仕事をサボる社員に会社から損害賠償の請求

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2019/12/17|943文字

 

<ノーワーク・ノーペイの原則>

たとえば勤務時間中に、スマホを片手にモンスター探しの旅に出ていたら、その時間の賃金はもらえなくて当然です。

働いていなければ賃金は発生しないというノーワーク・ノーペイの原則は、労働契約の性質から当然に導かれます。

つまり、使用者の「働いてください。賃金を支払います」と労働者の「働きます。賃金をください」という意思表示が合致して労働契約が成立したのですから、働かなければ賃金が発生しないのは当然なのです。〔労働契約法第6条〕

ただし、欠勤控除をするかしないか、どのように計算するかは、就業規則に定めておくべき事項です。

定めておかないと、実際に勤務時間帯に働かなかった場合に、賃金から差し引かれる金額をめぐってトラブルが発生します。

仕事をサボって、後から遡って欠勤控除を受けたというのであれば、労働契約の債務不履行による損害賠償請求〔民法第415条〕というより、不当利得の返還〔民法第704条〕ということになるでしょう。

 

<拡大損害の場合>

しかし仕事をサボったために、重要なお取引先への納期が守れず、取引を解消されてしまったので、会社の売り上げが安定して2割減少したとか、機械の点検会社の社員が点検を何回かサボったために、機械の故障による死亡事故が発生したという場合には、賃金を削られるだけでは済むはずがありません。

これらは、労働契約上の義務を果たすにあたって発生した拡大損害です。

たとえば、運送屋さんがソファーを個人の家に届ける際、玄関に飾ってあった時価1億円の花瓶を落として割ってしまったという場合、「すみません。配送料をタダにします」と言われても、「はいそうですか」とは言えません。

(これは、大学の法学部の講義でよく出てくる例です。個人的には、「花瓶をしまっておきましょうよ」と思う次第です。)

これも、契約関係から拡大して発生する損害なので、債務不履行による損害賠償のケースだとされます。

もし、こうした拡大損害を発生させてしまったのなら、サボりと損害との因果関係(原因と結果の関係)が認められる範囲内で、損害賠償を請求されることは十分にありえます。

 

いずれの場合でもなく、納得がいかない場合には、信頼できる特定社労士(特定社会保険労務士)にご相談ください。

 

解決社労士