会社が従業員に知らせる義務

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2022/05/15|1,258文字

 

<周知>

周知(しゅうち)というのは、広く知れ渡っていること、または、広く知らせることをいいます。

「周知の事実」といえば、みんなが知っている事実という意味です。

「社内に周知」という場合には、社内の従業員に広く知らせるという意味です。

 

<会社の周知義務>

会社は、労働基準法および同法による命令等の要旨、就業規則、労使協定を従業員に周知しなければなりません。〔労働基準法第106条第1項〕

労使協定というと三六協定(時間外労働・休日労働に関する協定)が有名です。〔労働基準法第36条〕

労働基準法には、他にも次のような労使協定があります。

特別なことを何もしなければ、これらの労使協定は要りません。

しかし、協定を交わして周知せずに実施すると違法ですから注意しましょう。

 

・貯蓄金管理に関する協定〔第18条〕

・購買代金などの賃金控除に関する協定〔第24条〕

・1か月単位の変形労働時間制に関する協定〔第32条の2〕

・フレックスタイム制に関する協定〔第32条の3〕

・1年単位の変形労働時間制に関する協定〔第32条の4〕

・1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定〔第32条の5〕

・一斉休憩の適用除外に関する協定〔第34条〕

・月60時間超の時間外労働をさせた場合の代替休暇に関する協定〔第37条第3項〕

・事業場外労働に関する協定〔第38条の2〕

・裁量労働に関する協定〔第38条の3〕

・年次有給休暇の計画的付与に関する協定〔第39条〕

・年次有給休暇取得日の賃金を健康保険の標準報酬日額で支払う制度に関する協定〔第39条〕

・時間単位の年次有給休暇に関する協定〔第39条〕

・企画業務型裁量労働制にかかる労使委員会の決議内容〔第38条の4〕

 

<周知の方法>

従業員に配付する、常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける、パソコンやスマホなどでいつでも見られるようにしておくなどの方法があります。

会社は、労働基準法の要旨も就業規則も周知しなければなりません。

ですからたとえば、就業規則に「年次有給休暇は法定通り」と定めたならば、別に労働基準法の年次有給休暇の定めの内容を周知することになります。

また、労働基準法の中には、3つの施策のうちのどれかを労使の協議で選ぶという規定もあります。

ですから、「法定通り」と言ってみても、何も決まっていない恐れがあります。

 

<周知しない結果>

訴訟になれば、周知しない就業規則の効力は否定されます。

たとえ、労働基準監督署に届け出をしていなくても、周知した就業規則の効力は認められます。

もっとも、届け出も義務づけられていますので、怠ることはできません。

 

<個別周知義務>

令和4(2022)年4月1日の育児・介護休業法改正により、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する一定の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければなりません。

これは、従来の周知義務が社内一般に向けて行えば足りたのとは異なり、対象者に個別に説明する義務がありますので注意が必要です。

 

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