創業の精神と経営理念(目的意識)

2023/10/02|1,038文字

 

<経営者の立場>

創業者であればもちろん、そうでなくても経営者であれば、今後の会社をどうすべきか、今抱えている課題をどのように解決したら良いのか、365日、24時間思いを巡らせ悩んでいるのは当たり前です。

その一方で従業員たちは、残業手当がどうだとか、休暇が取れないとか、賞与の金額が他社に比べて少ないとか、好き勝手なことを言っています。

経営者からすると、どうしてみんな自分と同レベルで頑張っていないのか、特に若い頃の自分と、若手社員の現実の姿の差にがく然としてしまいます。

 

<目的意識の差>

こうした態度の差をもたらしているのは、まさに目的意識の違いでしょう。

経営者は会社と従業員、その家族までを支えなければなりません。

ところが、従業員はともすると「給料分だけ働こう」という気持ちになってしまいます。

実際には、すべての社員が給料分しか働かなければ、会社の発展どころか存続すら危ういのですが。

 

<創業の精神>

創業の精神というのは、「なぜその事業を始めたのか」という事業開始の目的意識を言葉にしたものです。

どの会社でも、事業を始めるにあたっては、創業者が多大なリスクを冒し、大変な努力をしています。

そのときの思いを集約したのが、創業の精神なのです。

この創業の精神は、すべての社員に浸透させなければなりません。

そうしなければ、今なぜこの会社があるのか、その存在意義すらあやふやになってしまうからです。

 

<経営理念>

経営理念というのは、「どうやって利益を出すか」を言葉にしたものです。

どの会社にも、様々な方針があります。

明確に文書化されたものや、なんとなく共有されているものまで、相当な数に及びます。

その中でも、会社がどうやって営利を追求するかという態度を示したものが経営理念です。

この経営理念が、お客様やお取引先に受け入れられないような内容であれば、会社は社会性を失い存続できなくなります。

この経営理念も、すべての社員に浸透させなければなりません。

そうしなければ、今なぜこの仕事をしているのか、その目的すらあやふやになってしまうからです。

 

<創業の精神と経営理念の見える化>

創業の精神や経営理念の中であやふやになっている部分は、文書化して明確にしておくべきです。

会社は就業規則の周知を義務付けられていますが、実はそれ以上に、創業の精神と経営理念を周知する必要に迫られていると考えます。

就業規則ファイルには、創業の精神、経営理念、就業規則、労使協定の順に並んでいるのが望ましいと思います。

 

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