2022/06/05|813文字
<説明が無い場合>
賞与の支給額を明細書で初めて知り、どうしてこの金額なのか分からないというのは小さな会社ほど多いようです。
そもそも賞与の金額は、社長が一人で思い悩んで決めたので、全員についてハッキリした説明などできないという場合もあります。
もらった社員は、前回に比べていくら増えた/減ったしか感じません。
会社の経費を、それも多額の経費を賞与に充てたのに、ちっとも感謝してもらえないなんて勿体ない話です。
<説明のある場合>
賞与の支給額は、基本給を基準に会社の業績を反映した支給月数、個人の貢献度を反映した考課係数を設定して、次のように計算されていれば納得しやすいでしょう。
個人の賞与支給額 = その人の基本給 × 支給月数 × 考課係数
支給月数が多ければ「会社は経営状況が良い」と分かりますし、考課係数が高ければ「私は高い評価を得ている」と分かります。
支給月数が少なかったり、考課係数が低かったりしても、「次こそは!」という気持になります。
このことが、社員ひとり一人のヤル気に結びつくでしょう。
また、連続して考課係数が低い社員は、大いに努力するか会社を去るかの決断を迫られます。
<具体的な計算方法>
「うちの会社は、そんなにキチンとやっていない」とあきらめる必要はないのです。
たとえ、社長が一人で考えて決めた支給額であっても、次の手順で計算できます。
賞与支給額の総額 ÷(支給対象者の基本給の合計額)= 支給月数
こうして、平均的な人事考課(考課係数=1)の場合の支給月数がわかります。
個人の賞与支給額 ÷(その人の基本給 × 支給月数)= 考課係数
これで、賞与から逆算したその人の考課係数がわかります。
結局、「あなたの今回の賞与は次の計算によって決まりました」と説明できるのです。
個人の賞与支給額 = その人の基本給 × 支給月数 × 考課係数
社長や上司が各社員と面談して、この説明をして激励してはいかがでしょうか。