被保険者期間の算定方法の変更

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2020/07/28|1,108文字

 

<雇用保険の基本手当>

会社などで雇用されていた人が離職した場合、失業中の生活を心配しないで再就職活動ができるよう、一定の条件を満たせば、雇用保険の「基本手当」を受けることができます。

「基本手当」は、昔「失業手当」「失業給付」と呼ばれていたものです。

 

<基本手当をもらう原則の条件>

「基本手当」は、雇用保険の加入者(被保険者)が離職して、次の2つの条件を両方とも満たす場合に支給されます。

 

【基本手当の受給条件】

・ハローワークで求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること・離職の日以前2年間に、「被保険者期間」が通算して12か月以上あること

 

<基本手当をもらう例外の条件>

ただし、「特定受給資格者」または「特定理由離職者」については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合にもらえます。

ここで、「特定受給資格者」というのは、解雇・倒産等により離職した人をいいます。

また、「特定理由離職者」というのは、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した人などをいいます。

 

<離職の意味>

退職が「離職」に含まれるのは当然ですが、週所定労働時間が20時間未満になった場合も「離職」に含まれます。

勤務時間が少ないと、安定した雇用ではなく、転職先を考えながらの勤務が想定されるからです。

 

<被保険者期間の算定方法の変更>

基本手当をもらう条件の1つである被保険者期間については、次の算定方法が取られています。

 

【改正前】

離職日からさかのぼって、1か月ごとに区切った期間に、賃金支払の基礎となった日が11日以上ある月を1か月として計算

 

この算定方法によると、出勤日や年次有給休暇取得日のみがカウントされ、労働時間が計算の対象外となってしまいます。

そこで、令和2年8月1日以降に離職する人については、次の算定方法が取られるようになります。

 

【改正後】

離職日からさかのぼって、1か月ごとに区切った期間に、賃金支払の基礎となった日が11日以上ある月、または、賃金支払の基礎となった時間が80時間以上ある月を1か月として計算

 

<実務への影響>

離職日が令和2年8月1日以降の人について作成する離職証明書では、「(9)賃金支払基礎日数」欄や「(11)基礎日数」欄に記載する賃金支払基礎日数が10日以下の期間の「(13)備考」欄に、賃金支払の基礎となった労働時間数を記載します。

対象者が限られているだけに、忘れることがないよう注意が必要です。

 

解決社労士