組合が無い会社の労使協定

2023/10/07|921文字

 

<労使協定>

労使協定とは、労働者と使用者との間で締結される書面による協定のことです。

法令に「労使協定」という用語があるわけではなく一種の通称です。

法令には「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定」と書かれています。

この表現からわかるように、使用者と労使協定を交わす主体は、2通りに分かれます。

・労働者の過半数で組織する労働組合があるとき ― その労働組合

・労働組合が無いとき、あるいは、労働組合があっても労働者の過半数で組織されていないとき ― 労働者の過半数を代表する者

労働者の過半数を代表する者は、その事業場で民主的に選出されます。

 

<三六(さぶろく)協定>

その事業場で、時間外労働(法定労働時間を超える早出、残業)や休日出勤(法定休日の出勤)が全くない事業場を除き、これらについての三六協定を所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

労使協定の中には、所轄の労働基準監督署長に届け出を義務づけられたものがいくつかあります。

そして、ほとんどの労使協定は、届出をしなくても罰則を適用されるだけで、効力そのものは発生するのですが、この三六協定だけは届出をするまで無効です。

しかも、届出をした日からの時間外労働などについてのみ有効とされ、日付をさかのぼっての効力は認められません。

三六協定書を届け出た日の前日までの残業が違法になります。

 

<労働協約>

労使協定と混同されるものに労働協約があります。

労働協約は、労働組合法に定められた労働組合と使用者または使用者団体と結ばれた取り決めで、書面にされたものをいいます。

この労働協約は、労働組合が無ければ作成することができないわけです。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

うっかり三六協定の届出を忘れたり、期限切れの三六協定を放置しておくと、たった1分の残業でも「違法残業」となります。

三六協定の有効期間は最長で1年間ですから、更新が必要です。

社労士は、正しい三六協定の届出と更新をタイムリーに行います。

うっかりすることがないように、信頼できる社労士にお任せください。

 

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