労災手続きにあたって心がけたいこと

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2019/11/02|1,236文字

 

<労災手続きを担当すると>

労災は突然に起こります。

担当者が忙しいときに限って起きやすいような気もします。

特に不慣れな場合には、労基署や病院に提出する書類の書式はどれを使ったらよいのか迷うことがあります。

なにしろ、書類の種類が多いうえに、似たものが多過ぎます。

こんなときは、とにかく正確に遅れないように書類の作成に集中しなければなりません。

一方、ベテランや社労士なら、必要な情報を迅速かつ正確にそろえてサッサと書類を完成させてしまいます。

しかし、これだけでは2つの重要な視点が欠けてしまいます。

 

<再発防止>

ヒヤリハット運動というのがあります。

事故の危険を感じて、ヒヤリとした経験、ハッとした経験があったら、これをキッカケに事故防止の対策を打とうという運動です。

実際に労災が発生してしまったなら、より積極的に再発防止に取り組まなければなりません。

労災が発生すると、会社には一定のフォーマットが用意されていて、被災者や同僚・上司などがその各欄を埋める形で報告書を作成し、労災手続きを担当する部門に提出するということが多いでしょう。

しかし、そのフォーマットの中に「再発防止策」の欄はあるでしょうか。

簡単にできる対策であれば、「何月何日にこの対策を実施済み」と記入することになりますが、関連部門への要望という形になるかも知れません。

費用のかかることであれば、会社への要望となるでしょう。

 

<被災者へのアプローチ>

その労災事故について、一番よくわかっているのは被災者本人です。

それなのに、書類のやり取りだけで、本人への聞き取りが無いのはもったいないです。

本人の率直な意見は、今後の労災防止に大いに役立ちます。

このとき、「まだ痛みますか?」「大変でしたね」と声をかければ、本音も引き出すことができるでしょう。

こうした言葉をかけることなく、サッサと用件だけ済ませようとすれば、被災者の心は凍りつきます。

なぜなら、被災者は周囲の人からは「お前の不注意だ」「会社にとって迷惑だ」などと言われてしまっていることもあるからです。

再発防止に効率よく取り組むには、被災者本人の要望を聴くのが一番です。

会社として、どうしていれば今回の事故が防げたかがわかるのです。

たとえば、器具の正しい使い方を指導されていなかったとか、このところ長時間残業が続いていて注意力が低下していたとか、家族が大変なときに仕事を休めず上の空で働いていてケガをするというケースもあります。

 

<手続きを委託している場合>

スピーディーに労災手続きを済ませるには、社労士や労働保険事務組合に委託するのが便利です。

しかし、これだと再発防止や被災者への適切なアプローチという2つの重要な視点が欠けてしまいます。

どうせ委託するのであれば、親身に被災者の声に耳を傾け、真剣に再発防止を考える社労士を顧問にするのがお勧めです。

ただし、手続き専門の社労士だと再発防止は考えないものです。

どうせなら、何でも相談できる社労士を選んでいただきたいです。

 

解決社労士