労働安全衛生法の自主的活動

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<労働安全衛生法の目的>

労働安全衛生法は、この法律の目的を次のように規定しています。

 

【目的】

第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

 

この中の「自主的活動」が、誰のどのような活動を指しているのかは、労働安全衛生法の中に示されていません。しかし、主にリスクアセスメントを指していると考えられます。

 

<リスクアセスメント>

リスクアセスメントは、職場の潜在的な危険や有害性を見つけ出し、これを除去・低減するための手法です。

労働安全衛生法が、全体として多くの職場に共通する労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化を目指しているのに対し、リスクアセスメントは、各職場の個性に応じて労働災害防止を目指すものです。

平成18(2006)年4月1日より、リスクアセスメントの実施が労働安全衛生法第28条の2により努力義務化されました。

 

【事業者の行うべき調査等】

第二十八条の二 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等(第五十七条第一項の政令で定める物及び第五十七条の二第一項に規定する通知対象物による危険性又は有害性等を除く。)を調査し、その結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。ただし、当該調査のうち、化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で労働者の危険又は健康障害を生ずるおそれのあるものに係るもの以外のものについては、製造業その他厚生労働省令で定める業種に属する事業者に限る。

 

具体的な進め方については、厚生労働省より「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。〔労働安全衛生法第28条の2第2項〕

 

<リスクアセスメントの必要性>

かつての労働災害防止対策は、発生した労働災害の原因を調査し、類似災害の再発防止対策を確立し、各職場に徹底していくという手法が基本でした。

しかし、災害が発生していない職場であっても潜在的な危険性や有害性は存在しており、 これが放置されると、いつかは労働災害が発生する可能性がありました。

また、技術の進展等により、多種多様な機械設備や化学物質等が生産現場で用いられるようになり、その危険性や有害性が多様化してきました。

こうしたことから、これからの安全衛生対策は、自主的に職場の潜在的な危険や有害性を見つけ出し、事前に的確な対策を講ずることが不可欠であり、これに応えたのが職場のリスクアセスメントです。

 

2019.01.03.解決社労士