被保険者、被扶養者、被相続人などの用語

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<「被」という漢字の意味>

「被」という漢字には、受け身の意味があります。

ここで「受け身」というのは、行動の主体からの動作・作用を受ける人を主人公にして話す話し方です。

 

AさんがBさんをほめた。

この事実をBさんから見ると、

BさんがAさんからほめられた。

となります。

 

英語の授業では受動態として習いましたし、漢文の授業では「る」「らる」という受け身の助動詞として習いました。

 

<社会保険で「被」が付くことば>

「被保険者」は、保険について受け身の人のことをいいます。

保険者は、保険を運用する人のことをいいます。

健康保険の保険者は、保険証に書かれています。

協会けんぽであったり、健康保険組合であったり…

国民健康保険では、市町村が保険者です。

そして、保険が適用され給付を受ける人が「被保険者」ということになります。

日常用語では「保険加入者」ですね。

 

「被扶養者」は、扶養について受け身の人のことをいいます。

扶養する人を、わざわざ「扶養者」ということは少ないでしょう。

誰かに扶養されている人のことを「被扶養者」といいます。

日常用語では「扶養家族」ですね。

特に被扶養者のうち配偶者を「被扶養配偶者」といいます。

国民年金では勤め人が第二号被保険者、その被扶養配偶者が第三号被保険者ということになっています。

 

<労働保険で「被」が付くことば>

雇用保険や労災保険でも、保険を適用される人が「被保険者」ということになります。

労災保険では、保険事故に遭った人のことを「被災者」といいます。

業務災害や通勤災害という災害に遭った人ということです。

 

<その他「被」が付くことば>

「被相続人」というのは亡くなった人です。

「相続人」は、相続する人、相続を受ける人のことですから、相続をされる側の人は亡くなった人ということになります。

 

「被害者」は害を受ける人です。相手は「加害者」です。

 

「被告人」は、犯罪の嫌疑を受けて公訴を提起された人です。「告訴された人」が語源ですが、その意味は「起訴された人」です。

告訴は、犯罪の被害者などが、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求めることですから、起訴とは意味が違っています。

なお「被告」は、民事裁判で訴えを提起された人のことを指しますから、犯罪者というわけではありません。

日常用語では、「被告人」と「被告」が混同されています。テレビニュースでも、正しく区別して表現されないことがあります。

 

2018.09.21.解決社労士