休職中に社会保険料が増えるケース

2022/06/27|838文字

 

<休職中の社会保険料>

休職中で賃金の支払が無くても、通常通り社会保険料を納付しなければならず、会社と社会保険加入者(被保険者)とで折半します。

雇用保険の場合には、月々の賃金に対する一定割合として計算されますから、賃金の支払が無ければ保険料も発生しません。

しかし社会保険料は、標準報酬月額という基準額に対する一定割合として計算されますから、賃金が発生しなくても保険料が発生するのです。

 

<9月分からの増額>

社会保険料の基準となる標準報酬月額は、原則として、毎年4月から6月までの賃金支払実績から計算されます。

その年の4月から6月までの賃金支払実績が、その時の標準報酬月額の水準より高ければ、9月分の保険料は高くなった新しい標準報酬月額を基準に計算されます。

そして、9月分の社会保険料は、一般には10月支給分の賃金から控除されます。この時から、社会保険料が増えることになります。

ですから、7月以降に休職が始まった場合には、「休んでいるのに10月から社会保険料が増えた」という現象が生じます。

人手不足で残業代が増える一方、長時間労働で疲労が蓄積して病に倒れ入院したなどの場合には、このようなことが起こります。

 

<昇給して5か月目からの増額>

社会保険料の基準となる標準報酬月額は、「標準報酬月額保険料額表」という表に定める基準で、2ランク以上アップすることになると、昇給の5か月目から社会保険料が増額されます。

たとえば、11月に支給された賃金から増えたとすると、11月から翌年1月までの賃金支払実績をもとに、2月からの新しい標準報酬月額が決定されます。

2月分の保険料は、3月に徴集されるのが一般ですから、11月から数えて5か月目に保険料が増額されることになります。

3月に休職が始まった場合には、3月に徴集される保険料から増額されますから「休職したら保険料が増えた」という感覚に陥ります。

昇進して忙しくなり責任も重くなって、体調を崩し入院したなどの場合には、このようなことが起こります。

 

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