外国人の記事

2020/06/19|1,725文字

 

<出入国在留管理庁の対応>

出入国在留管理庁は、新型コロナウイルス感染症の影響により解雇等され、実習が継続困難となった技能実習生、特定技能外国人等の国内での雇用を維持するため、関係省庁と連携し、特定産業分野(特定技能制度の14分野)における再就職の支援を行うとともに、一定の要件の下、在留資格「特定活動」を付与し、外国人に対する本邦での雇用を維持するための支援を行っています。

 

<対象者>

新型コロナウイルス感染症の影響により、受入れ機関または受入れ予定機関の経営状況の悪化(倒産、人員整理、雇止め、採用内定の取消し等)等により、自己に責任のない理由で、その機関での活動ができなくなり、現在の在留資格で日本に引き続き在留することが困難となった外国人が対象者です。

具体的には、現在の在留資格で活動できない次のような外国人が対象となります。

(1)技能実習生、特定技能外国人

(2)就労資格(「技術・人文知識・国際業務」、「技能」等)で就労していた外国人

(3)教育機関における所定の課程を修了した留学生

 

<在留資格変更許可申請の手続>

在留資格変更許可申請を行う前に、外国人と新たな受入れ機関との間で雇用契約を締結する必要があります。

出入国在留管理庁では、この雇用契約がスムーズに成立することを目的として、関係省庁と連携し、特定産業分野での再就職の支援として、雇用契約に関するマッチング支援を行っています。

外国人との雇用契約の成立後に、次の必要書類を添えて外国人の住居地を管轄する最寄りの地方出入国在留管理局(支局、出張所)に在留資格「特定活動」への在留資格変更許可申請を行います。

ただし、新たな受入れ機関は、特定技能制度の14分野に属するものに限られます。

 

【必要書類】

 ○在留資格変更許可申請書

 ○受入れ機関が作成した説明書

 ○雇用契約に関する書面(雇用契約書、労働条件通知書等の写し)

 ○受入れ機関が作成した賃金の支払に関する書面

 

<付与される在留資格・期間>

特定活動(就労可)・最大1年

 

<行うことができる活動>

受入れ機関で、特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付ける活動です。

 

<雇用契約の条件>

雇用契約の条件は、次のとおりです。

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置とはいえ、在留資格「特定活動」の趣旨を外れるものは認められません。

 

【雇用契約の条件】

ア 申請人が本特例措置により従事しようとする業務に係る報酬の額が、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること

イ 申請人が、受入れ機関において特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付けることを希望していること(希望する特定産業分野に係る技能試験等の合格が必要な者に限る。)

なお、製造業3分野(素形材産業分野、産業機械製造業分野、電気・電子情報関連産業分野)については、国内において、申請人が製造業各分野で対象となっている業務区分(職種)で勤務・実習中に解雇されたものに限られる。

ウ 受入れ機関が、申請人が特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付ける希望があることを理解した上で、申請人の雇用を希望するものであること

エ 受入れ機関が、申請人を適正に受け入れることが見込まれること(在留外国人(就労資格に限られず、資格外活動許可を受けた者も含む。)を雇用した実績、出入国・労働関係法令の遵守等)

オ 受入れ機関が、申請人に対して特定技能に移行するために必要な技能等を身に付けることなどについて指導、助言等を行うことのほか、在留中の日常生活等に係る支援(関係行政機関の相談先を案内及び必要に応じて当該機関に同行することを含む。)を行う担当者を確保して適切に行うことが見込まれること

(注)支援については、例えば、受入れ機関が雇用する申請人が従前に所属していた監理団体や、特定技能へ移行する際に支援を委託する予定の登録支援機関において実施することも差し支えない。

カ 受入れ機関が、申請人を受け入れることが困難となった場合には地方出入国在留管理局に速やかに報告することとしていること

 

外国人の受け入れを検討中の企業では、今回の特例を活用して、トライアルを行ってみてはいかがでしょうか。

 

解決社労士

2020/03/06|1,505文字

 

<出入国在留管理庁の活動>

出入国在留管理庁は、国や地方公共団体が外国人向けに情報発信を行う際には、多言語化と併せ、やさしい日本語を用いることが重要と考えています。

令和2年2月14日、出入国在留管理庁が文化庁と連携し、在留支援のためのやさしい日本語の必要性や、やさしい日本語の要点等を解説したガイドラインを作成する予定であることを公表しました。

この「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」は、令和2年7月頃に公表される予定です。

 

<生活・仕事ガイドブック>

出入国管理庁の外国人生活支援ポータルサイトでは、日本で生活する外国人向けに「生活・仕事ガイドブック」の日本語版、英語版、ベトナム語版、やさしい日本語版を掲載しています。

「やさしい日本語」は、日本で暮らす外国人に向けられた、普通の日本語よりも簡単でわかりやすい日本語のことをいいます。

これは、阪神・淡路大震災を契機として、地方公共団体等を中心に言い換え表現等が研究されてきたものです。

やさしい日本語版「生活・仕事ガイドブック」は、すべての漢字にふりがなが振られています。

 

【「生活・仕事ガイドブック」の構成】

第1章 日本に住むために必要なこと

第2章 市役所、区役所、町役場、村役場

第3章 日本で働く

第4章 子どもを産んで育てる

第5章 教育

第6章 医療

第7章 年金・福祉

第8章 税金

第9章 交通

第10章 緊急(急な病気や事故)・災害(台風や地震)

第11章 住む家を探す

第12章 日本の生活

 

<ガイドブックの活用法>

このガイドブックは、外国人向けの活用が予定されています。

しかし、労働関係などの用語は、日本人にとっても分かりにくいものです。

就業規則や人事関係の社内文書が、難解な表現を含んでいる場合には、社内に周知するのが難しいこともあります。

ガイドブックの「第3章 日本で働く」は、29ページで構成されていて、労働関係などの用語が分かりやすい表現で示されています。

 

【社会保険・労働保険の説明例】

日本には「社会保険」・「労働保険」というシステムがあります。国が、働いている人と会社からお金を集めて、困ったときにそのお金を使って助けます。

会社で働いている人は、給料から社会保険・労働保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険)のお金が引かれます(労災保険は全部会社がお金を出します。)。

会社は集めたお金に会社のお金を足して国に渡します。

短い時間だけ働いている人は、社会保険に入っていないため、給料からお金が引かれません。自分で「国民健康保険」や「国民年金」に入ってお金を払います。

 

「健康保険」:けがや病気で病院に行くときのための保険です。

 

「介護保険」:年をとって世話をしてもらうときのための保険です。

 

「厚生年金保険」:年をとったり、病気やけがをしたりして、仕事ができなくなったときのための保険です。そして、家族のために働いていた人が亡くなったとき、家族が生活に困らないようにする保険です。70歳になっていない人が入ります。

 

「雇用保険」:仕事がなくなったり、会社をやめたあと仕事が見つからなかったりしたときのための保険です。生活の心配をしないで、新しい仕事を探すことができるように、この保険からお金が出ます。いつからいくら出るかは、やめた理由などで違いますから、家 の近くの「ハローワーク」で相談しましょう。

 

「労災保険」:仕事が原因で、働いている人がけがをしたり病気になったり亡くなったりしたときの保険です。

 

就業規則の変更案や、人事部門の発信文書を作成する際には、やさしい日本語版「生活・仕事ガイドブック」を参考にされてはいかがでしょうか。

 

解決社労士

令和元(2019)年8月21日、出入国在留管理庁が「平成30年の「在留資格取消件数」について」をとりまとめ公表しました。

平成30(2018)年の取消件数は832件で、29年の385件、28年の294件を大幅に上回る件数です。

これは、偽装滞在者の罰則の整備、在留資格取消制度の強化を行った平成28(2016)年改正入管法による、不法滞在者対策が影響しているものと分析されています。

 

【在留資格別取消数】

留学 412件(49.5%)

技能実習 153件(18.4%)

日本人の配偶者等 80件(9.6%)

 

【国籍・地域別】

ベトナム 416件(50.0%)

中国 152件(18.3%)

ネパール 62件(7.5%)

 

【在留資格での活動を行わないことによる取消例】

留学生が学校を除籍された後3か月以上在留

技能実習生が実習先から失踪し、親戚宅に身を寄せ3か月以上在留

在留資格「家族滞在」で在留している者が、離婚後3か月以上在留

 

【在留資格とは異なる活動をしていることによる取消例】

留学生が学校を除籍された後、アルバイトとして生活

技能実習生が実習先から失踪後し他の会社で勤務

在留資格「技術・人文知識・国際業務」で在留している者が別の業務で勤務

 

【不正の手段により許可等を受けていたことによる取消例】

勤務先と職務内容を偽って許可を受けた

実態の無い会社、虚偽の所在地で許可を受けた

日本人との結婚を偽装して在留期間更新許可を受けた

 

2019.08.26. 解決社労士 柳田 恵一

<政省令公布>

平成31(2019)年3月15日、政府は特定技能の在留資格を創設し、外国人労働者受け入れを拡大する新制度の運用の詳細を定めた法務省令や政令を公布しました。

健康状態が良好であることを資格取得の要件とし、受け入れ先には日本人と同等以上の報酬とする雇用契約を結ばせることなどを定めました。

施行は新制度を盛り込んだ改正入管難民法と同じ4月1日となります。

これで外国人労働者の新制度に関する全ての法規定が整備された形となりました。

新制度は一定技能が必要な特定技能1号、熟練技能が必要な同2号の在留資格を創設しています。

1号は介護や農業など14業種、2号は建設と造船・舶用工業の2業種で受け入れることになっています。

 

<外国人と法令の適用>

労働基準法や最低賃金法、社会保険や労働保険に関する法律は、労働者の国籍とは関係なく、日本国内の事業所や現場で働く外国人にも適用されます。

日本人ではないことを理由に、年次有給休暇や産休・育休を取得させない、厚生年金や雇用保険に加入させない、労災の手続きをしないというのは明らかに違法です。

外国人であれば日本人よりも安い賃金で雇えそうだという期待とは裏腹に、法令の適用については日本人と同じですから、人件費の節減も思うようにはいきません。

それどころか、日本語が上手ではない外国人にも安全教育が必要ですし、就業規則などのルールも説明しなければなりません。危険個所には、日本語以外の注意書きを表示する必要があります。

こうしてみると、外国人を雇った場合、そのお世話をする日本人の人件費も馬鹿にならないように思えます。

そもそも国籍の違いを理由に待遇を差別したら、それだけで違法になってしまいます。〔労働基準法3条〕

 

<特定技能の在留資格の特例>

特定技能の在留資格では、受け入れ先に日本人と同等以上の報酬とすることを義務づけています。

これまでも、外国人を最低賃金法の定める最低額を下回る賃金で働かせ、刑事告発を受ける企業がありました。

特定技能の在留資格では、「日本人と同等以上の報酬」で雇うことが義務付けられていますから、最低賃金法の定める最低賃金を上回るだけでは条件を満たしません。

「日本人と同等以上の報酬」であることが立証できるためには、客観的な評価基準と適正な人事考課の運用も必要となります。

有能な外国人を採用するには、それ相当の準備が必要であること、また、低賃金で働かせることはできないという、正しい認識が広がっていくことを期待します。

 

2019.03.18.解決社労士

<新制度導入の背景>

新たな外国人材の受け入れ制度が2019年4月に開始されます。

法務省は、この背景として、次の点を指摘しています。

・有効求人倍率が、1970年代以来44年ぶりの高さである。

・全都道府県で有効求人倍率が1を超える状態が続いている。

・失業率が25年ぶりの水準まで低下している。

・企業の人手不足感が、バブル期以来の水準にまで上昇している。

・2017年10月末現在、国内の外国人労働者数は約127万人で、過去最高を更新している。

 

<変更点>

専門的技術的分野での在留資格は、高度専門職、教授、技術・人文知識・国際業務、介護、技能等に限定されていました。

新たに創設される在留資格として、特定技能1号、特定技能2号が加わります。

 

○ 特定技能1号

特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

 

○ 特定技能2号

特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

 

ここで、「特定産業分野」とは、介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の14分野をいいます。

ただし、特定技能2号は、建設、造船・舶用工業の2分野のみで受け入れが可能とされます。

 

【特定技能1号のポイント】

○ 在留期間:1年、6か月または4か月ごとの更新、通算で上限5年まで

○ 技能水準:試験等で確認(技能実習2号を修了した 外国人は試験等免除)

○ 日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

○ 家族の帯同:基本的に認めない

○ 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象

 

【特定技能2号のポイント】

○ 在留期間:3年、1年または6か月ごとの更新

○ 技能水準:試験等で確認

○ 日本語能力水準: 試験等での確認は不要

○ 家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)

○ 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象外

 

<注意点>

中小企業では、「外国人は安く使える」という誤解も残っているようです。

しかし、国内で働く外国人には、日本人と同様に、原則として労働基準法、最低賃金法などの法令が適用されます。

外国人を差別できませんし、最低賃金を下回る賃金では働いてもらえません。

たとえ、本人が同意したとしても違法となります。

 

2019.02.25.解決社労士

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