目的意識が生産性を向上させる

2023/09/29|1,087文字

 

<目的意識とは>

「なぜするのか」という意識を持ち続けることが目的意識です。

ここから派生して「なぜこの時間にやるのか」「なぜここでやるのか」「なぜこの人がやるのか」「なぜこれがあるのか」「なぜこの方法でするのか」なども目的意識に含まれます。

 

<裏から見た目的意識>

裏を返せば、「これをしなかったらどうなるのか」という意識を持ち続けることも、一種の目的意識です。

ここから派生して「別の時間にやったらどうか」「別の場所でやったらどうか」「別の人がやったらどうか」「これが無かったらどうか」「他にどんな方法があるか」なども裏から見た目的意識です。

 

<生産性とは>

生産性とは、投入量と産出量の比率をいいます。

計算式であらわすと 生産性 = 産出量 ÷ 投入量 となります。

会社は営利を追求していますから、基本的には生産性を高めたいわけです。

働き方改革も生産性の向上を目指していると言われます。

しかし、我々働き方改革研究会のメンバーで話し合った結果、生産性向上はそれ自体を目指すべきではなく、結果として達成できるものであるという結論に達しました。

 

<生産性ゼロの仕事>

生産性ゼロの仕事として、次のようなものが想定されます。

10年以上にわたって、各部門から人事部門に月次データが送られています。

ある時、一人の人事担当者が別の部門に異動になり、月次データの作成を指示されました。

「ああ、このデータってシステムが変わったからもう使っていないんだよね」と言ったのです。

多大な人件費のムダと、人事部門の連絡ミスが明らかになりました。

実は、こうした事例は数多く見られます。

経営陣は生産性の停滞に悩んでいるのに、現場レベルでは要らない仕事が習慣的に続けられているという事例です。

たしかに人事部門が「このデータはもう要りません」としっかり伝えなかったのが敗因です。

しかし、ある部門の担当者が「このデータのここは省略してもいいのでは?」などと人事部門に問合せをしていれば、もっと早く無駄に気付いたことでしょう。

結局、人事部門だけが悪いのではなく、社員ひとり一人に目的意識が欠けていたことの結果です。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

開業社労士は、会社にとっては部外者です。

岡目八目と言われるように、会社内部の問題点を見つけやすい立場にあります。

しかも労務管理の専門家ですから、適法の範囲内で、生産性向上についてのアドバイスや提案をすることができます。

最低賃金の上昇や、定着率の低下で、何としても生産性を向上させなければならない経営者の方は、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

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