労働安全衛生の記事

<面接指導実施の義務>

脳・心臓疾患の発症は、長時間労働との関連性が強いとされています。

そこで、労働者数などの事業規模とは関係なく、すべての事業者には、長時間労働の労働者に対して、医師による面接指導を行うことが義務付けられています。〔労働安全衛生法66条の8〕

事業者は、長時間労働などの要件に当てはまる労働者の健康状態を把握し、適切な措置を講じなければなりません。

また、労災認定された自殺には、長時間労働だった労働者も多いことから、この面接指導の際には、うつ病などのストレスが関係する精神疾患の発症を予防するために、メンタルヘルス面への配慮も必要となっています。

 

<対象者など>

事業者は、労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければなりません。

基本的には、対象となる労働者ご本人からの申出を受けて行うことになります。ただし、医師による面接指導の制度は、労働安全衛生法で定めたものですから、社内への周知が必要です。

また産業医のいる事業場では、産業医から該当する労働者に対して申出を行うよう勧奨することができます。〔労働安全衛生法施行規則52条の3〕

 

<面接指導実施後の措置>

面接指導を実施した労働者の健康保持のため、事業者が必要な措置について、医師の意見を聴かなければなりません。

医師の意見に基づいて事業者が実施すべき措置としては、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などがあります。

また、面接指導の結果は、記録を作成して5年間保存しなければなりません。

 

2017.05.13.解決社労士

<休憩室とは違う休養室>

休憩室は、従業員がリフレッシュするため日常的に使うスペースです。

しかし休養室は、従業員が急に体調をくずしたときに一時的に休ませ、場合によっては救急車が来るまで待たせておくための施設です。

 

<設置義務>

労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の規定に基づき、またこれらの規定を実施するため、労働安全衛生規則が定められています。

その618条には、次のように規定されています。

「事業者は、常時五十人以上又は常時女性三十人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」

このように、設置義務を負うのは男女合わせて50人以上、または、女性だけで30人以上の従業員がいる事業場に限られています。

 

<注意するポイント>

が床(臥床)とは横たわることですから、座って休めればよいというものではありません。基本的に、ベッドや布団が必要になります。

また、男女兼用ではダメで、男性用と女性用に区別して設置する必要があります。

従業員が少しずつ増えていき、いつの間にか50人を超えた場合、衛生管理者、衛生委員会、産業医、健康診断結果報告などは思いつくものの、休養室は忘れがちです。

 

<規則に違反した場合>

労働安全衛生規則そのものには罰則がありません。

しかし、休養室が設置されていなかったり、条件を満たしていなかったりした状態で、急病人が発生し対応が遅れることがあれば、会社が責任を問われることになります。

そうでなくても、労働基準監督署の監督などがあった場合には、指摘を受けてしまいますので、きちんと対応すべきです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

事業場の従業員が10名以上になった場合、50名以上になった場合など、節目の人数で会社が対応に追われることは多々あります。

計画的に対応できるよう、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.05.12.解決社労士

<職場の空気の量や換気についての規定>

労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の規定に基づき、また、これらの規定を実施するため、労働安全衛生規則が定められています。

これは、厚生労働省令の一つで、最近では平成28年11月30日に改正されています。

 

<空気の量についての規定>

労働者が室内で呼吸などに利用できる空気の量を気積(きせき)といいます。

その室内にキャビネットなどがあって、空間をふさいでいる部分の体積は、気積に含まれません。

また、天井が高く床面から4メートルを超える場合には、4メートルを超える高さにある空間も気積に含まれません。

こうして計算された気積は、労働者1人について10立方メートル(1万リットル)以上必要です。〔労働安全衛生規則600条〕

 

<換気についての規定>

換気が十分に行われる設備が整っていれば問題ないのですが、窓を開けて換気している場合には、直接外気に触れる部分の面積が、床面積の20分の1(5%)以上であることが必要です。〔労働安全衛生規則601条1項〕

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

事業場の従業員が50名以上であれば、資格を持った衛生管理者や産業医のチェックが入ります。

しかし小規模な事業場では、職場環境の最低基準を満たしていないケースも見られます。

一度、信頼できる社労士にチェックさせてはいかがでしょうか。

 

2017.05.11.解決社労士

<職場のトイレについての規定>

労働安全衛生法の規定に基づき、また規定の内容を実施するため、事務所衛生基準規則が定められています。

これは、厚生労働省令の一つで、最近では平成26年7月30日に改正されています。

トイレについては、事務所衛生基準規則第17条に規定があります。

 

<男性用と女性用の区別>

職場のトイレは、男女共用ではいけません。

男性用と女性用をそれぞれ設置する必要があります。

そのうえで、障害者やLGBTの方々に配慮した専用のトイレを設置することは望ましいことです。

 

<男性用小便器の数>

男性労働者30人以内ごとに1つ以上の割合で必要です。

その職場に所属する人数ということではありません。同時に就業する最大の人数が基準となります。

たとえば65人であれば、65人 ÷ 30人 = 2.17 の端数切り上げで3つ必要です。

 

<個室の数>

男性用は60人以内ごとに1つ以上の割合で必要です。

女性用は20人以内ごとに1つ以上の割合で必要です。

 

<その他>

流水で手を洗うための設備が必要です。

事業者には、トイレを清潔に保つ義務があります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

事業場の従業員が50名以上であれば、資格を持った衛生管理者や産業医のチェックが入ります。

しかし小規模な事業場では、職場環境の最低基準を満たしていないケースも見られます。

一度、信頼できる社労士にチェックさせてはいかがでしょうか。

 

2017.05.10.解決社労士

<新薬との違い>

医師の診断により、病院や調剤薬局などで処方される医療用医薬品は、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分けられます。

新薬はその開発に多額の費用と時間がかかるため、特許権が与えられ、その新薬を独占的に製造・販売することができます。

しかし、この特許権には特許期間が設けられていて、その特許期間が過ぎると、他の医薬品メーカーでも同じ有効成分の薬を製造することが許されます。

こうして、特許権を持っていたメーカーとは別のメーカーが製造するようになった薬がジェネリック医薬品です。                 

 

<効き目の違い>

ジェネリック医薬品は、新薬と同一の有効成分を含み、効き目や安全性が同等であると厚生労働省が承認した薬です。

しかも、ジェネリック医薬品は、医薬品メーカーによって薬を飲みやすい形や大きさに変えるなどの工夫がされています。

 

<価格の違い>

新薬の開発には、10年~15年程度の長い期間がかかり、数百億円もの費用が必要とされています。新薬の価格には、これが反映されています。

ところが、ジェネリック医薬品は、新薬の有効成分を利用して開発されるため、その分だけ、開発期間やコストを大幅に抑えることが可能となります。そのため、ジェネリック医薬品の価格を安く設定することができます。

ジェネリック医薬品は、新薬に比べ、3割から5割程度安くなる場合が多いです。

 

<注意したい点>

新薬と同じ成分のジェネリック医薬品が、まだ無いこともあります。

ジェネリック医薬品は、新薬に比べて、やや供給が不安定なこともあります。

この点を確認のうえ、ジェネリック医薬品を希望すれば、医療費を節約することができます。

 

2017.04.25.解決社労士

<原因の違いによる症状の違い>

食中毒の原因は、食中毒菌、ウイルス、化学物質などです。それぞれ種類が多く、食中毒の症状が出るまでの時間、日数は、この原因により異なります。短い場合には30分後ということもあり、長い場合には7日以上後ということもあります。

症状の違いは原因の違いによりますが、食中毒の一般的な症状としては、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、下痢、発熱です。これらの症状すべてが出るとは限らず、このうち1つか2つの場合もあります。

食中毒が疑われる場合には、ためらわずに医師の診察を受けましょう。脱水状態になってしまうなど症状が激しい場合には、救急車を呼ぶことも考えましょう。

 

<ウイルスによる場合>

 最近では特に、ノロウイルスとカンピロバクターによる食中毒が増えています。ノロウイルスでは症状が出るまでに24時間~48時間、カンピロバクターでは25日と潜伏期間がやや長いのが特徴です。

 

<すぐに症状が出る場合>

黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンなど、細菌が増殖する際に作られる毒素による食中毒では、飲食したあとすぐに症状が出ることもあります。毒素は加熱しても減りませんから注意が必要です。また、炎天下に置き去りにされた牛乳が冷蔵庫で冷やされ、臭いや味の変化に気づきにくい状態で飲まれ、激しい症状が出るケースもあります。

フグや毒キノコなどの自然毒による食中毒では、摂取してからすぐに嘔吐などを発症する可能性があります。また、自然毒の場合には、麻痺(まひ)などの神経症状が出ることもあります。

 

<アレルギー体質の場合>

アレルギー体質のかたは、ヒスタミンに弱いので注意が必要です。

マグロやカツオなどの赤身の魚にはヒスチジンが含まれます。これはアミノ酸の一種ですが、細菌によりヒスタミンに変えられます。

ヒスタミンを多量に含んだ赤身の魚を食べると、頭痛や発疹、発熱などの症状が出る場合があります。

 

2016.08.19.

<労働基準監督官の権限>

労働基準監督官は、労働基準法違反を是正するだけではありません。

労働安全衛生法を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、作業環境測定を行い、または検査に必要な限度で無償で製品、原材料、器具を持ち去ることができます。〔労働安全衛生法91条1項〕

ここで、作業環境測定というのは、温度、湿度、騒音、照度、一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度、チリの密度など、職場の客観的な労働環境を測定する検査のことをいいます。

 

<法違反に対する使用停止命令>

都道府県労働局長または労働基準監督署長は、事業者の講ずべき措置など労働安全衛生法の規定に違反する事実があるときは、その違反した事業者、注文者、機械等貸与者または建築物貸与者に対し、作業の全部または一部の停止、建設物等の全部または一部の使用の停止または変更その他労働災害を防止するため必要な事項を命ずることができます。〔労働安全衛生法98条1項〕

労働災害発生の差し迫った危険がある場合には、この他、必要な応急措置を講ずることを命ずることができます。〔労働安全衛生法99条1項〕

つまり、営業停止や労働者の職場への立ち入り禁止を命令できるのです。

 

<講習の指示>

都道府県労働局長は、労働災害が発生した場合には、その再発を防止するため必要があると認めるときは、その事業者に対し、期間を定めて、その労働災害が発生した事業場の総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、統括安全衛生責任者その他労働災害の防止のための業務に従事する者に都道府県労働局長の指定する者が行う講習を受けさせるよう指示することができます。〔労働安全衛生法99条の2第1項〕

なにより労働災害の発生防止に努めることが大切ですが、安全管理者や衛生管理者など法定の労働災害防止業務従事者をきちんと選任し、労働基準監督署長に選任報告書を提出しておくことも必要です。

 

2016.06.29.

<労働安全衛生法>

職場での労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的として、労働基準法の特別法である労働安全衛生法が定められています。

この法律は、事業者に、仕事が原因で労働者が事故に遭ったり、病気になったりしないようにする義務を定めています。

一方、労働者に対しては、労働災害を防止するために必要な事項を守り、事業者が行う措置に協力するように定めています。ただし、労働者がこれを行うのに必要な教育は、事業者が行わなければなりません。

 

<定期健康診断などの実施義務>

事業者は、労働者を雇い入れた際とその後年1回、医師による健康診断を行わなければなりません。労働者はその健康診断を受ける必要があります。〔労働安全衛生法66条〕

また、最近では仕事上のストレスによるうつ病など、労働者のメンタルヘルスも大きな問題となっており、快適な職場環境形成のためには、事業者が、作業方法の改善や疲労回復のための措置だけでなく、メンタルヘルス対策を行うことも重要となっています。

 

<労働者災害補償保険法>

労働者が仕事や通勤が原因で病気やけがをした場合には、労災保険給付の対象になります。

労災保険給付を受けるためには、病院や労働基準監督署に、各種の請求書を提出する必要があります。会社が被災労働者から災害の原因など必要な証明を求められたときは、速やかに証明をしなければなりません。

なお、仕事が原因の病気には、長期間にわたる長時間の業務による脳・心臓疾患や人の生命にかかわる事故への遭遇などを原因とする精神障害なども含まれますので、ご留意ください。

 

<パワーハラスメント>

パワ―ハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」を指します。

パワハラは内容によっては刑法などに触れる犯罪となります(名誉毀損罪、侮辱罪、暴行罪、傷害罪、強要罪など)。

また、会社には快適な職場環境を整える義務があることから、会社も責任を問われる場合があります。〔民法715条〕

さらに、社長以下取締役が責任を問われる裁判も増えています。〔会社法429条1項〕

 

2016.04.24.

<衛生委員会の設置義務>

事業者は業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生委員会を設置する義務を負っています。〔労働安全衛生法19条、施行令9条〕

事業場ごとですから、会社全体ではなく事務所や店舗ごとに設置します。

労働者が50人を上回ったり下回ったりの場合には、給与計算の締日ごとに集計して、年6か月以上で50人以上なら「常時50人以上」と考えるのが行政解釈です。

 

<委員会のメンバーは?>

その事業場の責任者、衛生管理者、産業医、その事業場の労働者で労働衛生に関する経験を有する者で構成されます。

衛生管理者は試験に合格しなければなれませんし、産業医は医師に限定されますので、事業場の労働者数が50人に近づいたら、前もって準備しておくことが必要です。

 

<その役割は?>

毎月1回以上委員会を開催して、労働者の健康障害防止対策、労働者の健康保持増進対策、労働災害の原因と再発防止などについて、労働衛生の面から調査・審議し、重要なものについては議事録を作成して、その内容を社内に周知します。委員会の内容で「重要なもの」だけ議事録に残せば良いのですが、定期健康診断の結果についての話し合いは、これに含まれるというのが行政解釈です。

議事録は3年間の保管義務があります。ここは労働基準監督署のチェックポイントですから重要です。

 

2016.03.04.

<救急箱を備える義務は?>

救急用具について「事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない」という定めがあります。〔労働安全衛生規則633条1項〕

会社はそれなりの救急用具を備え、従業員に使い方を指導する義務を負っているのです。

 

<必要な救急用具は?>

その内容についても「事業者は、前条第一項の救急用具及び材料として、少なくとも、次の品目を備えなければならない。 一、ほう帯材料、ピンセツト及び消毒薬 二、高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬 三、重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等」と定められています。〔労働安全衛生規則634条〕

つまり、どの職場にも最低限、包帯材料、ピンセット、消毒薬が必要です。

このうち、包帯材料はよく見るガーゼ付きの絆創膏でOKです。また、消毒薬も赤チンなどではなく、無色透明のシュッと吹き付けるタイプのものでかまいません。

これらを保管するには、やはり救急箱が手頃でしょう。

 

<管理もきちんと>

従業員の誰かが気を利かせたつもりで、救急箱の中に医師から処方された胃腸薬の使い残しを入れておいたとします。

これを他の従業員が勝手に服用すると、薬事法違反となりかねません。

ですから、救急箱は中身が不足しないよう、また清潔に保てるよう、担当者を決めてきちんと管理することが大事です。

 

2016.02.25.

<転倒災害の現状>

転倒災害は、いま最も多い労働災害で、しかも年々その割合が増えています。

長期の休業につながることも多いので、まずは転びにくい靴を選びましょう。

 

<サイズ>

小さすぎても大きすぎても踏ん張りがきかず、バランスを崩しやすくなります。

妥協しないで足にフィットする大きさの靴を選びましょう。

 

<屈曲性>

靴の底が硬くて曲がりにくいと、すり足になりやすく、つまずく原因となります。

かかととつま先を持ち、力を入れても曲がりにくい靴は避けましょう。

 

<重量>

重すぎると足が上がりにくくなり、つまずきやすくなります。

特につま先に重量が偏っていると、歩行中につま先が下がり、つまずきの原因となります。

 

<つま先の高さ>

つま先の高さが低いと、ちょっとした段差にも対応できません。

つま先の上がっている靴を選びましょう。

 

<靴底のすべりやすさ>

すべりやすい床では、すべりにくい靴底の靴が良いのは当然です。

しかし、こうした靴底は、特にすべりやすくない床では、摩擦が強くなりすぎてかえってつまずきの原因となります。

床の状態に合わせて選びましょう。

 

2016.02.03.