遺族厚生年金の受給権

2021/07/28|1,262文字

 

基礎年金番号の役割

 

<遺族年金>

遺族年金は、一家の働き手や年金受給者などが亡くなったときに、残された家族に給付される年金です。

遺族年金を受取るには、亡くなった人の年金保険料の納付状況に条件があります。

また、亡くなった人の年金の加入状況などによって、受取れる年金の種類が異なってきます。

これは、年金をもらう人ではなく、亡くなった人についての条件です。

一方で、年金をもらう人にも、年齢や優先順位などの条件が設けられています。

ここでは、遺族厚生年金について説明します。

 

<亡くなった人の条件>

次のうち少なくとも1つの条件を満たす必要があります。

1.被保険者(厚生年金加入者)が亡くなったとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に亡くなったとき。

加えて、亡くなった人について、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が国民年金加入期間の3分の2以上あること。

ただし、令和8(2026)41日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

2.老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人が亡くなったとき。

3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる人が亡くなったとき。

これらの条件を満たしているかどうかは、年金事務所などで確認する必要があります。

ご自分で確認できない場合には、社会保険労務士に委託することもできます。

 

<年金をもらう人の条件>

亡くなった人によって生計を維持されていた、妻、子、孫、55歳以上の夫、父母、祖父母

このうち、子と孫は18歳到達年度の年度末を経過していないか、20歳未満で障害年金の障害等級12級であることが必要です。

また、55歳以上の夫、父母、祖父母の支給開始は60歳からとなります。

ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます。

さらに、子のない妻が30歳未満の場合には、5年間の有期給付となります。

なお、上記の条件を満たす子のある配偶者、子は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

これらの条件を満たした人が全員年金をもらえるわけではなく、法定の優先順位に従って、実際に受給できる人が決まります。

 

<生計を維持されていたとは>

原則として次の要件を満たす場合をいいます。

1.同居していたこと(別居していても、仕送りしていた、健康保険の扶養親族であった等の事情があれば認められます。)。

2.加給年金額等対象者について、前年の収入が850万円未満であること。または所得が6555千円未満であること。

 

<年金事務所で確認を>

年金の仕組は複雑ですから、これらの事項には、細かな例外があります。

また、年金受給者が亡くなった場合には、年金が後払いの形で支給されることから、亡くなった人が受け取り切れなかった年金(未支給年金)を遺族が受け取ることになります。

年金受給者が亡くなったことそのものを届け出る必要がありますから、あわせて年金事務所で確認することをお勧めします。

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