社労士の記事

<算定基礎届の調査会場で>

年金事務所の会議室にいると「うちは仕事が終わったところが定時です」「日給制なので残業手当はありません」という事業主さんの声が聞こえてきます。

もちろん、これらは違法である可能性が高いのですが、労働基準については年金事務所の管轄外ですから、指導する権限は無く、職員や行政協力で参加している社会保険労務士からの指摘はありません。

しかし、「役所でこの話をしたけれど問題は指摘されなかった」と言いふらされるのも困りものです。

 

<役所と言っても>

「役所」と呼ばれるものにも、いろいろなものがあります。

厚生労働省の管轄下で、社会保険労務士の業務と深い関連のあるものには、次のようなものがあります。

年金事務所 ― 年金の相談、調査、手続きなど

協会けんぽ ― 健康保険の相談、手続きなど

ハローワーク ― 求人、求職、職業訓練、雇用保険の手続きなど

労働基準監督署 ― 労働基準関係の監督、労働安全衛生、労災保険に関すること

それぞれが独立していますし、元々厚生省の管轄下にあった年金・健康保険と、労働省の管轄下にあった雇用保険・労災保険とでは、やり方や考え方に違いが見られます。

ですから、このうちのどこかでOKをもらったとしても、他の保険関係ではダメと言われることもあるのです。

 

<お客様の立場からすると>

お客様にしてみれば、どこか1つの機関で相談すれば、すべて解決するというのが便利です。

しかし、権限外のことについて尋ねられた時に、他の機関に成り代わって無責任な回答をすることは許されないでしょう。ですから、他の機関を紹介することになります。どうしても「たらい回しにされた」という印象を持たれてしまうことは避けられません。

もしすべて一括して相談したいのであれば、信頼できる社会保険労務士にご相談ください。

 

2017.07.25.解決社労士

<トラブル解決に不足している3つの力>

経営者が労務管理のプロであるか、人事部門に専門家がいるような会社ではない限り、社内で労働トラブルが発生すると必然的にこじれます。

それは、解決に必要な情報収集力、専門的判断力、情報伝達力の3つが不足しているからです。

 

<情報収集力>

われわれ人間を含め、生物が何か判断するためには情報が必要です。

どんなに優れた経営者でも、社員から正確な情報が得られなければ、経営についての重要な判断を誤ってしまいます。

そして、具体的な労働トラブルの解決に必要な情報が何であるかは、それぞれの内容に応じた専門性の高い判断力が備わっていなければ判らないことです。

やみくもに関係者から事情を聞いても、時間、労力、人件費、経費、精神力が消耗されるだけです。

なるべく早く信頼できる社会保険労務士(社労士)に相談して、社内で集める情報だけでなく、法令やその解釈、通達、裁判例など、必要な情報を確定し速やかに手分けして収集することが必要です。

その集め方も大きなポイントです。社員に対して下手な聞き取り調査をしてしまうと、重要な証拠が消滅したり、人権侵害の問題が発生したりします。これについても、社労士にノウハウを確認しておくべきですし、法令やその解釈、通達、裁判例などは、情報収集を社労士に任せておくべきです。

 

<専門的判断力>

社内で判明した事実を就業規則や法令に当てはめて、経営者や人事部門の責任者が独自の解釈に基づく判断を示すことがあります。

多くの場合には、参照すべき条文が的外れですし、会社に都合の良い解釈をしているものです。「こうも取れるからOKじゃないか」というのが最も危険です。

会社目線の素人判断では、労働トラブルがこじれて当然です。

判断基準は、あくまでも裁判官目線であることが必要ですから、専門知識のある弁護士や社労士に相談する必要があります。

 

<情報伝達力>

適切な情報収集と、適正な専門的判断によって、解決の指針が見えたとします。

しかし、これを会社側から労働者側に上手く伝えることができず、逆にこじれてしまうことがあります。

「会社で改めて事実を確認したところ、あなたを解雇したことに落ち度はありませんでした」ということを上手に伝えることができず、あっせん、労働審判、訴訟へと発展してしまうのです。最終的には、会社側の正当性が認定されるにしても、やはり時間、労力、人件費、経費、精神力の消耗は大変なものです。

これには、会社側の情報伝達力不足よりも、労働者側の情報伝達力不足が大きく関わっています。

労働者から会社に何を伝えたいのか、そもそもどうして欲しいのか、何が不満なのか、どうだったら納得できるのか、この辺りが労働者自身、もやもやしていて上手く表現できないのです。自分自身の強い意志で会社に物申したのではなく、家族や友人の勧めで、思い切って会社に申し出をした場合には、特にこの傾向が強くなります。

こうした場合に、労働者側から何をどのように伝えてもらうべきか、会社をサポートすることによって、労働者側の情報伝達力不足を補うのも社労士の役割です。

 

<予防に優る解決なし>

ひとたび労働トラブルが発生すると、こじれずに解決を見るのは大変です。

保険の意味で顧問社労士を置いておき、トラブルを未然に防止するのが、結局は安上がりですし、会社成長のカギともなるでしょう。

 

2017.07.18.解決社労士

<労働条件審査の横糸>

審査項目としては、大項目が次のようになります。この下に中項目と小項目が付きますから、実際にはチェック項目が100を超えます。

 

A 採用 雇用

B 労働時間 休日 休暇

C 賃金

D 退職 解雇

E 懲戒

F 労働安全衛生

G 育児 介護 母性保護 性差別

H ハラスメント

I 高齢者

J 非正規社員

K 就業規則 労使協定

L 労働関係基本帳簿類

M 労働社会保険

 

<労働条件審査の縦糸>

1. 形式=規定などが調っていること

2. 実態=規定通りに実施されていること

3. 手続=届出等が行われていること

4. 維持=途中で立ち消えしないようになっていること

5. 回復=ルール違反が発生した場合のリカバリー

6. 記録=法定の期間、あるいは必要な期間、記録が保管されていること

 

<お問合せ先>

公契約のための労働条件審査であれば、その内容が厳密に規定されていますから、それに従って行われます。各都道府県の社会保険労務士会へのお問合せをお勧めします。

これ以外の労働条件審査は、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。健康診断に、人間ドックや特定健康診査があるように、詳細なものから簡易なものまであります。ニーズに合わせて、審査内容をカスタマイズできるわけです。

 

2017.05.25.解決社労士

<労働条件審査とは>

その企業における労務管理の実態を、労働基準法などの労働法令や通達・判例に照らして総合的・網羅的に精査し、コンプライアンス(法令順守・社会的責任)を確認する手続きのことです。

これによって判明した違法な部分を早急に是正し、不安のある部分を改善することによって、良い企業、強い企業を目指します。

 

<会社の健康診断>

私たちは定期的に健康診断を受けています。この健康診断によって、病気が治るわけではありません。しかし、病気を発見し早期治療を可能にしますし、不安な部分について生活習慣を改善し病気の予防に努めることができます。

労働条件審査は、まさに会社の健康診断です。

 

<今だからこそ必要な理由>

人手不足が深刻な今、優秀な人材の確保は企業にとって最大の課題です。好ましい人材の採用にも、失いたくない人材の定着にも、職場の適法性・社会性・環境が大きく影響します。セクハラ、パワハラ、メンタルヘルス障害などの危険が大きな企業では人材が確保できません。

労使トラブルも急増しています。個々の労働者が手軽に情報を得て、権利を主張するようになりました。不当解雇、未払い残業代、雇用契約の不更新に対する損害賠償の請求も手軽にできるようになっています。これらには多額の慰謝料も含まれます。

世間一般から、企業のコンプライアンス(法令順守・社会的責任)が問われる時代になりました。マスコミは、企業の労使トラブルを大々的に取り上げますし、厚生労働省も平成29510日から労働法違反のあった企業名を公表するようになりました。こうした形で企業名が世間にさらされると、取引先や顧客が離れていき、企業の死活問題ともなりかねないのです。

今まさに、企業が足元をすくわれないようにするため、労働条件審査が必要となっています。

 

<労働条件審査の内容>

労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、高年齢者雇用安定法、育児・介護休業法、パート労働法、健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法、労災保険法など関連法令との整合性について、社内規定類の書類調査、職場調査、聞き取り調査などを行い、経営者の方や総務・人事部門の方々と打合せを行って、労働条件審査報告書を作成いたします。

これには、具体的な是正案・改善案も含まれますので、すぐにご活用いただけます。

 

労働条件審査についてのお問合せは、右上の「お問合せフォーム」をご利用いただけます。

 

2017.05.20.解決社労士

個人差の大きな試験です。参考になりそうなところだけ参考にしてください。

 

<目的意識>

なぜ受験するのか、なぜ合格したいのか、合格したらどうしたいのか、目的意識が薄れていると、勉強の効率が上がりません。

あれが嫌、これも嫌の消去法で受験を決意したのでは、勉強が手につかないでしょう。

 

<参考書より問題集>

勉強がかなり進まないと問題集に手を出さないものですが、過去の問題を中心に勉強している人は、実力のつくスピードがすごいです。

参考書の理解を目指しているのではなく、本番の試験で高得点を取ることを目指しているのですから、早い段階で問題集に取り組むべきです。

 

<問題集の使い方>

自分なりの答えが出るまで粘るのは時間の無駄です。

私は中学、高校と数学が得意でした。問題集を解くときは、30秒ほど考えて解き方がわからなければ、解答と解説を読んで覚えました。5分かかって答えにたどり着かなければあきらめました。

数学が不得意な人は、1問を解くのに長時間かけすぎていたと思います。

ましてやこの試験では知識がものを言いますから、悩んでも仕方が無い問題が多いのです。少し考えて正解を出せなければ、解答と解説を読んで覚えましょう。

 

<結局最後は丸暗記>

基本書を読むときは、最初の5~6回は理解することを心がけると良いです。記憶は薄れていきますが、理解は薄れにくいです。

次の3~4回は、記憶することを心がけたいです。どんなに理解しようと思っても、理屈に合わない部分が多いのがこの試験の特徴です。

最後の1~2回は、語呂合わせでも何でもいいですから、すべて覚えるつもりで臨みましょう。

 

<勉強時間の確保>

このように、やるべきことは多いです。

勉強時間の確保が最重要課題です。早朝だったり、休日にまとめてだったり、細切れ時間の有効活用だったり、自分の個性に合わせて確保するしかないです。

週40時間の勉強を1年続けたら合格ラインだと思います。しかし、週20時間の勉強を2年続けても、同じ水準には達しません。なぜなら、法改正やデータの変化により、記憶の混乱が生じてくるからです。

 

<独学は苦しい>

資格取得のための学校に通って仲間ができるとモチベーションを維持できます。精神的に楽だと思います。

また、ネット授業やビデオ授業でも、そこそこの効果が期待できます。

このページ右側の「お勧めします」の中の「いいだ先生メール相談」をクリックすると、飯田弘和先生のブログに飛びます。この先生は、行政書士試験も社労士試験も独学で合格しています。しかし、こういう方は、年に数人しかいないそうです。特別に優れた方を除き、独学で合格を目指すことはお勧めできません。

 

<あきらめないこと>

私が受験した年は、試験当日、途中で帰った人が多かったのが印象的でした。選択式の健保だけが難しくて、足切り点が1点でしたからあきらめたのでしょう。泣いている人もいましたし、参考書に殴り書きをしている人もいました。結果的には、合格率の高い年でしたから、合格発表のデータを見て、途中で帰って失敗だったと思った人は多かったようです。

 

<健康管理>

8月下旬は、風邪を引きやすい時期ではないと思うのですが、試験会場に行くと風邪引きが半分以上でしょうか。試験当日に風邪を引いていないというだけで、かなり合格が近づきます。

やはり健康管理は大事です。

 

2017.04.02.解決社労士

<多い手続きは>

医療機関での治療費を無料にする手続きと、3日を超えて休業したときの収入補償の手続きがほとんどです。

実際には、医療機関で治療費の一部を「保証金」などの名目で立て替えておいて、保証金の預かり証と労災保険の書類を提出すると、返金してもらえるという仕組みになっています。

もっとも、労災指定の医療機関でなければ、すべて口座振り込みですが。

 

<社労士が行うと給付が早い>

被災者は、一日も早くお金が入ってくることを期待しています。

ところが、労災保険の書類を書くようなことは、社内でめったに起こりません。むしろ、事務処理の担当者が書き慣れてしまうほど労災事故が多発していたら、その方が大きな問題です。

社労士は、いろいろな会社の事案で書類を書き慣れていますから、被災が業務に起因することなどポイントとなる説明を要領よく記入します。慣れていないと、所轄の労働基準監督署で手続きが止まってしまい、会社に説明を求める電話がかかってきたりします。こうしたことにより、被災者が給付を受けるのが遅れるのは残念なことです。

社労士が書類を作成・提出すると給付がスムーズなために、「社労士って会社に有利になるように書いているのですか?」と聞かれます。しかし、労働基準監督署や労働局のご担当の方に、良くわかるように心がけて書いているだけで、ウソを書いているわけではありません。そんなことをしたら一種の保険金詐欺になってしまいます。

 

<副次的な効果も>

社労士が手続きを行う場合には、目の前の手続きだけで終わりません。

まず、被災者が医療機関や薬局で、健康保険証を使っていないか確認します。使っていれば、医療機関などに電話で説明し、労災保険の適用に切りかえてもらいます。

また、同じ労災事故であっても、業務災害であれば事業主は休業の最初の3日間について賃金の補償が必要ですから、その補償額の計算をすることもできます。通勤災害の場合には、就業規則などに特別な規定がない限り、この補償が必要ないですから、念のためその確認もします。

そして、労災の再発防止策も具体的にご提案します。多くの場合には、教育不足が原因となっているのですが、「本人の不注意だから」で済まされ、労災が再発してしまうのは残念です。

さらに、今後のことを考えて、労災手続きをスムーズにするための「労災発生報告書」もご提案できます。

このように、社労士というのは、単なる手続き屋ではないのです。

 

2017.03.16.解決社労士

<ひとたび労働紛争になれば>

退職者の代理人弁護士から、会社あてに内容証明郵便が届いて、アッと驚くことがあります。「円満退職だと思っていたのになぜ?」「本人が悪いのになぜ?」と頭の中はクエスチョンマークだらけになってしまいます。

労働審判や訴訟となれば、弁護士を代理人に立てて対応するのが当たり前です。弁護士の先生は、会社が責任を負わないように、また、たとえ賠償金を支払うことになっても少額で済むように力を尽くしてくれます。

また、訴訟などで解決した後になって、その退職者がウジウジとネットへの書き込みなどで反発してくるようであれば、今度は会社から退職者を相手取って訴えを起こすこともできます。

この点社労士は、訴訟の場合に弁護士である訴訟代理人とともに、補佐人として法廷に出頭し陳述できるだけです。〔社会保険労務士法2条の2〕

社労士が当事者の代理人となれるのは、個々の労働者と事業主との間のトラブルについて労働局の斡旋(あっせん)などが行われる場合に限られています。しかもこれは、社労士すべてができるわけではなく、特定社労士に限られています。

 

<労働紛争になる前に>

たとえ社員が会社に不満を感じても、会社の中で解決できれば、社員も会社も負担が少なくて済みます。金銭的なことはもちろん、時間も労力も精神力の負担も少ないうちに解決できた方が良いのは分かっていることです。

しかし、そうならないのは、社員が上司に相談したがダメだった、あるいは、それ以前に会社には話の分かる人がいないと感じてしまうからでしょう。

もし、顧問の社労士がいて、相談窓口になっていれば、法令の定めや判例の動向などを踏まえ客観的な説明が可能です。勘違いが原因で退職し、労働基準監督署や弁護士に相談する事例が多いのは悲しい事実です。

平成27年4月のパートタイム労働法の改正によって、パート社員については、相談窓口を設置し労働条件通知書などに記載することが義務付けられていますが、こうした窓口の設置と告知は、正社員しかいない会社であっても必要でしょう。

顧問の社労士であれば、相談窓口となるだけではなく、会社の職場ごとの実情に応じたトラブル予防策を提案し推進します。

会社が責任を負わないようにする、徹底的に争うというのも一つの考えです。しかし、人には感情があります。社員と会社との信頼関係が保たれ、気持ちよく働ける会社を目指したいものです。

 

2017.03.15.解決社労士

<社労士利用のメリット>

求人・採用から退職後まで、企業の中の人にかかわることは、お客様のご要望に応じスポットでも顧問でも承ります。

急な欠員や緊急事態に対応してスポットで、人材不足や人件費不足で専任者を置けないときには顧問としてご活用ください。

次に一部の例を示しますが、一般に思われているよりも幅広い業務で、企業をサポートしています。

 

<担当者業務>

求人票・求人広告の手配。入社・退職時の社会保険・雇用保険手続き。社会保険の算定基礎届・月額変更届・賞与支払い届。労災発生時の手続き。産休、育休、介護休、私傷病休業、労災休業の手続き。労働基準監督署への是正報告書などの提出。定期健康診断の手配・管理、個人別結果票の保管、実施報告書の提出。就業規則(変更)届。三六協定書など労使協定書の提出。給与計算業務。パート契約更新管理。助成金の申請。

 

<課長職業務>

効果的な求人票・求人広告の立案。労災発生時の被災者面談、再発防止策の立案。担当者業務改善提案。三大帳簿の調製・ファイリング。法改正に伴う就業規則変更の立案。人事異動に伴う引き継ぎ等管理。助成金申請の前提となる施策の推進。

 

<部長職業務>

採用面接等採用選考。退職時・定年後再雇用時の面談。労働基準監督署の是正勧告など行政指導への対応。人事関連書類・データの保管管理。給与体系・人事制度変更・これに伴う就業規則変更の立案。賞与・退職金制度の運用・制度変更の立案。懲戒処分・表彰の立案と運用。労働紛争の予防。ハラスメント相談対応。問題社員への対応。

 

<役員業務>

会社設立時の社会保険・労働保険・雇用保険手続き。労働基準監督署・年金事務所・会計検査院などの調査立会。社内ルール順守の管理。組織変更・人員配置の立案。労働紛争(斡旋・調停・労働審判・訴訟)への対応。

 

<社外専門職業務>

就業規則作成。新人・2年目・3年目研修。課長・部長・役員研修。ビジネスマナー研修。セクハラ・パワハラ研修。各種相談窓口の受託。

 

2017.03.14.解決社労士

<コンサルタント>

コンサルタントは、問題解決や組織変革の専門家として特定のテーマの実現を推進します。

そして、設定したテーマが実現されれば、業務は終了することになります。

一応、専門家ではありますが、資格が無ければコンサルタントができないというわけではありません。

 

<社労士(社会保険労務士)>

社労士がコンサルタント業務を行う場合には、主に顧問社労士として、中長期的な視点から、会社を継続的に改善し成長させるためのアドバイスを続けます。

その分野は、採用、教育、労務管理、人事制度、就業規則、労使協定など人に関すること全体に及びます。ですから特定のテーマが実現しても、また別のテーマの実現を目指して活動しますし、同時に複数のテーマに取り組むことも多いものです。

社労士は国家資格ですので、無資格で業務を行うことはできません。社労士に業務を依頼する場合には、社会保険労務士証票と都道府県社会保険労務士会会員証で、資格の保有者であることを確認し、きちんと契約書を交わしたうえで依頼しましょう。

 

2017.01.06.解決社労士

<社労士の定義>

社労士は、社会保険労務士試験に合格した後に連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することで、プロとして社会で活躍しています。

社労士の定義は「社会保険労務士法に基づき、毎年一回、厚生労働大臣が実施する社会保険労務士試験に合格し、かつ、2年以上の実務経験のある者で、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録された者」と法律により定められています。

 

<社労士の役割>

社労士は、労働・社会保険に関する法律、人事・労務管理の専門家として、企業経営の3要素(ヒト・モノ・カネ)のうち、ヒトの採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題、さらに年金の相談に応じる、ヒトに関するエキスパートです。

 

<社労士の主な業務>

1.労働社会保険手続業務

・労働社会保険の適用

・労働保険の年度更新

・社会保険の算定基礎届

・各種助成金などの申請

・労働者名簿、賃金台帳の調製

・就業規則の作成、変更

2.労務管理の相談指導業務

・雇用管理・人材育成などに関する相談

・人事・賃金・労働時間の相談

・経営労務監査

3.年金相談業務

・年金の加入期間、受給資格などの確認

・裁定請求書の作成・提出

4.紛争解決手続代理業務

・あっせん申立てに関する相談及び手続

・代理人として意見を陳述

・相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理

5.補佐人の業務

・裁判所において、補佐人として弁護士とともに出廷し意見を陳述

 

<特定社労士とは>

職場のトラブルは、これまで裁判で解決するのが一般的でしたが、裁判は多くの時間を費やすうえ、経営者と労働者の間に「勝った」「負けた」の関係を生み出してしまいます。

そこで、最近では、裁判によらない解決手段として、ADR(裁判外紛争解決手続)が活用されるようになっています。このADRは、当事者同士の話し合いにより解決を目指す制度です。

特定社労士は、このADRのうち個別労働関係紛争にかかる業務を行うことができます。

 

※社労士が、特定社労士になるには、『厚生労働大臣が定める研修を修了』し、『「紛争解決手続代理業務試験」に合格』した後に、その旨を連合会に備える社会保険労務士名簿に付記しなければなりません。

具体的には、ADRを行う機関として厚生労働大臣が指定する「社労士会労働紛争解決センター」や労働局の紛争調整委員会におけるあっせんなどにおいて、特定社労士は労働者や事業主の皆さまの代理人として、個別労働関係紛争の円満な解決のお手伝いをすることができます。

 

(全国社会保険労務士会連合会ホームページより)

 

2016.12.07.

<企業側に立つ業務>

助成金・補助金の申請、労働基準監督署や会計検査院などの立入検査対応、社会保険や労働保険の適用開始届などは、労働者にとって直接の利益は無いですから、企業側の立場に立って行っている業務です。

 

<労働者側に立つ業務>

健康保険、労災保険などの給付金等請求は、労働者に支給されることを考えると、労働者側の立場に立って行っている業務です。

 

<依頼者の立場に立つ業務>

労働紛争について、労働局での斡旋の代理人などの業務を行う場合には、企業の依頼を受ければ企業側に立ちますし、労働者の依頼を受ければ労働者側に立ちます。

しかし、「100%経営者の味方」「労働者側の利益を追求」というように、常に一方だけの利益を擁護しているわけではありません。

 

<どちらの立場にも立たない業務>

個人の方から障害年金の手続きを依頼されるなど、企業側・労働者側ということが問題にならない業務もあります。

 

<両方の立場に立つ業務>

企業の顧問の場合でも、依頼主である企業側のことだけを考えているわけではありません。

就業規則の作成・改善、社員研修、労働環境の維持・向上、給与計算、社会保険や労働保険の保険料を確定する手続き、労働トラブルの予防など、多くの業務は会社側の利益と労働者側の利益の微妙なバランスの上に立っています。

「100%経営者の味方」という立場に立てば、社員は会社を去っていくでしょうし、会社の評判も地に落ちます。

「労働者側の利益を追求」という立場に立てば、会社が傾き社員は職を失うでしょう。

会社と社員が、共に成長し利益が得られるようにするには、やはりバランスが大切なのです。

 

<結論として>

「自分は労働者なので労働者側の立場に立つ社労士を探したい」というご希望をお持ちの方がいらっしゃいます。

しかし、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という孫子の言葉にもある通り、敵対する相手方についても熟知していなければ、戦いで優位に立つことはできません。

企業側のことを知らずに労働者の権利を守ることはできないのですから、労働者側社労士を探すのではなくて、信頼できる社労士をお勧めします。

 

2016.11.27.

<少し前までのキャッチフレーズ>

社会保険労務士事務所のホームページを見ると、キャッチフレーズとして「100%経営者の味方です」「いつでも労働者の味方です」ということばが当たり前のように掲げられていました。

ところが、「社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない」とされています。〔社会保険労務士法1条の2〕

ですから柳田事務所では、たとえ社労士が会社の顧問となった場合でも、一方的に会社の味方となり労働者の敵となるのはおかしいということをネット上でも力説してきました。

権利が守られない労働者は、会社を去っていきますから、結局、会社が力を失います。反対に労働者の権利濫用を許している会社は傾いていきます。会社と労働者がWIN-WINの関係にならなければダメなのです。

 

<不適切な情報発信の禁止に関する会則改正>

「社員をうつ病に罹患させる方法」がブログに書かれるなど、他にも社労士の不適切な情報発信が社会問題となったことから、東京都社会保険労務士会の会則に不適切な情報発信の禁止規定が新設されました。

これによって、「会社側の味方」「労働者側の味方」という表現は、少なくとも東京都内の社労士事務所では使えなくなりましたし、業務にあたっては公正な立場でなければならないことが再確認されたといえます。

 

<弁護士と社労士のスタンスの違い>

東京都区内で労働裁判を扱う法律事務所では、「企業側」「労働者側」ということを明確にしています。こうしないと専門性を疑われるようです。

しかし、同じ東京都内でも多摩地区では、どちら側の代理人も受任する法律事務所が多々あります。

それでも、弁護士と社労士とでは少しスタンスが違います。

たとえば、メンタルヘルス障害で休職している社員がいる場合、弁護士は「会社が責任を問われないように」ということを強く意識します。

これに対して社労士は、「休職している社員の生活や病気の治療」のことも十分に配慮します。

弁護士は、労働者から攻撃されても会社がきちんと防衛できることを考えるのに対して、社労士は、会社が労働者のことをきちんと考えることによって会社が労働者から攻撃されることを防ぐというスタンスです。

 

<柳田事務所の考え方>

代表の柳田は、会社の人事部門で勤務していて、同じ案件について労働者側からも経営者側からも同時に相談を受けていました。

当然のことながら、両方の立場を踏まえWIN-WINの結果を導き出す癖がついています。

これは今でも変わりません。

ですから、柳田事務所は会社からも労働者からも仕事を受けていますし、相手を打ち負かして一時的にスッキリするような結果を目指していません。常に長期的視点に立って、WIN-WINの結果を目指しています。

 

2016.07.25.

<著作権とは>

著作権は、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、コンピューターのプログラムなど、思想・感情を創作的に表現した著作物を排他的に支配する財産的な権利です。

「排他的に」というのは、権利者と権利者が許した人限定ということです。

著作権法では、著作物を勝手に使われないという財産的な権利を指しています。

 

<具体的な問題>

たとえば社労士に頼んで会社の就業規則を作ってもらったとします。その会社の社長が、友達に頼まれてこの就業規則のコピーをあげたとします。これは社労士の著作権を侵害したことになるのでしょうか。

 

<著作権の帰属>

もし、その就業規則の著作権が会社に帰属するなら、コピーを友達にあげるのは自由です。しかし、著作権が社労士に帰属するのなら、社長が社労士の著作権を侵害したことになります。

どちらであるかは、就業規則の作成にあたって交わされた契約の内容によって決まります。

この例一つをとっても、会社と社労士とで、きちんとした契約書を作成せずに口約束で業務を依頼し引き受けるのはトラブルのもとになることがわかります。

 

<柳田事務所の場合>

第15条 成果物の権利の帰属

 無体財産権(著作権法第21条から28条に定める権利のうち、第23条、第26条の3を除く)の権利は乙に帰属する。

これが柳田事務所の契約書に書いてある著作権についての規定です。

乙というのは、柳田事務所を指します。

わかりにくいので、契約するときには契約の内容を具体的に説明して、納得していただいたうえで契約書を交わしています。

結論として、柳田事務所では、顧問先などが第三者に貸与したり、ネット上に公開することを許しているという契約内容です。

 

(参考)著作権法の内容

21条から28条までは、著作権に含まれる権利の種類を定めています。 

21条【複製権】、22条【上演権及び演奏権】、22条の2【上映権】、23条【公衆送信権等)】、24条【口述権】、25条【展示権】26条【頒布権】、26条の2【譲渡権】、26条の3【貸与権】、27条【翻訳権、翻案権等】、28条【二次的著作物の利用に関する原著作者の権利】

 

2016.05.23.

<道義に反する仕事>

「モンスター社員をうつ病にして会社を辞めさせる」というブログ記事を書いたブラック社労士が処分を受けました。

柳田事務所では、そんな仕事はできません。

むしろ、次のような仕事を受けたいと思います。

・モンスター社員を入社させない採用の仕組みづくり

・モンスター社員を発生させない仕組みづくり

・モンスター社員を教育して戦力化する仕組みづくり

 

<懲戒処分を受ける仕事>

こうした仕事をすれば、業務の停止処分を受けますから、当然のことです。

・事実に反する内容を含む書類の作成・提出

・労働局でのあっせんなど、紛争解決手続代理で虚偽の主張をすること

・保険給付を不正に受給すること

・保険料を不正に免除してもらうこと

 

↓懲戒処分等の基準

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/shahorou-tyoukai/tyoukai-kijun.html

 

<その他お受けできない仕事>

会社にとって、短期的な利益をもたらすだけで、継続的な成長を妨げる仕事。

― その場限りの一時しのぎでは、会社のためにも、まじめに働く社員のためにもなりません。会社と社員が、共に成長できるよう、取り組んでいきたいと思います。

 

2016.01.11.