労働時間の基本用語

2022/01/09|1,442文字

 

統計調査などによっては、異なる意味で使用されることもありますが、基本的なものをまとめてみました。

 

<常用労働者>

次のうちいずれかに該当する労働者のこと。

(1) 期間を定めずに雇われている者。

(2)  1か月以上の期間を定めて雇われている者。

つまり、1か月未満の期間を定めて雇われている者は、常用労働者ではない。

 

<パートタイム労働者>

「常用労働者」のうち次のいずれかに該当する労働者のこと。

職場により基準が異なる。

(1) 1日の所定労働時間が一般の労働者よりも短い者。

(2) 1日の所定労働時間が一般の労働者と同じで1週の所定労働日数が一般の労働者よりも少ない者。

 

<一般の労働者>

「常用労働者」のうち「パートタイム労働者」を除いた労働者のこと。

原則として、正社員のように1日の所定労働時間が最も長く、1週の所定労働日数が最も多い者。

職場により基準が異なる。一般労働者とも言う。

 

<所定内労働時間数>

事業所の就業規則や労働契約で定められた、正規の始業時刻と終業時刻との間の実労働時間数のこと。休憩時間は差し引かれる。

所定労働時間とも言う。

統計資料では、労働者によって異なる場合に、最も多くの労働者に適用されるものを、その企業の所定内労働時間数としている。変形労働時間制が採用されている場合には、期間内の平均をその企業の所定内労働時間数としている。

 

<所定外労働時間数>

早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等の実労働時間数のこと。

 

<総実労働時間数>

「所定内労働時間数」と「所定外労働時間数」の合計。

 

<変形労働時間制>

週40時間、1日8時間の労働時間の原則に対して、一定の期間内で例外を認める制度。

1年単位の変形労働時間制、1か月単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制、フレックスタイム制がある。

 

<みなし労働時間制>

特定の事情により、労働時間の算定が困難であったり、通常と同じ算定方法が適切でなかったりする場合に、労使協定等により定めた時間を労働したものとみなす制度。

事業場外みなし労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制がある。

 

<事業場外みなし労働時間制>

営業社員など、事業場外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮・監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務を遂行する場合に、所定労働時間、または労使協定等により通常必要とされる時間を労働したものとみなす制度。

 

<専門業務型裁量労働制>

研究開発など、その業務の性質上その遂行の方法や時間配分の決定等に関し具体的な指示をすることが困難として法定されている業務に就かせた場合に、あらかじめ定めた時間労働したものとみなすことを労使協定により定める制度。

 

<企画業務型裁量労働制>

事業運営に関する企画、立案、調査、分析の業務を行うホワイトカラー労働者を対象として、労使委員会で決議した時間労働したものとみなす制度。

導入には、労使委員会で5分の4以上の多数による決議が必要であり、また、対象労働者本人の同意が必要。

 

<勤務間インターバル>

実際の終業時刻から次の始業時刻までの間隔。

これを一定時間以上空ける制度を、勤務間インターバル制度という。

 

<時間外労働>

法定労働時間(原則、1日8時間、1週40時間)を超えて労働させることをいう。

時間外労働の割増賃金も、法定労働時間を超える部分について発生する。

 

厄介なことに、法令の用語と統計での用語が異なったり意味が違っていたりします。

注意して使い分けましょう。

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