生理休暇を濫用する女子社員の評価を下げたい

LINEで送る

<生理休暇の権利>

​生理休暇は女性労働者の権利です。

労働基準法に「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」という規定があります。〔労働基準法68条〕

これに違反した使用者に対しては、30万円以下の罰金という規定もあります。〔労働基準法120条1号〕

 

<権利濫用の禁止>

しかし、権利である以上、濫用は許されません。

国民は、基本的人権を濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うものとされています。〔日本国憲法12条〕

ここで、「公共の福祉」というのは、自分の権利と他人の権利との調整をいいます。

労働基準法の生理休暇の規定にも「著しく困難」ということばがあり、これが「公共の福祉」の原理を示しています。つまり、生理なら休めるのではなくて、生理が重くてとても仕事どころではない場合に休めるわけです。

 

<実態としては>

特定の女性社員だけが、生理休暇を多くとるという現象があります。

体質により、あるいは婦人科の病気を抱えていて、生理が特につらいということもあるでしょう。

しかし、業務に支障が出たり、女性の当然の権利だから別に遠慮は要らないのだという態度だと、男性からも女性からも不満が出てきます。

 

<生理休暇の制限>

生理休暇は半日でも、時間単位でもとれますが、使用者の側からこれを強制することはできません。

また使用者は、医師の診断書など特別な証明を求めることができません。

ただ、生理休暇を有給にするか無給にするかは、労使の協議に任されていますので、就業規則で無給と規定することは可能です。

さらに、偶発的なことではありますが、女性上司がお見舞いに行ったら不在で、翌日に確認したら「入院していた」と言っていたが、その事実はなく、遊びに行っていたことが判明したというケースでは、事前事後のウソの報告があるわけですから、懲戒処分の対象ともなりえます。

 

<結論として>

生理休暇をとった事実で、昇格、昇給、賞与支給にあたっての評価を下げることはできません。

しかし目標管理制度で、結果的に目標達成率が低かった場合には、低い評価を与えても問題はありません。

その他の人事考課基準でも、生理休暇の回数とは関係なく、会社への貢献度や個人の業績が客観的に劣っていたのなら、評価が下がるのは評価制度の正しい運用だといえます。

こうしたことから、生理休暇の濫用ばかりにとらわれることなく、適正な評価制度の正しい運用こそ、望ましい解決策だといえるでしょう。

 

2016.05.30.