残業など時間外労働の上限規制の基本(働き方改革)

2022/02/21|795文字

 

未払残業代の経済的リスク

 

<働き方改革>

「働き方改革」は、働く人たちが、個人の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。

日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く人たちのニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが必要です。

働く人の置かれた個人的な事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。

 

<時間外労働の上限規制>

長時間労働は、健康の確保を困難にするとともに、仕事と家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因、女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む原因となっています。

長時間労働を是正することによって、ワークライフバランスが改善し、女性や高齢者も仕事に就きやすくなり労働参加率の向上に結びつきます。

このため、働き方改革の一環として、労働基準法が改正され、時間外労働の上限が法律に規定されました。

 

<法改正のポイント>

時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなりました。

臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、

・時間外労働・・・年720時間以内

・時間外労働+休日労働・・・月100時間未満、2~6か月平均80時間以内

とする必要があります。

原則である月45時間を超えることができるのは、年6回(6か月)までです。

法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断されます。

大企業への施行は2019年4月、中小企業への適用は1年猶予され2020年4月でしたから、すべての企業に適用されています。

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