精勤手当(皆勤手当)の必要性

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<就業規則の規定>

精勤手当について、モデル就業規則の最新版(平成31(2019)年3月版)は、次のように規定しています。

 

(精勤手当)

第37条  精勤手当は、当該賃金計算期間における出勤成績により、次のとおり支給する。

① 無欠勤の場合       月額      

② 欠勤1日以内の場合    月額      

2 前項の精勤手当の計算においては、次のいずれかに該当するときは出勤したものとみなす。

① 年次有給休暇を取得したとき

② 業務上の負傷又は疾病により療養のため休業したとき

3 第1項の精勤手当の計算に当たっては、遅刻又は早退  回をもって、欠勤1日とみなす。

 

第2項で、年次有給休暇を取得した場合や、業務上の負傷疾病による休業の場合には、欠勤扱いにしないという配慮がなされています。〔労働基準法第136条など〕

 

<精勤手当の廃止>

工場などで急な欠勤があると、製造の流れに大きな支障をきたす場合があり、業務の連携上、無欠勤でなければ困るという事情があります。

このため、精勤手当(皆勤手当)が残っています。

しかし、「労働契約通りに勤務するのは当たり前」なので、「当たり前のことに手当を支給するのはおかしい」ということから、多くの企業で精勤手当が廃止されてきています。

もちろん、いきなり廃止では不利益変更の問題がありますから、基本給に組み入れたり、調整給として支払い、段階的に減額していったりなどの措置が取られています。

 

<欠勤控除を超えるペナルティー>

欠勤した割合に応じて給与を減額することは適法です。これは通常の欠勤控除です。

しかし、欠勤控除を超えて給与を減額する場合には懲戒となりますから、労働基準法の制限を受けます。

 

【労働基準法による制裁規定の制限】

第九十一条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

 

たとえ欠勤した場合に想定されるダメージが、この制限を超えて発生する職場であっても、ダメージに対応した減給はできません。

 

<精勤手当があれば>

精勤手当が、平均賃金の1日分の半額を超えても構いませんし、毎月の支給額の1割を超えても構いません。

精勤手当が高めに設定されていても良いのです。

そして、欠勤すると精勤手当が減額され、あるいは支給されなくなるので、社員が欠勤しないよう生活をただし、態勢を整えて勤務に就くように心がけるというのは、全く正常なことです。

こうしてみると、精勤手当を残しておくことにも、十分な合理性があるといえます。

 

2019.08.02. 解決社労士 柳田 恵一