少子高齢化の記事

2021/11/11|754文字

 

<出産手当金>

健康保険に入っている人が、出産のために仕事を休み普通に給料がもらえないときに、申請によって支給される給付金です。

まず、被保険者の出産であることが必要です。

被保険者とは保険料を負担している人で、扶養家族は対象外となります。

また、妊娠85日以上での出産であることが必要です。

流産や死産、人工妊娠中絶も含みます。

法律上は、4か月以上となっていますが、妊娠については1か月28日で計算しますし、3か月を1日でも超えれば4か月以上と考えますので、28 × 3 + 1 = 85 という計算により、実際の運用は妊娠85日以上で行われています。

さらに、給料の支払が無いか、出産手当金の金額より少ないことが条件です。

 

<支給金額>

1日あたりの支給額は次の計算式で示されます。

1日あたりの金額 =(支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷ 30日 × 2/3

数年前に法改正があって、このように「標準報酬月額を平均した額」になりました。

平成28(2016)年3月31日までの支給金額は、もっと簡単で、次の計算式で求められました。

1日あたりの金額 =(休んだ日の標準報酬月額)÷ 30日 × 2/3

前産後休業中に標準報酬月額が変わると、出産手当金の金額も変わってしまったわけです。

 

<解決社労士の視点から>

出産にあたってもらえる給付金には、「出産育児一時金」もあります。

こちらの方は、被保険者だけでなく扶養家族の出産にも支給されます。

扶養している妻だけでなく、扶養に入っている未婚の娘が出産した場合などにも支給されます。

少子化対策で、出産をめぐる健康保険の給付は法改正による充実が進んでいます。

「○○さんのときはこうだった」というのではなく、最新の情報を確認して手続を進めたいものです。

2021/09/10|2,240文字

 

<令和4年度概算要求>

令和3年8月31日、厚生労働省は令和4年度厚生労働省所管予算概算要求の概要等を公表しました。

新型コロナウイルス感染症から国民の命・暮らし・雇用を守る万全の対応を引き続き行うとともに、感染症を克服し、ポストコロナの新たな仕組みの構築、少子化対策、デジタル化、力強い成長の推進を図ることにより、一人ひとりが豊かさを実感できる社会を実現するため、以下を柱に重点的な要求を行うものとしています。

●新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靱な保健・医療・介護の構築

●ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現

●子どもを産み育てやすい社会の実現

●安心して暮らせる社会の構築

 

<新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靱な保健・医療・介護の構築>

○新型コロナ克服の保健・医療等体制の確保 新型コロナから国民を守る医療等提供体制の確保

 PCR検査等の検査体制の確保

 保健所・検疫所等の機能強化

 ワクチン接種体制の構築

 医療用物資等の確保・備蓄等

 

○ワクチン・治療薬等の研究開発の推進等

 ワクチンの研究開発・生産体制の戦略的な強化

 治療薬の研究開発・実用化の支援

 

○地域包括ケアシステムの構築、データヘルス改革等

 地域医療構想・医師偏在対策・医療従事者の働き方改革の推進

 自立支援・重度化防止、認知症施策の推進、介護の受け皿整備・介護⼈材の確保の推進

 予防・重症化予防・健康づくり、データヘルス改革の推進

 

ここで、「データヘルス改革」というのは、保健医療サービスを国民が効率的に受けられる環境の構築を目的として、ICTを活用した健康管理・診療サービスの提供や、健康・医療・介護領域のビッグデータを集約したプラットフォームを構築していく厚生労働省の戦略のことを指します。

 

<ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現>

○雇用維持・労働移動・人材育成 雇用の維持・在籍型出向の取組への支援

 女性・非正規雇用労働者へのマッチングやステップアップ支援、新規学卒者等への就職支援

 デジタル化の推進、人手不足分野への労働移動の推進

 

○多様な人材の活躍促進

 女性活躍・男性の育休取得促進

 就職氷河期世代の活躍支援

 高齢者の就労・社会参加の促進

 障害者の就労促進、外国⼈の支援

 

○働きやすい職場づくり

 良質なテレワークの導入促進

 最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等の推進、同⼀労働同一賃金など公正な待遇の確保

 総合的なハラスメント対策の推進

 

「働きやすい職場づくり」の項目の中に「最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等の推進」とあります。

つまり、生産性向上等により、企業に余力が発生したのを受けて、最低賃金・賃金の引上げが行われるという本来の姿が示されています。

現実には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、企業の体力が低下しているこの時期に、最低賃金の大幅アップが行われます。

これによって、業種によっては、雇用の維持・推進が困難になることが懸念されます。

 

<子どもを産み育てやすい社会の実現>

○子育て家庭や女性の包括支援体制 母子保健と児童福祉の⼀体的な支援体制の構築

 ヤングケアラー等への支援

 困難な問題を抱える女性への支援

 生涯にわたる女性の健康の包括的支援

 

○児童虐待防止・社会的養育の推進、ひとり親家庭等の自立支援

 地域における見守り体制の強化

 里親委託の推進や施設退所者等の自立支援

 ひとり親家庭等への就業支援を中心とした総合的支援

 

○不妊症・不育症の総合的支援

 不妊治療の保険適用

 不妊治療と仕事の両立支援

 

○総合的な子育て支援

 「新子育て安心プラン」等に基づく受け皿整備

 保育人材確保のための総合的な取組

 

「子育て家庭や女性の包括支援体制」の項目の中の「ヤングケアラー」は、法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを、日常的に行っている18歳未満の子どもとされています。

社会的養護が必要な子どもを、児童福祉法に基づき行政から委託を受けて、家庭に一時的に預かり育てるのが「里親」です。貧困や虐待、実親の病気など、実家庭で生活できない子どもは現在全国に5万人近くいます。

 

<安心して暮らせる社会の構築>

○地域共生社会の実現等 相談支援、参加支援、地域づくりの⼀体的実施による重層的支援

 生活困窮者自立支援、ひきこもり支援、自殺対策、孤独・孤立対策

 成年後見制度の利用促進

 

○障害児・者支援等

 医療的ケア児への支援の拡充

 依存症対策の推進

 

○水道、戦没者遺骨収集、年金、被災地支援等

 水道の基盤強化

 戦没者遺骨収集等の推進

 安心できる年金制度の確立

 被災地における心のケア支援、福祉・介護提供体制の確保

 

「医療的ケア児」は、医療的ケアを必要とする子どものことです。

医学の進歩を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な子どもの数は、全国で2万人を超えています。

 

<解決社労士の視点から>

4つの重点要求のうち、企業と最も関わりが深いのは少子化対策です。

令和4年4月と10月にも、育児休業に関する法改正が控えています。

コロナの影響もあって、少子化対策は、より強力に継続されることが想定されます。

今後、法改正や市場動向の変化に取り残されないよう注意する必要があります。

2021/09/01|931文字

 

<雇用保険法施行規則の一部改正>

雇用保険法施行規則の「育児休業給付金におけるみなし被保険者期間の算定方法の見直しに関する規定」が改正されました。

これにより、雇用保険の育児休業給付金の被保険者期間の要件が、9月1日から一部変更となりました。

これまで要件を満たさなかった場合でも、支給の対象となる可能性があります。

特に、勤務開始後1年程度で産休に入った従業員などは対象となる可能性があります。

 

<原則のみなし被保険者期間>

育児休業開始日を起算点として、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上ある完全月が12か月以上あることが原則の要件です。

これまでは、この要件を満たさないと育児休業給付金を受けられませんでした。

 

<不都合な点>

女性従業員が育児休業をする場合、育児休業前に産前産後休業を取得しているのが一般的です。

ですから、1年程度勤務した後、産前休業を開始したようなケースでは、出産日に応じて育児休業開始日が定まることから、そのタイミングによってはみなし被保険者期間の要件を満たさない場合がありました。

 

<新たに認められたみなし被保険者期間>

今回の規則の改正により、原則のみなし被保険者期間の要件を満たしていない場合でも、産前休業開始日等を起算点として、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上ある完全月が12か月以上ある場合には、被保険者期間要件を満たすこととされました。

 

<留意点>

育児休業開始日が令和3年9月1日以降の雇用保険被保険者が対象です。

賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上の月が12か月無い場合でも、完全月で賃金支払基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として算定します。

産前休業を申し出なかったため、産前休業を開始する日前に子を出生した場合は「子を出生した日の翌日」、産前休業を開始する日前にその休業に先行する母性保護のための休業をした場合は「先行する休業を開始した日」を起算点とします。

 

<解決社労士の視点から>

従来のみなし被保険者期間では、育児休業給付金の受給要件を満たしていない場合でも、新たに認められたみなし被保険者期間で要件を満たしていないかを確認し、手続漏れが発生しないように注意しましょう。

2021/08/17|1,028文字

 

<休職期間中の産前休業>

産前休業について、労働基準法は次のように規定しています。

 

【労働基準法第65条第1項:産前休業】

使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

 

このように、産前休業は法定された休業ですが、妊娠中の女性からの請求を待って発生するものです。

ですから、何らかの事情により、本人から産前休業の請求が無いまま休職期間が満了すれば、自動退職(自然退職)となることもあるわけです。

しかし、一般には本人からの請求があって、休職期間中に産前休業が開始されることになります。

この場合には、法定の制度である産前休業が、会社の制度である休職に優先して適用されます。

つまり、休職期間の満了をもって自動退職(自然退職)とはなりません。

むしろ、産休の期間とその後30日間は解雇が制限されます。〔労働基準法第19条本文〕

 

<休職期間中の産後休業>

産後休業について、労働基準法は次のように規定しています。

 

【労働基準法第65条第2項:産後休業】

使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

 

このように、産後休業は産前休業と同様に法定された休業ですが、出産した女性からの請求を待たずに当然に発生するものです。

ですから、休職期間中に産後休業が開始された場合には、法定の制度である産後休業が、会社の制度である休職に優先して適用されます。

つまり、休職期間の満了をもって自動退職(自然退職)とはなりません。

やはり、産休の期間とその後30日間は解雇が制限されます。〔労働基準法第19条本文〕

 

<解決社労士の視点から>

休職に優先して産休が適用されることによって、残っていた休職期間がどうなるのか、法令には規定がありません。

これについては、各企業の就業規則に任されていることになります。

産休や育休が終了してから、休職期間の残された期間が進行する、期間がリセットされ改めて休職期間がスタートするなど、就業規則に定めることになります。

休職期間が短縮されたり終了したりというのは、産休や育休の取得による不利益取扱ですから許されません。

休職中の産休はレアケースですが、産休を取得する社員が多い職場では、予め就業規則に規定しておいてはいかがでしょうか。

2021/08/12|809文字

 

社会保険料の免除、健康保険の出産手当金や出産育児一時金の請求、会社からの出産祝金の支給、雇用保険の育児休業給付の請求などの手続的なことは、夫婦それぞれの勤務先に出産予定日と実際の出産日を伝えれば、滞りなく行われるはずです。

こうしたこととは別に、夫には夫の役割があります。

どうぞ以下のことを参考にして準備を進めてください。

 

<出産前の準備>

・より多くの時間、妻に付き添えるよう、休暇取得などの準備を整えておきましょう。なかなか年次有給休暇を取得できない職場であっても、この時ばかりは何とかしてもらいたいものです。

・夫婦それぞれの実家など連絡先を確認し、事前の連絡をしておきます。

・生まれてくる赤ちゃんのことばかり気にかけていると、上の子が孤独を感じて不安になってしまいます。しっかりフォローしましょう。

・陣痛が起こったら、腰をさすったり、楽な姿勢をとらせたり配慮しましょう。

・水分を補給するための飲み物や、消化の良い食物も用意しておきましょう。

・妻がリラックスできるよう、環境を整えたり会話をしたりしましょう。

 

<赤ちゃんが生まれたら>

・妻には感謝とねぎらいの気持を伝えましょう。

・夫婦それぞれの実家など、必要な連絡先に知らせましょう。

・出産と同時に、注目の的が妻から赤ちゃんに移ります。妻が寂しい気持にならないよう、積極的に会話しましょう。欲しい物、して欲しいことなどは、できるだけ対応しましょう。

・上の子は、赤ちゃんばかりが可愛がられて焼きもちを焼くことがあります。しっかりフォローしましょう。

・妻と話し合って赤ちゃんの名前を決めます。そのためにも、できるだけ面会に行くようにしましょう。

 

<退院の準備>

・自宅の掃除など、赤ちゃんを迎える準備を整えておきます。

・退院時に入院費用の精算がありますので、その準備をします。

・退院時の荷物の整理は、妻の指示に従う形で行いましょう。

・荷物を持つことや、車の手配もお忘れなく。

2021/07/20|842文字

 

<法令等の周知義務>

就業規則の周知義務は広く知られていますが、労働基準法についても同様に周知義務が定められています。〔労働基準法第106条第1項〕

この他、労働安全衛生法第101条第1項、じん肺法第35条の2、最低賃金法第8条にも、それぞれの法令の周知義務が規定されています。

 

<育児休業の周知義務>

現行法では、事業主が労働者本人またはその配偶者の妊娠・出産を知ったときに、育児休業等に関する制度(法令や就業規則に基づく内容)を個別に周知することが努力義務とされています。〔育児介護休業法第21条第1項〕

これが、法改正によって、令和4(2022)年4月1日からは、育児休業等に関する制度を個別に周知することが法的義務となります。〔改正法第21条〕

さらに、育児休業等の取得の意向を確認するための面談等の措置を講じることも、事業主の法的義務となります。

法改正後は、出産する女性従業員だけでなく、配偶者が出産する男性従業員に対しても周知義務を負うことになります。

法改正を知らずに、育児休業の説明を受けた男性従業員は、不安を感じるかもしれません。

来年の4月からは、法改正によって男性従業員にも育児休業制度の説明が行われ、育児休業取得の打診が行われるようになる旨、全社に向けて予め説明しておく必要があるでしょう。

 

<雇用環境整備義務>

法改正によって、周知だけでなく、育児休業を取得しやすい雇用環境を整えるため、事業主には以下の措置のいずれかを講じることが義務付けられるようになります。

・育児休業に係る研修の実施

・育児休業に関する相談体制の整備

・その他省令で定める育児休業に係る雇用環境の整備に関する措置

 

<解決社労士の視点から>

直近では、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、出生率の低下が顕著となる見込みです。

このこともあって、政府による強力な少子化対策は、これからも継続されることでしょう。

企業としては、就業規則の変更に留まらず、社内体制の整備、従業員への周知を積極的に推進する必要があるのです。

2021/06/20|1,545文字

 

<育児・介護休業法の改正>

育児・介護休業法が改正されました。

令和4(2022)年4月1日から段階的に施行されます。

「えっ?また?!」という反応は正常たと思います。

知ってる。知ってる」と思っていたら、過去の法改正だったなんていうことが多いのです。

しかもこの手の法改正は、会社の規模には関係ありません。

知らないうちに会社がブラック化していく要因の筆頭に数えられると思います。

 

<男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設>(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

改正法施行後は、現行の制度に加えて、新制度による育児休業の取得が可能となります。

 

 

新制度(現行制度とは別に取得可能)

対象期間と取得可能日数 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
申出期限 原則休業の2週間前まで
分割取得 分割して2回取得可能
休業中の就業 労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能

 

申出期限は、原則として休業の2週間前までとなっていますが、職場環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取組の実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができます。

休業中の就業について、労使協定を交わす場合の具体的な手続の流れは、次の1.~3.のとおりです。

1.労働者が就業してもよい場合は事業主にその条件を申出

2.事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示

3.労働者が同意した範囲で就業

なお、就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)を厚生労働省令で定める予定です。

 

<育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け>(施行日:令和4年4月1日)

育児休業を取得しやすい雇用環境の整備(研修、相談窓口設置等)の具体的内容については、複数の選択肢からいずれかを選択して措置することになる予定ですので、就業規則に「法令の定めによる」などと規定されている場合には、内容を確定する規定を置く必要があります。

妊娠・出産(本人または配偶者)の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置についても、省令によって、面談での制度説明、書面による制度の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択して措置することになる予定ですので、同様のことが言えます。

なお、妊娠・出産(本人または配偶者)の申出をした労働者に対する休業取得意向の確認は、事業主が労働者に対し、育児休業の取得を控えさせるような形での実施を認めない予定です。

 

<育児休業の分割取得>(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

育児休業(新制度除く)を分割して2回まで取得可能となります。

また、保育所に入所できない等の理由により1歳以降に延長する場合には、開始日を柔軟化することで、各期間途中でも夫婦交代が可能(途中から取得可能)となります。

 

<有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和>(施行日:令和4年4月1日)

「引続き雇用された期間が1年以上」の要件が廃止され、「1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない」という要件のみになります。

ただし、引続き雇用された期間が1年未満の労働者は、労使協定の締結により除外することが可能です。

 

<育児休業の取得の状況の公表の義務付け>(施行日:令和5年4月1日)

従業員数1,000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を公表することが義務付けられます。

 

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、出生数の一時的な落ち込みが確実です。

今後とも、少子化対策が強力かつ継続的に行われることでしょう。

2021/05/05|760文字

 
YouTube中小企業の働き方改革https://youtu.be/tcSEOgHTnBM

 

<働き方改革の背景>

政府は少子高齢化対策や働き方改革を推進しています。

働き手が減少し、日本の活力が失われることを心配しています。

日本の立場が弱くなれば、新型コロナウイルスワクチンの供給が後回しにされたり、諸外国から領土を侵犯されたりするリスクが大きくなります。

企業のレベルで見れば、慢性的な人手不足と売上減少ということになります。

 

<企業に求められる努力>

各企業には、次のような努力が求められています。

・若者の賃金水準を上げて、結婚・出産・育児ができるようにする。

・限定正社員(多様な正社員)やテレワークなど柔軟な働き方の仕組を導入し、子育てしやすく、高齢者が働きやすくする。

・正社員と非正規社員とを形式的に区分して処遇に差を設けるのではなく、賃金だけでなく福利厚生などを含めた処遇の均等を図る。

 

<中小企業の働き方改革>

採用対象者を、30歳以下の正社員などに限定せず、別の年代、障害者、外国人などに広げ、非正規社員、テレワーク、請負なども視野に入れたいところです。

また、お金をかけずに働き甲斐と働きやすさを向上させたり、求人でうまくアピールする工夫をするなど、知恵を絞ることが必要です。

働き甲斐のポイントは、参加意識、成長できる仕組み、適正な人事評価、公正に競争できる環境です。

働きやすさのポイントは、コミュニケーション、社内ルール作り、法令順守です。

法令に「権利」として規定されていることを、「うちの会社では無理」と言ってしまったら、普通の従業員は去っていきます。

 

 <解決社労士の視点から>

労働者のひとり一人から、働く上での不満や疑問を聞いてとりまとめ、法的観点と実務的観点から改善案を策定しスケジュール化するのが近道です。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

2021/05/02|1,168文字

 
YouTube就業規則がまもれないhttps://youtu.be/wePPDqqRX60

 

<知られざる就業規則>

「就業規則の内容を従業員に知られてしまうと権利を主張される」というような理由で、就業規則のファイルを見つからない所に保管している会社もあります。

しかし、就業規則を周知しないのは労働基準法違反ですし、周知しない就業規則というのは、たとえ所轄の労働基準監督署長への届出をしてあっても効力が無いのです。

そのため、会社から従業員に対して就業規則上の義務を果たすように求めることができませんし、不都合な行為に対してペナルティーを科すこともできないのです。

それでいて、就業規則が無くても、労働者に保障された法的な権利は、従業員から主張されたら会社は拒否できません。

 

<わかってもらえない就業規則>

就業規則というのは、なかなか従業員に見てもらえないものですし、条文の意味を説明しないと理解してもらえないことがあるものです。

かつて、自分の勤務先でふざけた写真を撮ったアルバイトがSNSに投稿した結果、閉店に追い込まれるような事件が相次ぎました。

たとえ、「会社の信用を傷付けた時」という規定が就業規則にあったとしても、アルバイトはその規定の存在を知らないかもしれませんし、知っていても自分の行為がその規定に当てはまるという理解が無かったのでしょうか。

入社と退職が盛んな時代ですし、法改正に合わせた就業規則の改定も頻繁でしょうから、少なくとも年に1回は就業規則の勉強会を繰り返す必要があるでしょう。

 

<ポンコツな就業規則>

政府が少子高齢化対策の継続的な推進や働き方改革に力を入れていますから、人を巡る法改正は毎年必ずと言っていいほど行われています。

これに対応できていない就業規則は多いことでしょう。

こうした流れとは別に、制服を廃止して長年経った今でも「勤務中は制服着用」という規定があったり、全館禁煙なのに「喫煙は定められた場所で」という規定が残っていたりします。

これでは、会社が本気でルールの整備をしていないことが明確ですから、従業員が就業規則を守る気持も薄れてしまいます。

 

<ありえない就業規則>

「セクハラを行ったら懲戒解雇」というありえない規定を見ることがあります。

それでいて、社内にセクハラの定義を定めるルールが無かったり、どのような言動がセクハラに当たるのかについて教育・研修が無かったりします。

セクハラにも程度の差があり、程度の軽いセクハラ行為で一律に懲戒解雇というのは、たとえ就業規則に規定があったとしても無効になります。

「唇、ツヤツヤだね」と言っただけでクビになりうる就業規則というのは恐ろしいです。

 

<解決社労士の視点から>

2年以上変更していない就業規則があれば、社労士のチェックが必要でしょう。

とりあえず必要な変更と届出をして、社内研修を行えば当面は安心です。

その後のことは、社労士と相談して決めれば良いことです。

2021/04/27|1,332文字

 

<モデル就業規則とは>

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。

就業規則を変更する場合も同様に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

これを受けて、厚生労働省は就業規則のひな形を公表しています。

これが「モデル就業規則」です。

各企業は「モデル就業規則」の規定例や解説を参考に、各職場の実情に応じた就業規則の作成・変更を行うことができます。

就業規則は、職場の実情に合っていなければ、トラブルの元となってしまうことがあります。

「モデル就業規則」は、規定例だけでなく詳細な解説が施されていますので、これを手がかりにカスタマイズすることになります。

「モデル就業規則」は、法改正などに対応するため、不定期に改定されています。

令和2(2020)年11月には、政府による副業・兼業の推進に応じて改定されました。

このときから、まだ半年も経っていませんが、令和3(2021)年4月に高年齢者雇用安定法の改正を受けて、再び改定版が公開されています。

働き方改革関連法や継続的な少子高齢化対策で、モデル就業規則が頻繁に改定されていることからも明らかなように、企業の就業規則も1年を待たずに改定が必要となっています。

法改正情報を事前に把握して、自社の対応を決定し就業規則に反映させることを怠らないようにしましょう。

 

<高年齢者就業確保措置>

令和3(2021)年4月1日から、事業主には70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務が課されています。〔高年齢者雇用安定法第10条の2〕

したがって、定年を70歳未満に定めている事業主、70歳未満の継続雇用制度を導入している事業主は、次のいずれかの措置を講ずるよう努める必要があります。

一、70歳までの定年引上げ

二、定年制の廃止

三、70歳までの継続雇用制度の導入

四、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

五、70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

・事業主が自ら実施する社会貢献事業

・事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

このうち、三の継続雇用制度については、特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものが含まれます。

三、四、五の措置をとる場合に、基準を定めて対象者を限定する場合には、労使で十分に話し合うことが求められます。

過半数労働組合があれば、事業主と過半数労働組合との間で十分に協議したうえで、過半数労働組合の同意を得ることが望ましいことになります。

ただし、高年齢者雇用安定法や他の労働関係法令に反する不合理なものは認められません。

特に五の措置をとる場合に、基準を定めて対象者を限定する場合には、事業主の指揮監督を受けることなく業務を適切に遂行する能力や資格、経験があること等、予定される業務に応じて具体的な基準を定めることが必要とされています。

 

<解決社労士の視点から>

高年齢者の活用については、人材不足に悩む中小企業のほうが進んでいる感があります。

大企業においても、働き方改革の趣旨を踏まえつつ、積極的に高年齢者就業確保措置に取り組み社会的な責任を果たすように努めましょう。

 

YouTube勤務が減った人の社会保険

https://youtu.be/cTqbvdpvhBo

2021/04/18|1,435文字

 

<再雇用時の賃金>

正社員が定年に達すると同時に再雇用された場合、年収は何割までダウンしても違法にならないか、世間相場や業界での一般的な水準はどの程度かといった、それ自体あまり意味を持たない質問を受けることがあります。

これは、働き方改革以前から問題とされてきましたが、同一労働同一賃金との関連でクローズアップされています。

 

<長澤運輸事件最高裁判決>

平成30(2018)年6月1日の長澤運輸事件最高裁判決は、まさに定年後再雇用時の賃金引下げが争われた事件に対する司法判断です。

運輸業の会社でトラックの運転手として定年を迎えた労働者が、定年退職とともに有期労働契約の嘱託社員として再雇用されました。

このとき、仕事内容に変更が無いのに、賃金が約2割引き下げられたことによって、正社員との間に不合理な待遇差が発生し、旧労働契約法第20条に違反するとして会社を訴えたのです。

この判決で、最高裁は次のような判断を示しました。

賃金項目が複数ある場合には、項目ごとに支給の趣旨・目的が異なるので、賃金の差異が不合理か否かについては、賃金の総額を比較するだけでなく、その賃金項目の趣旨・目的を個別に考慮すべきである。

精勤手当は欠かさぬ出勤を奨励する趣旨を持つものであり、嘱託社員は正社員と職務内容が同一である以上、皆勤を奨励する必要性に相違はなく、定年の前後で差異を設けることは不合理である。

精勤手当が計算の基礎に含まれる超過手当(時間外労働手当)についても同様である。

これ以外の賃金項目については、それぞれの趣旨・目的から、差異を設けることが不合理ではない。

 

<最高裁判決の趣旨>

令和2(2020)年は、同一労働同一賃金の最高裁判決が5つ出ました。

大阪医科大学事件、メトロコマース事件、それと日本郵便事件が3つです。

これらの裁判でも、改正前の労働契約法20条を巡って争われました。

退職金、賞与、手当、休暇などについて、それぞれの裁判で差異が不合理か否か争われました。

そして、どの判決でも、各項目の支給の趣旨・目的から、その差異が不合理か否か検討され判決が下されたのです。

賞与一つをとっても、企業によって支給の趣旨・目的が異なります。

その趣旨・目的によって、正社員と非正規社員とで支給の差異について、次のように判断が分かれうることになります。

1.非正規社員にも正社員と同額が支給されるべきである。

2.非正規社員にも正社員と同じ基準で支給されるべきである。

3.非正規社員には正社員の支給額の一定割合を支給すべきである。

4.非正規社員には支給しなくても不合理ではない。

大阪医科薬科大学で、非正規社員に賞与を支給しないのは不合理ではないからといって、別の企業でも同じことがいえるとは限らないのです。

 

<解決社労士の視点から>

定年後再雇用時の年収水準そのものについては、最高裁判所が明確な基準を示していません。

各業界で平均的な下げ幅であれば容認されるのだとすると、平均を下回る半数近い企業は不合理だとされかねません。

むしろ、個別の手当等について、定年の前後でその支給に差を設ける場合に、それぞれの趣旨・目的から、不合理ではないかが厳しく審査されることになりました。

ですから、個別の手当等について、不合理といえない範囲で差異を設けた結果、年収が3割減少した、4割減少したというのは容認されることになります。

肝心の基本給については、今後の司法判断の積み重ねによって明らかになっていくものと思われます。

2021/03/12|2,106文字

 

<生理休暇>

「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定され、これに違反すると30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法第68条、第120条第1号〕

つまり、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を取るのは権利であり、使用者に当たる人がこれを妨げるような発言をすれば、それは違法であるということになります。

 

もっとも、普通に勤務することが困難ではない程度の苦痛を伴う生理を理由に生理休暇を取得することや、生理中であることそのものを理由に生理休暇を取得することは、労働基準法も認めていません。

とはいえ、生理の苦痛は本人にしかわかりませんし、医師の診断書をもらうのは必ずしも容易ではありませんから、女性から「生理休暇を取得したい」という申し出があれば、これを拒否できないことになります。

 

ただ、生理休暇を取得しておきながら、レジャー施設に出かけて絶叫マシンで楽しんでいる様子がSNSなどにアップされたら、不正に生理休暇を取得したものとして、懲戒処分の対象となりうるというのも事実です。

こうした事態に備えて、就業規則の懲戒規定の整備と、女性社員に対する教育指導は不可欠です。

 

<子供の看護のための短期休暇>

この休暇について就業規則に規定が無かったり、そもそも経営者が知らなかったりという問題があります。

 

子供の急な病気やけがのため、欠勤せざるを得なくなった従業員は、無断欠勤にならないよう、休まざるを得ない事情が発生したらすぐに勤め先に連絡をしましょう。

このような場合に備えた休暇制度が就業規則に規定されている職場であれば、その休暇を使うとよいでしょう。

また、年次有給休暇で対応することもできますが、当日に取得したいと申し出ても、企業が認めない限り、その日は年休とはなりません。

また前日以前に申し出ても、その日の取得が事業の正常な運営を妨げるときには、取得できない場合があります。

 

育児・介護休業法は、小学校入学前の子供を育てる労働者が、年間5日(子供が複数いる場合は10 日)の範囲で、看病や通院などの看護のための休暇を取得できるようにしています。

この看護休暇は法律で認められた権利ですから、たとえその企業で取得の前例がない、あるいは制度をまだ整備していないなどの場合でも取得できます。

看護休暇は1時間単位で取得できます。令和3(2021)年1月の法改正でこのようになりました。

ただ、看護休暇は年次有給休暇と違って、取得した日を有給にすることは義務付けられていません。

それでも、当日に申し出て取得することができます。

 

注意点として、次のような人は看護休暇を取得できる対象から除外されています。

1. 日々雇用される人(日雇い)

2. 企業があらかじめ一定の手続を取っていた場合で

 ・継続しての勤続期間が6か月未満の人

 ・1週間の所定労働日数が2日以下の人

 

<家族の介護のための短期休暇>

介護休暇は、対象家族を介護する労働者が、年間5日(介護の対象者が2人以上いる場合は10 日)の範囲で、通院の付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な準備や世話のため取得できる休暇です。

 

対象家族は、配偶者(内縁含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

この対象家族が、けがや病気で2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にあるときに取得できます。

 

介護休暇も、法律上当然認められる休暇であること、1時間単位で取得できること、有給とすることは義務付けられていないこと、当日の申出でも取得できること、取得できる対象から除外されている人の範囲は、看護休暇と同じです。

 

休暇の取得にあたって、企業はできるだけ事前に申請をするよう求めることはできますが、当日の申出であることを理由に拒否することはできません。

また、正当な利用による取得であることを確認するため、休暇の理由となった家族の状況に関して、診断書の提出などを求めることもできますが、事後に提出することを認めるなど、柔軟な対応は必要です。

 

<弔事・災害休暇>

家族が亡くなった場合や、自宅が火災や水害に遭った場合の休暇については、就業規則や労働契約書などに規定があるものです。

たとえこれらの規定が無くても、せめて年次有給休暇を取ることは認めないと、人道的に見てどうかと思われます。

これらは、労働基準法などに権利として規定されているわけではありませんが、配慮が求められるでしょう。

 

<解決社労士の視点から>

作りっ放しの就業規則で、子供の看護のための短期休暇や、家族の介護のための短期休暇について、1時間単位で取れないのでは困ります。

就業規則に「この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる」という規定があったとしても、実際に休暇を取る必要を感じた人は、どうやって会社に申し出たら良いのか、会社はどう対応したら良いのかについてルールが無ければ迷ってしまいます。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

2021/02/03|1,072文字

 

<問題社員>

「良いことの原因は自分、悪いことの原因は他人」と思い込み、義務は果たさず権利を濫用して退職後に会社を訴えるような社員です。

 

<問題社員の結果の結果>

こういう社員が上手く立ち回って、会社から金銭的な利益を得ると、次から次へと真似をする社員が出てきます。

会社から得る金銭的な利益は、賃上げ、未払い残業代、年次有給休暇の買い上げ、退職金の上乗せ、慰謝料、解決金、和解金、口止め料など多岐にわたります。

正当な権利の行使を超えて、恐喝まがい詐欺まがいなものも出てきます。

そして、会社の中の小さな不平等や小さな不公平が原因で、問題社員の真似をしたくなる社員は多いのです。

真面目に働いている社員は、会社から不当な利益を得ようとはしないでしょう。

ただ、真面目に働いているのがばかばかしくなります。

問題社員が会社の悪い所を徹底的に指摘するので、会社の魅力も低下します。

辞めたくなったり、意欲が低下したりは仕方のないことです。

ここまでくると、お客様にも、お取引先にも、近隣にも、金融機関にも評判は良くないはずです。

会社の経営は上手くいくはずがありません。

 

<問題社員の原因の原因>

以前いなかった問題社員が入社してくるのは、思ったような応募者が少なくて、究極の選択によって、少し問題を感じる人でも妥協して採用してしまうからです。

こうした採用難の原因は少子高齢化なのですが、一企業が少子高齢化を解消することはできませんので、良い応募者を増やす知恵を絞りたいところです。

まず、仕事の内容を中学生にもわかるように具体的に示すことです。

つぎに、会社や商品・サービスの魅力、仕事のやりがい、交通の便、近隣の環境、社長のキャラクター、長く働いている人の感想やチョッとしたエピソードなど、求職者が応募したくなるメリットを明らかにします。

反対にデメリットも明かします。

なぜなら、良いことばかりを並べると信用されないからです。

あえて会社の悪い面を少し加えることで、求人に対する信頼がグッと高まるのです。

それでも、こうしたアピール情報を公開できないとしたら、それは会社や仕事に魅力が無いからです。

上手いこと良い人をひっかけようとするのではなくて、正面から魅力ある会社に変えていく必要があります。

最低でも、労働基準法など労働関係法令に対する違反は解消しないと、ブラック企業のレッテルを貼られる恐れがあります。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

即戦力にできる人材を確保するための採用も、万一問題社員を抱えてしまった場合の対応も、信頼できる国家資格の社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/05/13|798文字

 

<育児・介護休業法の目的>

〔育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第1条〕

この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。

このように、育児や介護の負担が原因となって働けなくなるケースを減らし、経済社会の成長力を維持するのがこの法律のねらいです。

 

<政策の推進>

少子高齢化が進む現在の日本で、政府は政策として、少子化対策と高齢化対策を強化していますから、育児・介護休業法も、度重なる改正によりその内容が充実されてきています。

さらに、労働者が妊娠したことを理由に不利益な扱いを受けるなど、事業主が育児・介護休業法に規定する義務に違反したことが原因で退職した場合には、雇用保険法により特定受給資格者とされ、会社都合で退職させられた人と同じように、失業手当(求職者給付の基本手当)の給付日数が多めに付与されるようになっています。

これは、育児・介護休業法の枠を越えて、政策が推進されている実例の一つです。

 

<会社が政府の政策に追いつくために>

法改正に合わせて、就業規則の改定を繰り返すという受け身の対応だけでなく、積極的に労働環境の改善を考える場合には、少子高齢化対策を軸に据えて計画を推進してはいかがでしょうか。

就業規則の改定や制度の導入すらままならないということであれば、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

解決社労士

2020/05/02|1,040文字

 

<定年年齢の規制>

事業主が定年制を設ける場合には、定年を60歳以上とすることが義務化されています。〔高年齢者雇用安定法第8条〕

これにより、60歳未満の定年を定めた就業規則等の規定は無効とされます。

法令違反とならないように、法改正に先駆けて就業規則を変更し続けるのが正しいのです。

 

<定年後の継続雇用の規制>

定年の定めをしている事業主に対して、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講ずべきことが定められています。〔高年齢者雇用安定法第9条〕

義務付けられる雇用確保措置のうち継続雇用制度には、勤務延長制度と再雇用制度とがあります。

勤務延長制度は、原則として役職・職務、仕事内容、賃金水準などが変わりません。

これに対し、再雇用制度は一度労働契約を終了させた後に、再び新しく労働契約を締結するものです。

つまり、定年の65歳への引上げが義務付けられるわけではありませんし、必ずしも勤務延長制度を選択しなければならないわけでもありません。

再雇用制度を選択し、新しい労働契約によって、役職・職務、仕事内容、賃金水準などが変わることもあるわけです。

 

<再雇用制度を選択する場合の規制>

再雇用制度を選択した場合であっても、再雇用にあたって、事業主が極端に労働条件を下げた労働契約を提案した場合には、実質的に再雇用拒否と見られますから、解雇権の濫用と同視され、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講ずべき義務に反します。

つまり、高年齢者雇用安定法第9条に違反することになります。

では、どの程度条件を下げても再雇用拒否と見なされないかというと、まだ裁判例の集積も通達も不十分ですから明確な基準は見当たりません。

結局、具体的な事例に即して、社会通念に照らして相当かどうかで判断することになります。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

勤務延長制度であれば、トラブルは少ないと思います。

しかし、再雇用制度の場合には、労働条件の低下を伴うことが通常で、労使の話し合いが決裂してしまい、トラブルになることが多いものです。

同じ労働条件の低下であっても、ただ「この条件になります」と言うのと、なぜそのような条件を提示することになるのかについて、具体的な説明を尽くした場合とでは、事業主から示される誠意に大きな差が出てきます。

こんなときは、信頼できる社労士(社会保険労務士)が間に入り、社労士が事業主から説明を受け、定年を迎える人にわかりやすく具体的な説明をするというのが、トラブルを未然に防ぐための良い方法でしょう。

 

解決社労士

2020/04/09|823文字

 

<取得単位の変更>

「子の看護休暇」と「介護休暇」の取得単位は1日単位から半日単位に変更となっています。

以前は、1日単位での取得のみを認めれば合法でした。

半日単位の休暇を認めるかどうかは、会社の方針に任されていたのです。

しかし平成29年1月1日からは、従業員から半日だけ取得したいという申し出があった場合には、会社がこれに応じなければなりません。

 

<「半日」の原則>

「半日」とは、1日の所定労働時間の半分です。

ただし、1日の所定労働時間に1時間未満の端数がある場合には、1時間未満を1時間に切り上げて、その時間の半分となります。

たとえば、所定労働時間が7時間45分であれば、1時間未満を切り上げた8時間の半分で、4時間ということになります。

 

<「半日」の例外>

上記の原則とは違う運用をしたい場合には、労使協定を交わすことによって可能となります。

たとえば、夕方が忙しい会社などで、午後3時までの5時間と、午後3時からの3時間を半日とすることもできます。

 

<給与計算の注意>

半休を取ったことによって欠勤控除をする場合には、1日の賃金の半分ではなくて、実際に欠勤した時間分の賃金しか控除できません。

 

<社労士(社会保険労務士)の役割>

「子の看護休暇」について、社内で知られていないという会社もあるでしょう。

「来月の25日は息子の健康診断で午前中は休みます。子の看護休暇です。」と言われた上司が、制度を知らずに「そんなの認めない!」と言ってしまうとトラブルになります。

こうした制度については、第一に厚生労働省など行政が広報に努めるわけですが、会社ごとに必要な内容は違いますから、信頼できる社労士に相談して必要なレクチャーを依頼したり、会社に合った制度の運用を構築したりが必要でしょう。

労働法が頻繫に改正されるなか、就業規則の改善と併せて、信頼できる社労士へのご相談をお勧めします。

 

※令和3年1月1日からは、子の看護休暇と介護休暇が1時間単位となります。

 

解決社労士

2020/03/21|2,040文字

 

<エイジフレンドリーガイドライン>

令和2年3月16日、厚生労働省が「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」を公表しました。

このガイドラインは、60歳以上の労働者の労働災害発生率が高くなり、2018年には休業4日以上の死傷者のうち26.1%が60歳以上となっている現状と課題を受け、高齢者が働きやすい職場環境の実現に向けた労使の取組みを促進するために策定されました。

事業者に求められる取組みとして、次の5つが示されています。

 

<安全衛生管理体制の確立等>

・経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明すること。

・高齢者労働災害防止対策に取り組む組織や担当者を指定する等により、高齢者労働災害防止対策の実施体制を明確化すること。

・安全衛生委員会等、人事管理部門等において高齢者労働災害防止対策に関する事項を調査審議すること。

・身体機能の低下等による労働災害の発生リスクについて、危険源の洗い出しを行い、リスクアセスメントをすること。

・リスクアセスメントの結果を踏まえ、年間推進計画を策定、取組みを実施し、計画を一定期間で評価し、必要な改善を行うこと。

 

<職場環境の改善>

・事業場の施設、設備、装置等の改善を検討し、必要な対策を講じること。

具体的には、照度の確保、階段への手すりの設置、滑りやすい箇所への防滑素材の採用、墜落制止用器具、保護具等の着用、安全標識等の掲示等、高年齢労働者の特性やリスクの程度を勘案し、事業場の実情に応じた優先順位をつけて改善に取り組むなど。

・短時間勤務、隔日勤務、交替制勤務等により勤務形態や勤務時間を工夫することで高年齢労働者が就労しやすくすること。

・高年齢労働者の特性を踏まえ、ゆとりのある作業スピード、無理のない作業姿勢等に配慮した作業マニュアルを策定、または改定すること。

・注意力や集中力を必要とする作業について作業時間を考慮すること。

・複数の作業を同時進行させる場合の負担や優先順位の判断を伴うような作業に係る負担を考慮すること。

 

<高年齢労働者の健康や体力の状況の把握>

・雇入れ時および定期の健康診断を確実に実施すること。

・労働安全衛生法で定める健康診断の対象にならない者が、地域の健康診断等(特定健康診査等)の受診を希望する場合は、必要な勤務時間の変更や休暇の取得について柔軟な対応をすること。

・事業者、高年齢労働者双方が当該高年齢労働者の体力の状況を客観的に把握し、事業者はその体力に合った作業に従事させること。

・体力チェックの具体的方法として、加齢による心身の衰えのチェック項目(フレイルチェック)等を導入すること。

・事業場の働き方や作業ルールにあわせた体力チェックを実施すること。

・労働者の体力の状況の把握にあたっては、不利益な取扱いを防ぐため、労働者自身の同意の取得方法や労働者の体力の状況に関する情報の取扱方法等を定めること。

 

<高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応>

・高年齢労働者については基礎疾患の罹患状況を踏まえ、労働時間の短縮や深夜業の回数の減少、作業の転換等の措置を講じること。

・高齢者に適切な就労の場を提供するため、職場における一定の働き方のルールを構築するよう努めること。

・安全と健康の点で適合する業務を高年齢労働者とマッチングさせるよう努めること。

・「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づき、集団および個々の高年齢労働者を対象に、身体機能の維持向上のための取組みを実施することが望ましいこと。

・ストレスチェックを確実に実施するとともに、ストレスチェックの集団分析を通じた職場環境の改善等のメンタルヘルス対策に取り組むこと。

 

<安全衛生教育>

・雇入れ時等の安全衛生教育、一定の危険有害業務において必要となる技能講習や特別教育を確実に行うこと。

・作業内容とそのリスクについて理解を得やすくするため、十分な時間をかけ、写真や図、映像等の文字以外の情報も活用すること。

・再雇用や再就職等により経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練を行うこと。

・管理監督者、ともに働く各年代の労働者に対しても、高年齢労働者に特有の特徴と高年齢労働者に対する安全衛生対策についての教育を行うことが望ましいこと。

・管理監督者向けの教育は、体系的キャリア教育の中に位置付けることも考えられること。

・脳・心臓疾患の発症等緊急の対応が必要な状況が発生した場合に、適切な対応をとることができるよう、職場において救命講習や緊急時対応の教育を行うことが望ましいこと。

 

<ガイドラインの活用にあたって>

ガイドラインは、その特性上、一般論的な内容となっています。

実際に、ガイドラインを活用して、自社の高年齢労働者の安全と健康確保に取組むに当たっては、十分な聞き取り調査を行い、事業者と高年齢労働者とで共通認識を確保できるようにしておくことが大切です。

 

解決社労士

2020/03/20|930文字

 

仕事と家庭の両立を図りながら、充実した職業生活を送れるように、妊娠・出産、育児、介護をサポートし、働く男性、女性とも仕事を継続できるような制度が設けられています。

 

<妊産婦の健康管理>

使用者は、6週間(双子や三つ子など多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性が休業を申請した場合または産後8週間を経過しない女性については、就業させてはなりません。

ただし、産後6週間経過した女性が請求した場合、医師が支障なしと認めた場合は就業できます。

その他、妊婦健診の時間を確保したり、女性労働者が医師等から指導を受けた場合は事業主がその措置を講じること、育児時間を取得できるなどの規定もあります。〔労働基準法第6章の2〕

 

<育児休業>

労働者は原則として子どもが1歳(一定の場合は2歳)になるまで、育児休業を取得することができます。

育児休業は、女性・男性どちらも取得できます。

事業主は要件を満たした労働者の育児休業の申出を拒むことはできません。〔育児・介護休業法第2章〕

これは法律で認められていますので、就業規則に無くても拒めません。

なお、両親がともに育児休業を取得する場合には、子が1歳2か月に達するまでの間で1年間育児休業を取得することができます。

 

<介護休業>

労働者は、要介護状態にある家族を介護するために介護休業を取得することができます。

介護休業は、対象家族一人につき、最長で通算93日間取得することができます。

対象家族一人につき通算93日まで3回を上限として分割取得が可能です。

事業主は、要件を満たした労働者の介護休業の申出を拒むことはできません。〔育児・介護休業法第3章〕

 

<不利益取扱いの禁止>

結婚、妊娠、出産したことや産前産後休業、育児休業などの申し出をしたことまたは取得したことなどを理由として、解雇その他不利益取扱いをすることは、法律で禁止されています。〔男女雇用機会均等法第9条、育児・介護休業法第10条、第16条、第16条の4、第16条の7、第16条の9、第18条の2、第20条の2、第23条の2〕

 

これらに反して休業できない、あるいは不利益な扱いを受けたり、退職を迫られるようなことがあれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

解決社労士

2020/01/22|717文字

 

<改正の内容>

令和3(2021)年1月1日から、育児・介護休業法施行規則等の改正により、子の看護休暇・介護休暇が1時間単位で取得できることとなります。

 

【現行の制度】

・半日単位での取得は可能

 

・1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない

 

【改正後】

・1時間単位での取得が可能

 

・全ての労働者が取得できる

 

労働者からの申し出に応じ、労働者の希望する時間数で取得できるようになります。

 

<中抜けについて>

「中抜け」とは、就業時間の途中から1時間単位の休暇を取得し、就業時間の途中に再び戻ることを指します。

法令で求められているのは、「中抜け」なしの1時間単位休暇です。

しかし、法を上回る制度として、「中抜け」ありの休暇取得を認めることは問題ありません。すでに「中抜け」ありの休暇を導入している企業が、「中抜け」なしの休暇に変更することは、労働者にとって不利益な労働条件の変更になりますから、不利益変更禁止の原則に反しないよう配慮が必要になります。

 

<労使協定による例外的取扱い>

子の看護休暇や介護休暇を1時間単位で取得することが困難な業務がある場合には、労使協定を締結することにより、1時間単位の休暇制度の対象からその業務に従事する労働者を除外することができます。

この場合、困難な業務の範囲は、労使で十分に話し合い共通認識が得られてから労使協定を交わしましょう。

 

<両立支援等助成金>

子の看護休暇や介護休暇は、有給とすることが義務付けられているわけではありません。

しかし、1時間単位で利用できる有給の子の看護休暇制度や介護休暇制度を導入し、休暇を取得した労働者が生じたなど要件を満たした事業主は、両立支援等助成金の支給対象とされます。

 

解決社労士

<常識と法律の食い違い>

入社したばかりのパート社員から、勤務先の店長あてに電話が入ります。

「すみません。また下の子が熱を出しちゃって…今日はお休みをいただきたいのですが」

これに対して、店長の返事はとても冷たいものです。

「今月3回目でしょ。保育園に通っているお子さんの病気で休んでばかりじゃ、あてにならないじゃないの。まだ入社して1か月だし、今月末まで試用期間だし、本採用はしませんから、来月からは来なくていいですよ」

というわけで、このパート社員は仕方なく退職します。

その半月後、パート社員の代理人弁護士から「解雇は無効であり労働者の権利を有する地位にあることの確認を求める」という内容証明郵便が会社に届くということがあります。しかも、慰謝料まで請求されています。

店長としては、自分の中の常識に従ったのですが、その常識は法律とは違っていたのです。

 

<ひな形の規定>

これは、ネットから就業規則のひな形をコピーして、少しアレンジして使っていると起こりうる事件なのです。

あるひな形には、次のように書いてあります。

 

 

(育児・介護休業、子の看護休暇等) 

第27条 労働者のうち必要のある者は、育児・介護休業法に基づく育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、育児・介護のための所定外労働、時間外労働及び深夜業の制限並びに所定労働時間の短縮措置等(以下「育児・介護休業等」という。)の適用を受けることができる。

2 育児休業、介護休業等の取扱いについては、「育児・介護休業等に関する規則」で定める。

〔厚生労働省のモデル就業規則平成31年3月版〕

 

もっともよく使われているひな形だけあって、さすがに良く出来ています。

この条文は、次のことを言っています。

・誰でも必要に応じ、育児休業、介護休業、子の看護休暇などを利用できる。

・育児休業などについての就業規則は別に作る。

結局、このひな形は「育児・介護休業等に関する規則」を作ることが前提となっているのです。

ですから、「育児・介護休業等に関する規則」を作らなければ、問題が発生しても仕方がないのです。

では、面倒だからこの規定を全部カットしても良いかというと、育児・介護休業法があるので、カットできないのです。

育児休業や介護休業は、法律が労働者に与えた権利ですから「うちの会社にはありません」ということでは、年次有給休暇と同様に違法になってしまいます。

 

<法律の規定では>

子の看護休暇とは、けがや病気の子の世話などを行う労働者に対し与えられる休暇です。会社には労働者に与える義務があります。〔育児・介護休業法第16条の2、3〕

小学校就学前の子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより、1年度につき5日を限度として、子の看護休暇を取得することができます。対象となる子が2人以上の場合は10日です。

また、取得したことを理由とする不利益取り扱いは禁止されています。〔育児・介護休業法第10条、第16条の4〕

ということは、入社して1か月のパート社員が、小学校に入る前のお子さんが熱を出したことを理由に3回休んでも、契約の打ち切りなどできないというのが、労働法上の常識です。

ところが、店長は大事な法律の内容を知らずに、思わぬ事態を招いてしまったのです。

 

<2つの予防法>

こうした困ったことにならないようにするには、2つのポイントがあります。

1つは、会社の現状に合った「育児・介護休業等に関する規則」を作ることです。ひな形は会社の現状を踏まえたものではありませんから、少し手直ししただけでは危険です。やはり専門家の力が必要でしょう。

もう1つは、店長やマネージャーたちに、人事労務関係の法令について、きちんと教育をしておくことです。自主的に本でも読んで学ぶというのではなく、定期的な集合研修が必要でしょう。

これらは費用のかかることですが、そうだとしてもリスクマネジメントの費用ですし、むしろ幹部社員に対する投資です。会社を護るための投資なのです。

 

2019.05.13. 解決社労士 柳田 恵一

<少子化対策>

次世代育成支援の観点から、国民年金第1号被保険者が出産を行った際には、出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除される制度が平成31(2019)年4月から始まります。

 

<保険料が免除される期間>

出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間(産前産後期間)の国民年金保険料が免除されます。

なお、双子や三つ子など多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。

ここで出産とは、妊娠85日(4か月)以上の出産をいいます。死産、流産、早産を含みます。

妊娠については、1か月を28日で計算します。3か月で84日( 28 × 3 = 84)なのですが、これを1日超えて85日となれば、4か月以上と考えます。

 

<対象者>

「国民年金第1号被保険者」で出産日が平成31(2019)年2月1日以降の人。

「国民年金第1号被保険者」は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者、農業・漁業者、学生および無職の人とその配偶者(厚生年金保険や共済組合等に加入しておらず、第3号被保険者でない人)。

また、第3号被保険者というのは、厚生年金保険や共済組合等に加入している会社員や公務員(第2号被保険者)に扶養されている配偶者で、原則として年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の人。

ただし、65歳以上の老齢基礎年金などを受ける権利を有している人は、第2号被保険者からは除かれます。

 

<申請日>

出産予定日の6か月前から申請書類の提出が可能です。ただし、提出できるのは平成31(2019)年4月からです。

 

<申請先>

住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口へ申請書を提出します。

 

<申請書類>

申請書は、平成31(2019)年4月から年金事務所または市(区)役所・町村役場の国民年金の窓口に備え付けられます。

 

2018.12.21.解決社労士

<子の看護休暇>

子の看護休暇とは、けがや病気の子の世話などを行う労働者に対し与えられる休暇です。

年次有給休暇と同じく法定の休暇ですから、会社には労働者に与える義務があります。

これは、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定されています。

 

【子の看護休暇の申出】

第十六条の二 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(以下「子の看護休暇」という。)を取得することができる。

2 子の看護休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる。

3 第一項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、子の看護休暇を取得する日(前項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得するときは子の看護休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない。

4 第一項の年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

 

子の看護休暇の申し出があったなら、会社はきちんと対応しなければなりません。

 

【子の看護休暇の申出があった場合における事業主の義務等】

第十六条の三 事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない。

 

ただし、有給の休暇とする義務は無く、無給でもかまいません。

しかし、取得したことを理由とする不利益取り扱いは禁止されています。

ですから、休みが多いことを理由に、解雇したり評価を下げたりすることは禁止されています。

典型的なパターンとしては、入社したばかりのパート社員が、お子さんの健康状態を理由に何回も休んだので解雇を通告するというケースです。

 

<法の趣旨>

子どもが病気やけがの際に休暇を取得しやすくし、子育てをしながら働き続けることができるようにするための権利として子の看護休暇が位置づけられています。

また、「疾病の予防を図るために必要な世話」も休暇の対象となります。これは、子に予防接種または健康診断を受けさせることをいい、予防接種には、予防接種法に定める定期の予防接種以外のもの(インフルエンザ予防接種など)も含まれます。

 

<対象者と日数>

小学校就学前の子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより、1年度につき5日を限度として、子の看護休暇を取得することができます。

ただし、対象となる子が2人以上の場合は10日を限度とします。

ここで「年度」とは、事業主が特に定めをしない場合には、毎年4月1日から翌年3月31日となります。

ただし、日々雇い入れられる者は除かれます。また労使協定によって、勤続6か月未満の労働者や1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外とすることができます。

 

<口頭の申し出による取得>

就業規則などで、具体的な運用ルールを定める場合に、子の看護休暇の利用については緊急を要することが多いことから、当日の電話など口頭の申し出でも取得を認め、書面の提出などを求める場合には事後となっても差し支えないこととすることが必要です。

 

<申し出にあたって必要な情報>

労働者からの「子の看護休暇」の申し出は、次の事項を事業主に明らかにすることによって行わなければなりません。

・労働者の氏名

・子の氏名および生年月日

・看護休暇を取得する年月日

・子が負傷し、あるいは病気にかかっている事実、または病気の予防を図るために必要な世話を行う旨

 

<事業主からの証明書類の請求>

事業主は、労働者に対して子が負傷し、あるいは病気にかかっている事実、または病気の予防を図るために必要な世話を行うことを証明する書類の提出を求めることができます。〔育児・介護休業法施行規則30条2項〕

ただし、証明書類の提出を求める場合には、事後の提出を可能とするなどの配慮が必要とされています。

また、風邪による発熱など短期間で治る病気であっても、労働者が必要と考える場合には申し出ができます。

こうした場合には、必ずしも医師の診断書などが得られないときもありますので、購入した薬の領収書により確認するなど、柔軟な取扱いをすることが求められます。〔事業主が講ずべき措置に関する指針〕

 

2018.11.29.解決社労士

<出産育児一時金>

昔は分娩費(ぶんべんひ)などと呼ばれていました。

出産育児一時金は、健康保険の加入者(被保険者)やその扶養家族(被扶養者)が出産した時に、協会けんぽなどの保険者に申請すると1児につき42万円が支給される一時金です。

また、「1児につき」ですから双子なら2倍、三つ子なら3倍の金額が支給されます。

ただし、産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合は40万4千円です。この産科医療補償制度というのは医療機関等が加入する制度で、加入医療機関で制度対象となる出産をされ、万一、分娩時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合、子どもとご家族の経済的負担を補償するものです。

 

<未婚の娘の出産>

平成14年10月以前は、被保険者の他には配偶者のみに「配偶者出産育児一時金」が支給されていましたが、法改正により被保険者の被扶養者が出産したとき「家族出産育児一時金」が支給されるようになりました。

こうして、扶養に入っていれば未婚の娘でも妹でも、支給されるようになったのです。

そもそも結婚するかどうかは、当事者の自由です。〔日本国憲法24条〕

入籍していないと支給されないというのは平等権の侵害です。〔日本国憲法14条1項〕

少子化対策の流れの中で、やっと憲法の趣旨が届いた感じです。

 

 <支給の条件>

妊娠85日以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶であることが必要です。

ですから、会社で出産祝い金の支給対象外となる場合であっても、出産育児一時金の支給対象となることがあります。

 

<直接支払制度>

出産にかかる費用に出産育児一時金を充てることができるよう、協会けんぽなどの保険者から医療機関等に、直接支払う仕組み(直接支払制度)があります。この場合、出産費用としてまとまった額を事前に用意する必要がないので大変助かります。

もちろん、出産後に健康保険の加入者(被保険者)が直接受け取ることもできます。

 

<出産費貸付制度>

出産費用に充てるため、出産育児一時金の支給までの間、出産育児一時金の8割相当額を限度に資金を無利子で貸し付ける制度があります。

対象者は、出産育児一時金の支給が見込まれる方のうち、出産予定日まで1か月以内の方、または妊娠4か月以上で医療機関等に一時的な支払いを要する方です。

 

<資格喪失後の出産育児一時金>

退職などにより、健康保険の加入者(被保険者)でなくなった場合でも、資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上ある方が、資格喪失日から6ヵ月以内に出産したときは、出産育児一時金が支給されます。

たとえば、健康保険に加入していた女性が退職して資格を喪失し、夫の扶養に入ってから出産した場合には、本人の出産育児一時金か、夫の家族出産育児一時金のどちらか一方を選んで支給を受けます。

ただし、健康保険の加入者(被保険者)の資格喪失後にその被扶養者だった家族が出産しても、家族出産育児一時金は支給されません。

 

2018.10.26.解決社労士

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