労働安全衛生の記事

<救急箱を備える義務>

救急用具について、労働安全衛生規則には次の規定があります。

 

【労働安全衛生規則633条1項】

(救急用具)第六百三十三条 事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。

2 事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない。

 

ただ救急箱を置いておけば良いのではなく、イザというときに役立つよう、従業員に置き場所を知らせておき、使い方も指導しておく必要があります。

もちろん、メンテナンスも重要です。

 

<救急箱の中身>

救急箱の中身についても規定されています。

 

【労働安全衛生規則634条】

(救急用具の内容)第六百三十四条 事業者は、前条第一項の救急用具及び材料として、少なくとも、次の品目を備えなければならない。

一 ほう帯材料、ピンセット及び消毒薬

二 高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬

三 重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等

 

つまり、どの職場にも最低限、包帯材料、ピンセット、消毒薬が必要です。

このうち、包帯材料はよく見るガーゼ付きの絆創膏でもかまいません。

また、消毒薬も赤チンなどではなく、無色透明のシュッと吹き付けるタイプのものでかまいません。

これらを保管するには、やはり救急箱が手頃でしょう。

 

<管理もきちんと>

従業員の誰かが気を利かせたつもりで、救急箱の中に医師から処方された胃腸薬の使い残しを入れておいたとします。

これを他の従業員が勝手に服用すると、薬事法違反となりかねません。

ですから、救急箱は中身が適正で清潔に保てるよう、担当者を決めてきちんと管理することが大事です。

 

2018.11.02.解決社労士

<全国労働衛生週間>

厚生労働省は、平成30(2018)101()から7()まで、平成30年度「全国労働衛生週間」を実施します。

全国労働衛生週間は、昭和25(1950)年から毎年実施されているもので、今年で69回目となります。

労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高めるとともに、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどが目的とされています。

 

<今年のスローガン>

今年のスローガンは、「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方改革」です。

働き方改革の定義は、必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料をもとに考えると「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」といえるでしょう。

心身共に健康であれば生産性も高まります。そのためにできることは何かを考え、具体的に取り組む1週間としたいものです。

 

<具体的な取組み>

毎年91日から30日までを準備期間とし、101日から7日までを本週間、各職場で、職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取組みを展開する予定で、今年は主に以下のような項目が掲げられています。

 

1.全国労働衛生週間中に実施する事項

 ・事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視

 ・労働衛生旗の掲揚およびスローガン等の掲示

 ・労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰

 ・有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施

 

2.準備期間中に実施する事項

 下記の事項について、重点的に日常の労働衛生活動の総点検を行う。

 ・過重労働による健康障害防止のための総合対策の推進

 ・労働者の心の健康の保持増進のための指針等に基づくメンタルヘルス対策の推進

 ・治療と仕事の両立支援対策の推進に関する事項

 ・化学物質による健康障害防止対策に関する事項

 ・石綿による健康障害防止対策に関する事項

 

2018.07.26.解決社労士

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 所属

大きな案件は、働き方改革研究会の選抜チームで承っております。

<労働安全衛生法>

快適な職場環境の形成について、基本的なことを定めているのは労働安全衛生法です。略して安衛法と呼びます。

安衛法の目的について、第1条が次のように規定しています。

 

第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

 

つまり、この法律は、次の2つのことを目的としています。

・労災を防止して労働者の安全と健康を確保する

・快適な職場環境の形成を促進する

 

<事業者の講ずる措置>

そして、快適な職場環境の形成を促進するために、会社など事業者に次のような義務を課しています。

 

第七十一条の二 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない

一 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置

二 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置

三 作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備

四 前三号に掲げるもののほか、快適な職場環境を形成するため必要な措置

 

この条文の「努めなければならない」というのは、努力義務であることを示しています。

努力義務というのは、法律の規定に違反しても、刑事罰や過料等の法的制裁を受けない義務です。

結局、守られるか否かは当事者の任意の協力次第ですし、守られているか否かの判断も当事者の評価に委ねられることになります。

 

<快適職場指針>

会社など事業者が快適な職場環境の形成を促進する義務については、労働安全衛生法に基づき、厚生労働省が「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」を定めています。

その中の「温熱条件」という項目には、次のように定められています。

 

屋内作業場においては、作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。また、屋外作業場については、夏季及び冬季における外気温等の影響を緩和するための措置を講ずることが望ましいこと

 

<事務所衛生基準規則>

さらに、事務所内で事務作業に従事する労働者については、空気調和設備等による調整が可能である場合に限定して、事務所衛生基準規則に次の規定があります。

 

第五条 事業者は、空気調和設備又は機械換気設備を設けている場合は、室に供給される空気が、次の各号に適合するように、当該設備を調整しなければならない。

3 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない

 

これによると、事務所内は気温が17℃以上28℃以下、湿度が40%以上70%以下というのが基準になります。

つまり、年間を通してこの範囲内にあれば、法令の基準を満たしていることになります。

それでもなお、「暑い」「寒い」という話が出てくるのであれば、話し合いによる調整が必要となります。

 

<働き方改革との関係で>

働き方改革の定義は、必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料をもとに考えると「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」といえるでしょう。

ひとり一人の労働者が「暑い」「寒い」ということで生産性が低下しているのであれば、温度環境を整えることで生産性が向上するのは目に見えています。

設備投資と電気代を人件費と比べるだけでなく、定着率の向上や採用の困難性を考えて、どこまでの対応が必要なのか、経営者としての判断は難しいのかもしれません。

それでも、蒸し暑い部屋で採用面接を行った場合と、快適な室内で採用面接を行った場合とでは、辞退者の人数に違いが出てくるのではないでしょうか。

 

2018.07.22.解決社労士

 

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 所属

大きな案件は、働き方改革研究会でチームとして承っております。

<条例の概要>

平成30(2018)627日、東京都の受動喫煙防止条例が可決・成立しました。

この条例は、面積にかかわらず、従業員を雇っている飲食店を原則屋内禁煙とし、喫煙専用室は設置できるとするのが特徴です。つまり、従業員を受動喫煙から守っているわけです。

この条例は年内から段階的に施行され、罰則(5万円以下の過料)は20204月の全面施行時から適用されることになります。

都内の飲食店の約84%にあたる約134,000軒が規制対象になる見込みです。

 

<東京都の負う責任>

・受動喫煙による都民の健康への影響を未然に防止するための環境の整備に関する総合的な施策を策定し実施すること

・喫煙と受動喫煙が健康に与える影響について、意識の啓発や教育を通じた正しい知識の普及により、都民の理解促進に努めること

・受動喫煙の防止に関するその他の必要な施策について、都民、区市町村、施設の管理権原者その他の関係者と連携し、協力して実施するよう努めること

 

<都民の負う責任>

・喫煙と受動喫煙が健康に与える影響について理解を深め、他人に受動喫煙をさせることのないよう努めること

・東京都が実施する受動喫煙の防止に関する施策に協力するよう努めること

 

<保護者の負う責任>

・いかなる場所であれ、監督保護する未成年者の健康に受動喫煙による影響が及ぶことを未然に防止するよう努めること

 

<喫煙の際の配慮義務>

・多数の者が利用する施設で喫煙する際、受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない

・施設の管理権原者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない

 

<多数の者が利用する施設等における喫煙の禁止>

・学校、病院、児童福祉施設等、行政機関、旅客運送事業自動車・航空機では禁煙(屋外喫煙場所設置可)

ただし、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学校等の施設は屋外喫煙場所設置不可(努力義務)

・上記以外で多数の者が利用する施設や旅客運送事業船舶・鉄道でも原則屋内禁煙(喫煙専用室内のみで喫煙可)

ただし、一定の条件を満たした喫煙を主目的とする施設(いわゆるシガーバーやたばこの販売店等)については、別の類型を設け、喫煙禁止場所としない

・原則屋内禁煙の施設であっても、従業員がいない飲食店については、屋内の全部または一部の場所を喫煙をすることができる場所として定めることができる

 

<各企業での対応>

東京都内で対象とならない事業場でも、東京都にない事業場であっても、定着率を向上させ応募者を増やすためにも、自主的な取組みをお勧めします。

 

2018.06.28.解決社労士

<熱中症とは>

熱中症とは、高温多湿な環境下で、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻したりなどにより発症する障害の総称です。

具体的な症状としては、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などが見られます。

 

<昨年の熱中症>

厚生労働省によると、平成29(2017)年の職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は544人と、平成28(2016)年よりも82人増加し、うち死亡者は14人と、前年より2人増加しました。

熱中症による死傷者は、平成23(2011)年以降、毎年400500人台で高止まりの状態にあります。平成29(2017)年の業種別の死亡者をみると、建設業が全体の約6割(8人)と、最も多く発生しています。

また、熱中症で死亡した14人の状況をみると、WBGT値(暑さ指数)の測定を行っていなかった(13人)、計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(13人)、事業者が水分や塩分の準備をしていなかった(4人)、健康診断を行っていなかった(5人)など、基本的な対策が取られていなかったことが分かります。

WBGT値というのは、気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数です。

 

<クールワークキャンペーン>

厚生労働省では、職場における熱中症予防対策として、平成30(2018)51日から930日まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。

キャンペーンでは、個々の労働者に水分・塩分の摂取を呼び掛けるだけでなく、事業場として、予防管理者の選任など管理体制の確立を含めた対策の徹底を図るため、労働災害防止団体などとの連携や、関係業界団体などへの関連情報の周知・提供、協賛団体による支援などの取組を重点的に推進しています。

また、WBGT値による作業管理などを中心とした「職場での熱中症予防に関する講習会」を、6月~7月に全国7か所で実施します。

 

WBGT値の測定には、JIS規格「JIS B 7922」に適合した暑さ指数計を準備しましょう。

 

2018.06.07.解決社労士

<職場環境の重要性>

職場は労働者にとって生活の場の一部です。

暑すぎたり、寒すぎたり、汚れていたり、不自然な姿勢で身体に負担がかかる作業であったり、人間関係が良くない場合には、その人にとって不幸であるだけでなく、生産性の面からも能率の低下をきたします。

そこで、職場の環境について現状を的確に把握し、職場の意見、要望等を聞いて、快適職場の目標を掲げ、計画的に職場の改善を進めることが必要です。

例えば、適切な温度・湿度の管理を行う、力仕事を少なくして作業者の心身の負担を軽減する、疲れた時に身体を横にすることのできる休憩室等を設置するなどの措置が考えられます。

このように職場を疲労やストレスを感じることの少ない快適なものとすることは、職場のモラールの向上、労働災害の防止、健康障害の防止が期待できるだけでなく、事業活動の活性化にも良い影響を及ぼします。

 

<快適職場指針>

労働安全衛生法(安衛法)では、快適職場づくりが事業者の努力義務とされ〔71条の2〕、また、71条の3により「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(快適職場指針)が厚生労働大臣から公表されています。

この快適職場指針のめざすものは、「仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくり」です。

快適職場指針では、「作業環境の管理」、「作業方法の改善」、「労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備」、「その他の施設・設備の維持管理」の4つの視点から措置を講じることが望ましいとされています。

とはいえ、人が快適と感じるかどうかは、個人差があり、職場の環境という物理的な面のみでは測れません。

しかし、多くの人にとっての快適さをめざすことを基本としつつ、各個人差にも配慮する努力を行うべきです。

さらに、快適化の第一歩は作業環境等のハード面の改善を行い、人が不快と感ずる要因を取り除くことですが、それだけでなく、労働時間、安全衛生管理の水準、職場の人間関係、働きがいなども、人が快適さを感じるための重要な要因です。

 

<受動喫煙防止対策>

平成15年5月1日に健康増進法(平成14年法律第103号)が施行され、事務所その他多数の者が利用する施設を管理するものに対し、受動喫煙防止対策を講ずる努力義務が課せられましたが、快適職場づくりの観点からも職場での喫煙対策は重要な課題であり、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が改正され〔平成15年5月9日基発第0509001号〕、一定の性能を有する喫煙室の設置等による受動喫煙防止対策が求められています。

 

2018.03.02.解決社労士

<面接指導実施の義務>

脳・心臓疾患の発症は、長時間労働との関連性が強いとされています。

そこで、労働者数などの事業規模とは関係なく、すべての事業者には、長時間労働の労働者に対して、医師による面接指導を行うことが義務付けられています。〔労働安全衛生法66条の8〕

事業者は、長時間労働などの要件に当てはまる労働者の健康状態を把握し、適切な措置を講じなければなりません。

また、労災認定された自殺には、長時間労働だった労働者も多いことから、この面接指導の際には、うつ病などのストレスが関係する精神疾患の発症を予防するために、メンタルヘルス面への配慮も必要となっています。

 

<対象者など>

事業者は、労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければなりません。

基本的には、対象となる労働者ご本人からの申出を受けて行うことになります。ただし、医師による面接指導の制度は、労働安全衛生法で定めたものですから、社内への周知が必要です。

また産業医のいる事業場では、産業医から該当する労働者に対して申出を行うよう勧奨することができます。〔労働安全衛生法施行規則52条の3〕

 

<面接指導実施後の措置>

面接指導を実施した労働者の健康保持のため、事業者が必要な措置について、医師の意見を聴かなければなりません。

医師の意見に基づいて事業者が実施すべき措置としては、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などがあります。

また、面接指導の結果は、記録を作成して5年間保存しなければなりません。

 

2017.05.13.解決社労士

<休憩室とは違う休養室>

休憩室は、従業員がリフレッシュするため日常的に使うスペースです。

しかし休養室は、従業員が急に体調をくずしたときに一時的に休ませ、場合によっては救急車が来るまで待たせておくための施設です。

 

<設置義務>

労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の規定に基づき、またこれらの規定を実施するため、労働安全衛生規則が定められています。

その618条には、次のように規定されています。

「事業者は、常時五十人以上又は常時女性三十人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」

このように、設置義務を負うのは男女合わせて50人以上、または、女性だけで30人以上の従業員がいる事業場に限られています。

 

<注意するポイント>

が床(臥床)とは横たわることですから、座って休めればよいというものではありません。基本的に、ベッドや布団が必要になります。

また、男女兼用ではダメで、男性用と女性用に区別して設置する必要があります。

従業員が少しずつ増えていき、いつの間にか50人を超えた場合、衛生管理者、衛生委員会、産業医、健康診断結果報告などは思いつくものの、休養室は忘れがちです。

 

<規則に違反した場合>

労働安全衛生規則そのものには罰則がありません。

しかし、休養室が設置されていなかったり、条件を満たしていなかったりした状態で、急病人が発生し対応が遅れることがあれば、会社が責任を問われることになります。

そうでなくても、労働基準監督署の監督などがあった場合には、指摘を受けてしまいますので、きちんと対応すべきです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

事業場の従業員が10名以上になった場合、50名以上になった場合など、節目の人数で会社が対応に追われることは多々あります。

計画的に対応できるよう、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.05.12.解決社労士

<職場の空気の量や換気についての規定>

労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の規定に基づき、また、これらの規定を実施するため、労働安全衛生規則が定められています。

これは、厚生労働省令の一つで、最近では平成28年11月30日に改正されています。

 

<空気の量についての規定>

労働者が室内で呼吸などに利用できる空気の量を気積(きせき)といいます。

その室内にキャビネットなどがあって、空間をふさいでいる部分の体積は、気積に含まれません。

また、天井が高く床面から4メートルを超える場合には、4メートルを超える高さにある空間も気積に含まれません。

こうして計算された気積は、労働者1人について10立方メートル(1万リットル)以上必要です。〔労働安全衛生規則600条〕

 

<換気についての規定>

換気が十分に行われる設備が整っていれば問題ないのですが、窓を開けて換気している場合には、直接外気に触れる部分の面積が、床面積の20分の1(5%)以上であることが必要です。〔労働安全衛生規則601条1項〕

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

事業場の従業員が50名以上であれば、資格を持った衛生管理者や産業医のチェックが入ります。

しかし小規模な事業場では、職場環境の最低基準を満たしていないケースも見られます。

一度、信頼できる社労士にチェックさせてはいかがでしょうか。

 

2017.05.11.解決社労士

<職場のトイレについての規定>

労働安全衛生法の規定に基づき、また規定の内容を実施するため、事務所衛生基準規則が定められています。

これは、厚生労働省令の一つで、最近では平成26年7月30日に改正されています。

トイレについては、事務所衛生基準規則第17条に規定があります。

 

<男性用と女性用の区別>

職場のトイレは、男女共用ではいけません。

男性用と女性用をそれぞれ設置する必要があります。

そのうえで、障害者やLGBTの方々に配慮した専用のトイレを設置することは望ましいことです。

 

<男性用小便器の数>

男性労働者30人以内ごとに1つ以上の割合で必要です。

その職場に所属する人数ということではありません。同時に就業する最大の人数が基準となります。

たとえば65人であれば、65人 ÷ 30人 = 2.17 の端数切り上げで3つ必要です。

 

<個室の数>

男性用は60人以内ごとに1つ以上の割合で必要です。

女性用は20人以内ごとに1つ以上の割合で必要です。

 

<その他>

流水で手を洗うための設備が必要です。

事業者には、トイレを清潔に保つ義務があります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

事業場の従業員が50名以上であれば、資格を持った衛生管理者や産業医のチェックが入ります。

しかし小規模な事業場では、職場環境の最低基準を満たしていないケースも見られます。

一度、信頼できる社労士にチェックさせてはいかがでしょうか。

 

2017.05.10.解決社労士

<新薬との違い>

医師の診断により、病院や調剤薬局などで処方される医療用医薬品は、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分けられます。

新薬はその開発に多額の費用と時間がかかるため、特許権が与えられ、その新薬を独占的に製造・販売することができます。

しかし、この特許権には特許期間が設けられていて、その特許期間が過ぎると、他の医薬品メーカーでも同じ有効成分の薬を製造することが許されます。

こうして、特許権を持っていたメーカーとは別のメーカーが製造するようになった薬がジェネリック医薬品です。                 

 

<効き目の違い>

ジェネリック医薬品は、新薬と同一の有効成分を含み、効き目や安全性が同等であると厚生労働省が承認した薬です。

しかも、ジェネリック医薬品は、医薬品メーカーによって薬を飲みやすい形や大きさに変えるなどの工夫がされています。

 

<価格の違い>

新薬の開発には、10年~15年程度の長い期間がかかり、数百億円もの費用が必要とされています。新薬の価格には、これが反映されています。

ところが、ジェネリック医薬品は、新薬の有効成分を利用して開発されるため、その分だけ、開発期間やコストを大幅に抑えることが可能となります。そのため、ジェネリック医薬品の価格を安く設定することができます。

ジェネリック医薬品は、新薬に比べ、3割から5割程度安くなる場合が多いです。

 

<注意したい点>

新薬と同じ成分のジェネリック医薬品が、まだ無いこともあります。

ジェネリック医薬品は、新薬に比べて、やや供給が不安定なこともあります。

この点を確認のうえ、ジェネリック医薬品を希望すれば、医療費を節約することができます。

 

2017.04.25.解決社労士

<労働基準監督官の権限>

労働基準監督官は、労働基準法違反を是正するだけではありません。

労働安全衛生法を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、作業環境測定を行い、または検査に必要な限度で無償で製品、原材料、器具を持ち去ることができます。〔労働安全衛生法91条1項〕

ここで、作業環境測定というのは、温度、湿度、騒音、照度、一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度、チリの密度など、職場の客観的な労働環境を測定する検査のことをいいます。

 

<法違反に対する使用停止命令>

都道府県労働局長または労働基準監督署長は、事業者の講ずべき措置など労働安全衛生法の規定に違反する事実があるときは、その違反した事業者、注文者、機械等貸与者または建築物貸与者に対し、作業の全部または一部の停止、建設物等の全部または一部の使用の停止または変更その他労働災害を防止するため必要な事項を命ずることができます。〔労働安全衛生法98条1項〕

労働災害発生の差し迫った危険がある場合には、この他、必要な応急措置を講ずることを命ずることができます。〔労働安全衛生法99条1項〕

つまり、営業停止や労働者の職場への立ち入り禁止を命令できるのです。

 

<講習の指示>

都道府県労働局長は、労働災害が発生した場合には、その再発を防止するため必要があると認めるときは、その事業者に対し、期間を定めて、その労働災害が発生した事業場の総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、統括安全衛生責任者その他労働災害の防止のための業務に従事する者に都道府県労働局長の指定する者が行う講習を受けさせるよう指示することができます。〔労働安全衛生法99条の2第1項〕

なにより労働災害の発生防止に努めることが大切ですが、安全管理者や衛生管理者など法定の労働災害防止業務従事者をきちんと選任し、労働基準監督署長に選任報告書を提出しておくことも必要です。

 

2016.06.29.

<労働安全衛生法>

職場での労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的として、労働基準法の特別法である労働安全衛生法が定められています。

この法律は、事業者に、仕事が原因で労働者が事故に遭ったり、病気になったりしないようにする義務を定めています。

一方、労働者に対しては、労働災害を防止するために必要な事項を守り、事業者が行う措置に協力するように定めています。ただし、労働者がこれを行うのに必要な教育は、事業者が行わなければなりません。

 

<定期健康診断などの実施義務>

事業者は、労働者を雇い入れた際とその後年1回、医師による健康診断を行わなければなりません。労働者はその健康診断を受ける必要があります。〔労働安全衛生法66条〕

また、最近では仕事上のストレスによるうつ病など、労働者のメンタルヘルスも大きな問題となっており、快適な職場環境形成のためには、事業者が、作業方法の改善や疲労回復のための措置だけでなく、メンタルヘルス対策を行うことも重要となっています。

 

<労働者災害補償保険法>

労働者が仕事や通勤が原因で病気やけがをした場合には、労災保険給付の対象になります。

労災保険給付を受けるためには、病院や労働基準監督署に、各種の請求書を提出する必要があります。会社が被災労働者から災害の原因など必要な証明を求められたときは、速やかに証明をしなければなりません。

なお、仕事が原因の病気には、長期間にわたる長時間の業務による脳・心臓疾患や人の生命にかかわる事故への遭遇などを原因とする精神障害なども含まれますので、ご留意ください。

 

<パワーハラスメント>

パワ―ハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」を指します。

パワハラは内容によっては刑法などに触れる犯罪となります(名誉毀損罪、侮辱罪、暴行罪、傷害罪、強要罪など)。

また、会社には快適な職場環境を整える義務があることから、会社も責任を問われる場合があります。〔民法715条〕

さらに、社長以下取締役が責任を問われる裁判も増えています。〔会社法429条1項〕

 

2016.04.24.