんなお話を時々耳にします。

放置するのは勿体ないので、直接年金事務所に行って確認することをお勧めします。また、電話がつながりにくいときは、8時半頃にかけるとつながりやすいようです。

 

2016.05.13.

<繰り下げ受給を選んだ人の割合>

国民年金(老齢基礎年金)は、本来65歳から死亡するまで年金がもらえる制度です。

しかし、最大5年遅く70歳まで繰り下げて受給できます。

平成26年度で、年金受給者のうち繰り下げ受給の割合は1.3%です。

新たに受給を開始した人の中で、繰り下げ受給の割合は1.5%です。〔平成26年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(平成27年12月厚生労働省年金局)〕

この割合は、あまり変化がありません。

 

<繰り下げ受給のメリット>

繰り下げ受給なら、受給額が増額されます。

65歳以上でもまだまだ元気に働いていて年金に頼る必要が無い、または、預貯金などの資産が充分にあるという方は、受給額の増額が大きなメリットとなります。

 

<どれほど増額されるのか>

では、どれだけ増額されるのでしょうか。

老齢基礎年金の繰下げ請求は、月単位で行うこととされており、請求月の翌月分から年金が受け取れます。

増額率は、65歳到達月から繰下げ申出月の前月までの月数×0.7% で計算できます。1年につき8.4%の割合ですから、最大5年で42%ということになります。

しかも、この増額が一生続くのです。

 

<結論として>

とりあえず経済的に困っていない、そして、長生きの家系に属するなどの理由で長生きする可能性が高いというのであれば、繰り下げ受給が得になる可能性も高まります。

マイナス金利の世の中で、繰り下げ1年につき8.4%の増額というのは、かなり大きなメリットです。

しかし「明日の百より今日の五十」という諺(ことわざ)もあります。早く年金をもらっておいた方が、不安が少ないかも知れません。

こう考えると、自分自身の寿命をどのように想定するか、一種のギャンブルようにも思われます。

結局のところ、年金は一生もらい続けるものですから、長生きした者勝ちです。

 

2016.04.27.

<繰り上げ受給を選んだ人の割合>

国民年金(老齢基礎年金)は、本来65歳から死亡するまで年金がもらえる制度です。

しかし、最大5年早く60歳から繰り上げて受給できます。

平成26年度で、年金受給者のうち繰り上げ受給の割合は37.1%です。

新たに受給を開始した人の中で、繰り上げ受給の割合は12.4%です。これは3年前の半分以下で、年々減少傾向にあります。〔平成26年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(平成27年12月厚生労働省年金局)〕

ということは、繰り上げ受給は損だと考える人が増えているのでしょうか。

 

<繰り上げ受給を選んだ理由>

厚生労働省の平成24年の調査ですが、繰り上げ受給を選んだ理由ベスト3は、次のようになっています。

・年金を繰上げないと生活出来なかったため

・生活の足しにしたかったため

・減額されても、早く受給する方が得だと思ったため

理由を回答しない方も多かったのですが、年金制度全体に対する不安があったのでしょうか。厚生労働省に対して答えにくい理由だったようです。

 

<どれほど減額されるのか>

上記の理由のうち「年金を繰上げないと生活出来なかったため」「生活の足しにしたかったため」というのは、切羽詰まった感じを受けます。

しかし、「減額されても、早く受給する方が得だと思ったため」というのは、損得で考えて、繰り上げを選んだということでしょう。

では、どれだけ減額されるのでしょうか。

減額の割合は 0.5%×繰り上げた月数 で計算できます。1年につき6%の割合ですから、最大5年で30%ということになります。

しかも、この減額が一生続くのです。

 

<他にもある繰り上げ受給のデメリット>

繰り上げ受給をすると、年金の上では、65歳になったのと同じ扱いがされますので、次のようなデメリットもあります。

・障害基礎年金を請求することができない。

・寡婦年金が支給されない。既に寡婦年金を受給していても権利がなくなる。

・65歳になるまで遺族厚生年金が併給できない。

 

<結論として>

長生きする可能性を考えると、早くもらわないと生活できないという方、難病などで余命宣告されている方を除き、繰り上げ受給はお勧めできません。

マイナス金利の世の中で、繰り上げ1年につき6%の減額というのは、かなり大きなデメリットですから。

 

2016.04.26.

<原則として>

老齢年金は、「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」とを合算した期間が25年以上の場合に支給されるのが原則です。〔国民年金法26条〕

つまり、きちんと保険料を納めた期間だけでなく、生活保護の対象となるなどによって保険料を免除された期間も合算されるのです。(すべての保険料免除期間が対象となるわけではありません)

さらに、他にも合算の対象となる期間があります。その名も「合算対象期間」です。たとえば、昭和61年4月1日以降の期間で、自主的に国民年金に加入できたものの、実際には加入しなかった20歳以上60歳未満の期間が、これにあたります。

 

<短縮特例>

「25年以上」という期間が短縮される特例もあります。

たとえば、昭和5年4月1日以前に生まれた方は、生年月日に応じて21年から24年までの間に短縮されます。

またたとえば、昭和31年4月1日以前に生まれた方は、生年月日に応じて、厚生年金や共済年金に加入していた期間が20年から24年あれば、老齢年金が支給されます。

 

<年金機能強化法>

「25年以上」という期間を「10年以上」に短縮する年金機能強化法が、平成24年8月10日に成立し、同年8月22日に公布されました。

この法律は、消費税率が10%に引き上げられた時に施行される予定です。

 

<結論として>

「どうせ年金はもらえないから保険料は払わない」というのは、法的義務に反しています。

それだけではなく、今からでもきちんと保険料を支払えば将来もらえるハズの老齢年金を、自らの意志で放棄している可能性があります。

しかも、年金には老齢年金だけではなく、障害年金も遺族年金もあります。自分が障害者になるリスク、家族を残して死ぬリスクを考えたら、さて本当に未納のままで良いのか考えものです。

 

2016.02.13.

<在職老齢年金とは?>

働きながら老齢年金を受けることができます。これを在職老齢年金といいます。

厚生年金保険の適用される会社で勤務する70歳未満の方は、年金を受けていても若い方と同じ条件で厚生年金に加入します。

 

<60歳以上65歳未満の方の支給停止>

年金額の一部または全部が、支給停止されることがあります。

まず、1年間で受ける年金の合計額を12で割って「基本月額」を算出します。

つぎに、1年間の賃金と賞与の合計額を12で割って「総報酬月額相当額」を算出します。

この「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が28万円以下であれば、年金は全額支給されます。

28万円を超えるときは、「基本月額」が28万円以下か超えるか、「総報酬月額相当額」が47万円以下か超えるかの区分に従い、4つの計算式のどれかによって支給停止額が計算されます。

 

<「基本月額」が28万円以下で、「総報酬月額相当額」が47万円以下>

支給停止額

=(「基本月額」+「総報酬月額相当額」-28万円)×6

 

<「基本月額」が28万円以下で、「総報酬月額相当額」が47万円を超える>

支給停止額

=(「基本月額」+19万円)×6+(「総報酬月額相当額」-47万円)×12

 

<「基本月額」が28万円を超え、「総報酬月額相当額」が47万円以下>

支給停止額

=「総報酬月額相当額」×6

 

<「基本月額」が28万円を超え、「総報酬月額相当額」が47万円を超える>

支給停止額

=282万円+(「総報酬月額相当額」-47万円)×12

 

<高年齢雇用継続給付を受ける場合の支給停止>

60歳以上65歳未満の方は、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けることがあります。

この場合には、賃金額の0.18%~6%が支給停止されます。

 

<65歳以上の方の支給停止>

「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が47万円以下であれば、年金は全額支給されます。

47万円を超えるときは、次の金額が支給停止となります。

(「基本月額」+「総報酬月額相当額」-47万円)×6

なお、平成27年10月以降は、70歳以上の方、議員、共済組合加入者も在職支給停止の対象者となります。

 

<加給年金額が加算されている場合>

加給年金額を除く老齢厚生年金が、全額支給停止される場合には、加入年金額も全額支給停止となります。

この他の場合には、加給年金額は全額支給されます。

 

2016.02.10.