メンタルヘルスの記事

2021/12/22|1,422文字

 

パワハラの定義https://youtu.be/Mdh36sSuu2o

 

<男女平等>

かつての男尊女卑は否定され、憲法は平等権を保障しています。

 

日本国憲法第14条第1項:平等権

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

これを受けて、労働基準法は男女同一賃金の原則を定めています。

 

労働基準法第4条:男女同一賃金の原則

使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

 

さらに、男女雇用機会均等法は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図る」として、募集・採用における機会均等を保障し、配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職の勧奨、定年、解雇、労働契約の更新について、性別による差別を禁止しています。

 

<LGBTQの保護>

しかし、上記の男女平等の考え方は、男性と女性を峻別し、両者の平等をいうものであって、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー等の性的マイノリティ(少数者)   の存在を十分に踏まえたものではありません。

そこで、性的マイノリティを保護する必要性について、社会的に認識されるようになってきました。

かつてはLGBTと言われていたのですが、これらに含まれない性的マイノリティの保護も必要であることから、LGBTに分類されないこうした人たちをQで表し、LGBTQと言うことが多くなってきました。

 

<SOGIによる差別の禁止>

ところが、性的マイノリティと性的マジョリティ(多数者)を分断して対応することにも、疑問が生じてしまいます。

全体の何%未満ならマイノリティなのか、そうした比率を把握できるのかという問題があります。

そこで、SOGIという言葉が使われるようになりました。

SOはセクシャルオリエンテーションの略で、恋愛の対象は、男女どちらか、両方か、いないかという性的指向を意味します。

GIはジェンダーアイデンティティーの略で、自分の心の中の性別は、男女どちらか、不明かという性自認を意味します。

SOGIによる差別の禁止は、性別や少数者・多数者という分断をせずに、すべての人が保護の対象となります。

 

<国の考え方>

令和3(2021)年2月には、性同一性障害特例法により男性から女性に変更した看護助手が、ソジハラで精神障害を発生したとされ労災認定を受けました。

ソジハラは、SOGIハラスメントの略で、性的指向・性自認に関するハラスメントです。

ソジハラの内容は、戸籍上も女性となったにも拘らず、職場で男性のような名前で呼ばれていたというものです。

これに先立ち、大企業では令和2(2020)年6月から義務化された職場におけるパワハラ防止措置の実施に伴い、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)」が適用されています。

この中で、ソジハラがパワハラに該当すると明記されています。

 

<解決社労士の視点から>

押印廃止のように、政府の取組が民間に先行するものもあります。

ソジハラ対策もまた、これに含まれるでしょう。

社内で、SOGI、ソジハラについて周知できていない企業も多いのではないでしょうか。

思わぬことで、企業の責任が問われることにもなりかねません。

すべての企業で、SOGIハラスメント防止対策に取組んでいただきたいと思います。

2020/12/15|1,065文字

 

<弁護士のアドバイス>

うつ病で休職していた社員が復職する場合、弁護士に相談すると、負担の軽い部署に配置転換して復職させるようアドバイスされる傾向にあるようです。

これは、会社として何かしらの対策を取らないまま、ただ単純に元の部署に同じ仕事で復職させたのでは、会社が責任を問われかねないと考えるからです。

休職していた社員に配慮し、何かアクションを起こすことによって、会社の責任は軽減されると考えるわけです。

 

<社労士(社会保険労務士)のアドバイス>

ところが、同様のケースを社労士に相談すると、元の部署に復職させるようアドバイスされる傾向にあるようです。

これは、良く知った上司や同僚の中で慣れた仕事をする方が、別の仕事に移るよりも精神的な負担が軽いから、うつ病が再発しにくいと考えるからです。

うつ病が再発したり、悪化したりすれば、会社は責任を問われうるので、余計なアクションを起こさない方が、会社の責任は重くならないと考えるわけです。

 

<鳥取県米子市中学校教諭事件>(鳥取地裁平成16年3月30日判決)

うつ病で休職していた女性教諭が復職するに際して、中学校側が勤務の負担を軽減させる意図で、本校から分教室への配置転換を行いました。

この分教室は、県の設置する児童自立支援施設の中にあり、生徒数が少なく教諭2人で運営している小さな教室です。

この女性教諭は、「配置転換の当時、精神疾患、精神障害が完治しておらず、以前の勤務状況を続けるべきであったにもかかわらず、配転を受けた結果、精神的、肉体的苦痛を被ったもので、これは中学校長、米子市、鳥取県による不法行為であるから、損害賠償を請求する」として、鳥取地方裁判所に民事訴訟を提起しました。

その結果、「中学校長、米子市、鳥取県は各自33万円を女性教諭に支払うように」との判決が下されました。

 

<敗訴の原因>

この中学校長は、女性教諭本人と配置転換について相談していませんでした。

また、過去に分教室での生徒指導が負担となり、退職した女性講師がいたという事実を見落としていました。

さらに、専門医の意見を改めて確認することも怠っていました。

本当に女性教諭の事を考えるのであれば、第一に本人の考えを確認しておくべきでした。

ただ、職場の責任者が、うつ病で休職している人と会話することで、さらに病状を悪化させるリスクもありますから、できれば、専門医、弁護士、社労士などの第三者が間に入って話し合いを持つべきでした。

もし、職場にメンタルヘルス不調の従業員がいたら、なるべく早く信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/06/14|1,010文字

 

<ストレス軽減は企業の課題>

人手不足により一人ひとりの負担が大きくなる、新型コロナウイルスの影響で会社に責任の無いことで業績が左右されるなどの理由で、職場環境が厳しくなり、多くの人がストレスを強く感じるようになりました。

どんな時でも、ストレスを軽減するには、コミュニケーションを良好にして、快適な職場環境を整えることが大切です。

企業にとっても、従業員のストレスを軽減することは、生産性を向上させることにつながりますから、積極的に取り組む課題となっています。

 

<管理職の役割>

管理職の皆さんは、ストレスを抱えた部下を持つことによっても、ストレスを強く感じていることでしょう。

しかし管理職には、部下のプライバシーに配慮しながらも、部下の職務適性などを考慮して、ストレスを解消するための工夫と努力が求められています。

実際、快適な職場環境を作るのに管理職の果たす役割は大きいといえます。

 

<メンタルヘルス不調に気付くには>

部下のメンタルヘルス不調に気付くには、その人の「従来の行動様式からの小さな変化」に注目することが必要です。

余裕をもって出社していた部下が遅刻するようになった、朝の挨拶に元気がなくなった、身だしなみが乱れてきた、書類を探している姿が目立つようになった、一人ぼっちでいることが多くなったなどです。

この状態が続き、仕事の能率低下やミスが目立つようになったら、放置することはできません。

少しでも早く徴候に気付いて、ゆっくり話を聴くことが大切です。

 

<気持を聴く姿勢>

話を聴く場合、アドバイスするよりも、部下の気持を十分に聴くという姿勢が大事です。

話の中で、眠りにつけない、夜中に目覚める、食べられない、疲れが取れないなど体の不調を訴えたり、飲酒量や喫煙量が増えたという話が出てきたりしたら、心から心配していることを伝え、専門の医師や相談窓口への相談を勧めましょう。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

ストレスを抱えて悩んでいる人は、上司に言い出せないこともあります。

ましてや、ストレスの最大の原因が上司からのパワハラだと感じている人は、上司に相談できるわけがありません。

職場でのストレスの相談窓口に、信頼できる社労士を利用してはいかがでしょうか。

労働法の解釈や、会社の対応の誤解によって、ストレスをためこんでしまう従業員も多いものです。

こんなとき、社労士ならストレスが小さいうちに対応することができるでしょう。

 

解決社労士

2019/12/25|1,679文字

 

<ストレスチェック制度が導入されて>

企業には健康診断の実施が義務付けられています。

しかし、従業員の皆さんは「健康診断さえ受けていれば安心」ではありません。

ひとり一人が健康に関心を持ち、それなりの対応をする必要があります。

同じことがストレスチェック制度にもいえます。

「労働安全衛生法」という法律が改正されて、労働者が50 人以上いる事業所では、平成27(2015)12 月から、毎年1回、この検査を実施することが義務付けられました。

これとは別に、ひとり一人が心の健康に関心を持ち、ストレスをためない暮らしかたを心がける必要があります。

 

<ストレスをためない暮らし方>

ストレスと上手につきあうには、まず毎日の生活習慣を整えることが大切です。

バランスの取れた食事や良質な睡眠、適度な運動の習慣を維持することが、健康の基礎固めになります。

「7時間眠らなければダメ」など、自分を追い込むような考え方はやめましょう。

睡眠は、その日の過ごし方などによって、深い日もあれば、浅い日もあります。

たとえ眠れない夜があっても、そのことにこだわらなければ大丈夫です。

翌日にはその分だけ眠りが深くなるものです。

1日単位ではなく、1週間、1か月単位で良質な睡眠を心がけましょう。

食事についても、食べ過ぎた後は量を少し控え目にするとか、普段食べないものを食べてみるなどは自然に行えるものです。

また、週に1回激しい運動をするよりも、毎日やや急ぎ足で散歩したほうが効果を期待できます。

 

<ストレスが少したまったら>

ストレスが少したまったときの対策として、日常生活の中にリラックスできる時間をもつことも大切でしょう。

ぼんやりと景色を眺める、ゆったりお風呂に入る、軽くストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをやってみましょう。

お酒を飲んでつらさを紛らわせようとするのは、睡眠の質を低下させ、こころの病気を引き寄せます。

実際、ストレスがたまるとお酒の量が増えるということがあります。

お酒以外の方法でストレスを和らげるようにして、お酒の量を元に戻したいものです。

 

<柔軟に考える>

「7時間眠らなければダメ」など、自分をしばるような考え方をしていると、うまくいかなかったときに強いストレスを感じてしまいます。

困ったことに、私たちはストレスを感じているときほど、物事を固定的に考えて、さらにストレスを発生させてしまっていることがあります。

こうしたことから抜け出すためには、「できたこと」に注意を向けるのがお勧めです。「7時間睡眠」を心がけて、6時間だったら「まずまずの達成率!」と思うことです。

また、何かを失ったストレスから抜け出すには、「残されたもの」に注意を向けることです。

大切なものを失うストレスは大きいものです。

しかし、それと引き換えに、思い出や教訓、自由な時間など、残されたものは決して少なくないはずです。

 

<さらにストレスがたまったら>

誰かに相談してみましょう。

これは、特に男性にお勧めです。

女性は、誰かにグチを言ったり話を聴いてもらったりということが上手です。

これに対して、男性は他人に弱みを見せるのがイヤで、話さないことが多いようです。

しかし、誰かに話すことで問題点が整理され、自分の中で解決策が見つかることもあります。

相談に乗ってもらえたという安心感も、気持ちを落ち着かせるでしょう。

友人、家族、同僚、地域や趣味の仲間など、日頃から気軽に話せる人を増やしておきたいものです。

 

<専門家への相談>

何らかの症状が続くときは、早めに専門家に相談しましょう。

医師やカウンセラーなどの専門家や、地域の精神保健福祉センター、保健所、自治体の相談所など、相談できる専門家はたくさんいます。

もし会社の中に、症状が重くて仕事をするのも大変な人がいたら、医師だけでなく労務管理の専門家である社労士(社会保険労務士)にもご相談ください。

気になる症状をもった社員がいたら、異動、休職、復帰、あるいは退職についても、早めの検討が必要になるでしょう。

そんなとき、信頼できる社労士がお役に立ちます。

 

解決社労士

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